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村長との会話劇?

俺たち四人は鬼退治のための情報を得るため大きな村へと向かった。


その道中で新しいメンバーであるつばめのことを知るために色々と質問をする。


しかし俺が近づくとつばめは嫌がるので俺は三人とは少し離れて歩き、質問も主にマメ芝とハルカスが行った。


「ねえねえ、つばめちゃんはどんな剣を使うの?」


「はい、私の使う【鳥飼流暗殺剣】は鳥の動きを取り入れた独自の剣です。


わかりやすく言えば飛んだり跳ねたりしながら、派手な動きで相手を仕留めるという暗殺剣なのです」

 

飛んだり跳ねたりしていたら暗殺には向かないのでは?と思ったがそこはあえてスルーした。


そういえば初めて会った時も屋根の上から飛び降りてきたな。


「ふ〜ん、そうなんだ。それで、つばめが使うその何とか剣には必殺の奥義とかあるの?」


「はい、我が【鳥飼流暗殺剣】には一子相伝、門外不出の奥義【神羅忘烈衝】というものがあります」


「何それ、すっごいカッコイイ名前じゃん、それってどんな奥義なの?」


「そうですね、相手の後頭部に死なない程度の打撃を加え、脳の一部に衝撃を与えます。


するとその相手はそれ以前の記憶が消去されるという奥義です。消せる記憶は三分ほど前のモノですが」

 

何だ、それ?凄いのか凄く無いのかよくわからない奥義だな。


それにしても暗殺剣という割には地味な奥義だが、何か失敗をした時に相手の記憶を消すのはアリだな。


「何かやらかした時に、記憶を消して誤魔化すのに使えそうね」

 

ハルカスも俺と同じ発想のようだ、ていうかそれ以外の使い道があるのか、その奥義?

 

しかしながらつばめは確かに戦力としては心強い仲間といえよう。冷静に考えれば中々のパーティーメンバーになってきたと思う。

 

近接戦を得意とし、視覚、聴覚、嗅覚に優れている犬神属のケモ耳少女、マメ芝。

 

陰陽師の技で長距離戦を得意とし、猿の妖怪の血を引く白髪巫女少女 ハルカス。

 

鳥のような剣【鳥飼流暗殺剣】を習得し、普段は男性恐怖症、剣を握ればバーサーカーという和風美人剣士 つばめ。

 

盾役と回復役のいない超攻撃特化型のパーティーだが、それ故にやり方次第ではかなりの相手とも戦えるだろう。


俺のリーダーシップと、回復のためのきび団子が重要になってくるな。よし行くぞ、いざ鬼退治へ‼︎


 

ようやく目的の村に到着する。しかしその村は途中で寄った廃墟の村とは比べ物にならないほど大きかった。


そして何より驚いたのはその村をぐるりと囲うように高くて丈夫そうな壁が建てられていたのである。


「何か凄い村だな、俺の想像とは全然違った。まるで城塞都市だ」

 

高い壁を見上げながら感心しているとマメ芝が俺と同じように壁を見上げている。


「これ凄い壁だよな、これがあれば盗賊とかを撃退できるのでは無いかな?この壁はいつ頃からあるのだろうか?」

 

俺は何気ない疑問を口にしたのだが、なぜかマメ芝がそれに答えてくれた。


「この壁ができたのはつい最近だよ」


「えっ?マメ芝、この村に来た事があるのか?」


「うん、でも来た事があるというだけで、村の事はそんなには知らないよ」


「そうか……」

 

特に気になる内容もなかったのでそのままその話は流した。

 

壁に沿って村への入り口を探すと二人の屈強そうな門番が立っていて、逐一入場者をチェックしているようである。


俺はチームリーダーとしてこの村の責任者と面談すべく門番に話しかけた。


「あの〜俺たち、この村の村長さんにお話があるのですが……」

 

門番は俺たちの事を怪しげな目で見つめていたが、特に何も聞かれる事はなくすんなりと入れた。

 

村の中に入るとたくさんの人が行き交い、村は活気に満ちている。


ここまでの道中とはまるで別世界のように賑わい、村人は皆、何やら忙しそうに動き回っていた。


「えらく活気があるが、何かあるのか?」


「みんな忙しそうだね」


「聞いてみればいいんじゃない?」


「そうですね、じゃあ岩谷さん、どうぞ」

 

