折り紙少女
折り紙少女
昔々あるところに、折り紙が得意な少女がいました。
少女の名前は『カグラ』折り紙が大好きな女の子です。
カグラの折る折り紙は、命が宿ると言います。
「さぁ、今日は何を作ろうかな?」
今日もカグラは折り紙を折ります。
しかし、村の人たちはそんなカグラを良く思っていませんでした。
折り紙に命が宿る、それを聞いた村の人たちは、カグラを気味悪がりました。
カグラはそんなのはへっちゃらで、折り紙たちに話しかけます。
「私は孤独じゃない、だって、皆がいるんだもの。」
カグラの言葉に、折り紙たちは喜ぶように跳ねました。
ある日、お殿様が村に視察に来ると言います。
村の人たちは、お酒やご馳走などの準備をします。
しかし、村の人たちは険しい顔をします。
理由はカグラにありました。
折り紙に命を吹き込む、そのことが知られれば、お殿様は気味悪がって帰ってしまう。
そう思った村の人たちは、カグラを倉庫に閉じ込めることにしました。
「カグラや、ちょっと手伝ってほしいのだ。」
「村長さん? 何かしら?」
「倉庫にな、宴に必要なものがあるのだが、それを取ってきてほしい。」
村長の言葉に、カグラは頷きました。
そして、倉庫に着き、宴に必要なものを探していると、扉が閉まってしまいました。
「村長さん!? これはどういうこと!?」
「お前がいれば、お殿様は帰ってしまう、しばらくそこにいろ。」
「そんな……。」
村長は扉にカギをしてしまいます。
閉じ込められたカグラは、その場に泣き崩れてしまいます。
お殿様が村に到着しました。
村の人たちは、お殿様を歓迎します。
そして、飲めや歌えやの宴会が始まりました。
一方のカグラは、暗い倉庫の中で一人ぼっちです。
折り紙たちも、家の中なので助けを呼ぶこともできません。
その時、一つの和紙がヒラリと、倉庫の窓から入ってきました。
カグラはその和紙を手に取ると、鶴を折ります。
「お願い、お殿様に助けを求めて。」
カグラの願いを聞いた鶴は頷くと、倉庫の窓から羽ばたいていきました。
お殿様がお酒を飲んでいると、和紙で出来た鶴が肩に乗ります。
「おぉ? 可愛い鶴だなぁ。」
お殿様は鶴の頭を撫でます。
すると鶴は羽ばたいて、何かを伝えようとしています。
「ふむ、付いてこいというのか。」
その言葉に鶴は頷きます。
そして、お殿様はその後をついていきます。
鶴の後追いかけていくと、大きな倉庫の前に着きました。
「この中に、何かあるのか?」
鶴は頷くと、倉庫の窓から中に入ります。
すると、倉庫の中から声がしました。
「もしや、お殿様ですか?」
「そうだが、其方はいったい誰だ?」
「私はカグラと申します、村長さんに閉じ込められてしまったのです。」
カグラの言葉に、お殿様は驚きます。
そして、鍵を開けてほしいと願うと、お殿様は村長のところに行きます。
「村長よ、カグラという少女を閉じ込めたのは真か?」
「い、いや、それは……。」
「今すぐ開けよ、これは命令だ。」
お殿様の命令に村長は渋々応え、倉庫のカギを開けました。
「村長よ、どうしてカグラを閉じ込めたのだ?」
「そ、それはですな……。」
「私は折り紙に命を吹き込むことができます、それを皆は気味悪がっているのです。」
お殿様の質問に、村長は口をもごもごさせます。
その代わりに、カグラが質問に答えました。
それを聞いたお殿様は、カンカンに怒ります。
「カグラの個性は素晴らしいものだ!! それを気味悪がるなど言語道断!! カグラは我が息子の嫁とする!!」
このことに村の人たちは驚きました。
そして、カグラ自身も驚きます。
お殿様はカグラを連れて、自分の城へと帰って行きました。
そして、お殿様の息子と結ばれ、カグラは幸せになりましたとさ。
おしまい




