私の手のひらにあるもの
辛くなると思い出す。
いつも人前では笑って、裏で泣いていた君を。
悲しくなると思い出す。
いつも前向きな言葉を掛けてくれた君を。
嬉しいと思い出す。
いつも優しい言葉を掛けてくれた君を。
幸せだと思い出す。
いつもにこにこしていた君を。
でも、思い出せない。
君が最後に言った言葉が思い出せない。
ねぇ、私にあなたは何をいってくれたのかな。
どうして、生きているとこんなに後悔ばかりなのかな。
必死に生きて生きてなんでこんなに失ってばかりなのかな。
なんで私の手はこんなにも失ってばかりなのだろう。
何故何もつかめないのだろう。
そう考えていると誰がいった言葉なのかもう思い出せないけど。
失ってしまった数を数えるのではなくて、今持っている幸せの数を数えなさいという言葉が頭に浮かぶ。
すごく優しくて残酷な言葉。
前向きに生きていかなければと思える言葉。
私の手を見て手の上にあるものを数えてみる。
まだあったよ。他人からみれば大したものじゃないかもしれないけど。まだあったよ。
君への大切な想いがまだあったよ。