促される形で、俺がリーダーとして道行く村人に聞いてみる事にする。


村人に話しかけて情報収集をするというのはRPGの基本中の基本だからだ。


「すいません、何か忙しそうだけれど、何かあるのですか?」


「おう、もうすぐ年に一度の村祭りだからな。兄ちゃん達も祭見物かい?」


「いえ、そうでは無いのですが……この村の責任者の方に会いたいのですが?」


「村長さんかい?ここから真っ直ぐ行った大きな建物が村長さんの家だ、この村で一番大きな家だからすぐにわかるよ、じゃあな」

 

長さんの家を教えてくれた村人は、忙しそうに去って行った。 

 

俺たちは言われるまま村長さんの家に向かうと、想像より遥かに大きな家が建っていてすぐにわかった。


「すげー家だな、まさに豪邸という感じだ」

 

この時代の村には似合わない立派な家が目の前に聳え立っていた。


よほどあこぎな商売でもしていない限りこんな豪邸は建てられないはず、もしかしたら村長は凄く悪い人なのでは?

と勘繰ってしまう。


「でもこんな凄い家を建てるぐらいなら、その村長とかいう奴はかなりの悪党である可能性もあるわね」

 

どうやらハルカスも俺と同じ印象を持ったようだ。

 

扉を叩くと中から女中さんが出てきた。〈村長さんにお話があるのですが〉と伝えると


その女中さんは俺たちを一瞥し〈少々お待ちください〉と言って中へ帰っていった。

 

十分ほど待たされた後、村長さんが出てくる。


「いや、待たせたな。今は祭りの準備で忙しくて。私に話があるそうだが」

 

出てきたのは随分と恰幅のいい中年男性だった。年齢は五十歳前後、背は俺より少し大きく、横幅は俺よりかなり大きい。


白髪まじりの口髭を蓄え、指にはいくつかの指輪をはめている。少し偉そうな態度といい、見るからに成金といった感じだ。


だがこの村一番の権力者であることは疑いようもない。俺はなるべく相手の機嫌を損ねないように丁寧に話し掛けた。


「突然押しかけてすみません、お話というのは実は俺たち……」

 

話している途中で〈もうわかった〉とばかりに話を遮り、自分から話し始める村長さん。


「それ以上言わんでもわかっている、お前たちは旅芸人の者達だろう?


今年の祭りの舞台に駆けつけてくれたわけだ。見たところ中々の美形を連れておるし


一人あたり五十文でどうじゃ?内容が良ければもっと金は弾むぞ?」


「いえ、俺たちは旅芸人とは違います。実は……」


俺が改めて説明をしようとすると村長はまたもや食い気味に口を開く。


「そうか、都で人気の歌舞伎役者を模写する芸人だな?今だと市山団乃助あたりと見たが、どうじゃ?」


「いえ、私たちはモノマネ芸人とは違います、実は……」


「そうか⁉︎悪い、悪い、以前都で好評だった芸を久々に披露する芸人じゃな?懐かしい芸を見せてくれるというわけか?」


「いえ、俺たちは一発屋芸人ではありません、実は……」


「なるほど、では芝居がかったネタを披露する……」


「だ か ら 芸人じゃねーっていっているだろうが‼︎ていうか、どうして芸人決め打ちなのだよ?いいかげん話を聞け、ジジイ‼︎」


あまりに興奮してつい声を荒げてしまった。そのせいか、村長さんは不満げな表情でこちらをじっと見ている。


だが俺にしてみれば最悪ここでお払い箱でも構わない


なぜなら俺の目的はあくまで【彼女を作る事】であり、鬼退治は二の次、三の次だからだ。


「じゃあ貴様らは何だ、何しにこの村に来た?」

 

村長は腕組みしながら怪訝そうな目でこちらを見て来た。明らかに不機嫌な態度である。俺は大きく深呼吸した後、改めて説明する。


「申し遅れましたが、私は桃から生まれた桃太郎こと岩谷桃助と申します。


この者達と鬼退治にやってまいりました。鬼の情報を知りたくてこの村に来たのです」

 

すると村長さんの表情は一変し、急にニコニコと微笑みながらフレンドリーな態度で近づいてきた。


「そうですか、そうですか。まさかあなた方が鬼退治とは。


このように別嬪な方々を連れていらっしゃるのでてっきり芸人の方かと


大変失礼しました。ささ、我が家の中へお入りください」

 

豹変ともいえる平身低頭で丁寧に迎えてくれる村長さん。だが悪くない、こういう扱われ方は何度されてもいいものだ。


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