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新しい未来!素晴らしいブランドの誕生!王善佐奈の素敵なダイアリー【前編】

「はいスタジオ王善です」

「はい。はい!ありがとうございます」

「ですが申し訳ありません納品は今年の末に位かと…」


スタジオ王善のスタートはね!とっても上手くいったの。

私が思った以上に皆興味を示してくれたみたいで!

新時代の「王善」を気に入ってくれたマダムやご令嬢が、

「王善」のお着物を購入希望してくれて。

もう王善の生産ラインは限界まで稼働させているの。

それでも間に合わない位で…

廉価版の販売を決定するレベルだったのよ。

赤紅君と神緑君の家にも大量に発注する事になって。

新しい風は確かに王善に舞い込む事になったのよ。


「デザインリーダー。王善のハイブランドのお着物に注文が入りました」

「そうなのね!やっぱり銀座のアトリエを造ったのは正解ね」

「は、はい…!

昔からご注文くださっていたマダムやご令嬢からも、

新しいお着物のデザインを見て思い出して下さったのか。

もう一度欲しいと思ってくださったのですね。

昔お持ちだったマダムも一斉にご注文を戴いております」


今までのご注文を控えていたマダムまで…

そんなやっぱり私の感性が昔のマダムまで呼び寄せてしまうだなんて…

私には予想外の事も起こったのよ。


「デザインリーダー。王善のオーナーである銀斗様よりご連絡が…」

「解ったわ!」


そうして私は受話器を取ることにしたのよ。


「はい!デザインリーダーです」

「やぁデザインリーダー佐奈。

仕事は順調かな?」

「勿論よ!色々注文も入ってきて発注が忙しくて大変だわ!

もっと生産ラインの強化は出来ないかって、相談したいくらいなのよ?」

「ははは。すまない。

けれどこれが限界なんだ。

もうア、アトーシン(アウトソーシング)を限界まで詰め込んでいるからね。

若葉家と狩戸家にも増産の要請はしているんだけれどね」

「それも私の計算通りだから安心してください」

「おや、そうだったのかい」

「はい!

地盤は固まりました。

ブランド王善は不動の物となったのです。

ですから次の段階に進む時期となってしまっただけなの」

「なるほど。

デザインリーダーの先見の目を見ていると驚きを隠せないよ。

さすがだなぁ」

「えへへへ」


そう私はブランド王善からまた一つ新しい物を生み出すのよ。

そうスーパーハイブランド。

それは私が認めた人しか着られない。


―デザインリーダー佐奈が選んでやった美の結晶達が纏う物―


私独自の世界を表現する為のブランド。

私の心を形にする素晴らしい物の数々…

それを私はこの世に出さなくてはいけないの。

この計画は今までの様にだれかを頼るんじゃなくて…

私一人で作り上げるべき計画なのよ。


そう…

これは私一人で成し遂げる為に動き出すの!

けれどそんな時だったの。


「う、うげぇぇぇぇ」

「デザインリーダー!」

「リーダー!」


耐えられない吐き気がして私はトイレに駆け込む事になって…

突然の事だったのよ。

けれど私の様子を見たアシスタントたちは驚きはしていなかったの。

突然の体調不良に見舞われたのに。

だれも心配してくれないなんてって思ったのだけれどね。


「で、デザインリーダー?

もしかして…」

「な、なによ?」

「その確認ですけれど、ここの所生理は来てますか?」

「え?…?…え?あ!」

「その病院に言って確認なさった方が…」

「そうね。そうなら素晴らしいことだものね!」

「はい…」


私は直ぐに病院に行って確認を取ったのよ。

かかりつけの医者で色々と融通が利く所だったから。

直ぐに結果を教えて貰えたの!


「妊娠なさっていますね」

「やっぱり!」

「おめでとうございます」

「ありがとう!

けれどこの事は誰にも言わないでください」

「…解りました。けれど定期検診は必ず受けに来てください」

「はい!」


ふふふ。

上手くいっている時には嬉しい事も重なる物ね。

私はがっくり肩を落としながらアトリエに戻ったの。


「え、えっと。どうでしたか?」

「うん…ただの激務で疲労がたまっていただけだって」

「…そうですか」

「ごめんね」

「い、いえ勘違いさせるような事をこっちも言ってすいません」

「ううん。大丈夫よ」


今は新しい私だけのブランドを創り上げる大切な時期。

私を支えてくれるスタッフを不安にさせる訳にはいかないのよ。

そうして私の…私だけのブランドSANAを創り上げる為に、

私は連日アトリエで頭を悩ませることになったのよ。


「やぁ佐奈」

「黄河君」

「新しいデザインは必要にならないかな?」

「ごめんね黄河君今はそれ所じゃないのよ」

「それはどうしたんだい?」

「コレは秘密なんだけれどね。

私の…私だけのブランドSANAの立ち上げが決まったの」

「それは!良かった。今回も協力させてもらうよ」

「ごめんなさいそれは出来ないの…」

「え?どうして?今までだって協力して来たじゃないか」

「でもそれはブランド王善だからよ。

ブランドSANAは私の心の形を映し出す鏡なのよ。

そこに黄河君の色は入れられないわ」

「そうなんだね。

ならブランド王善の方で…」

「王善も受注が入りすぎてこれ以上は新しいデザインを作ってもらっても、

生産できないの。だから新作は今はいらないわ」

「あ、そ、そう。でも…」

「ごめんなさい今、忙しいから今度で良い?」

「解った」

「ありがとう」


この頃は黄河君の様子が少しおかしくって。

あの寛大な心で私を包み込んでいてくれた黄河君は、

随分と王善で作品を発表したがるようになってしまっていたの。

勘違いしてもらっては困るなぁ。

ブランド王善は王善家のブランドで黄河君の物じゃないのだからね。

いつでもデザインを買い取って発表する場にはできないしね!

今はブランドSANAの為の私は集中したいから。

ブランド王善も今までの物で十分デザインも間に合っているんだから。

それから私はまたブランドSANAのデザインに集中し始めたの。

けれど今度は青戸君からの着信があって…


「やぁ佐奈。新しい経費削減と事業計画が出来たんだ見てくれないか」

「ごめんなさい青戸君今はそれどころじゃないの」

「何か…悪い事でもあったのかな?」

「ううん。違うわ。

余りにも順調にいきすぎてしまって…

新しいスーパーハイブランドを作ることになってしまったの」

「それは大変だね。協力するよ」

「ごめんなさいこのブランドは小さな規模になる予定だし。

ブランド王善の一部門からスタートさせるから」

「なるほど。

なら、なおさら王善の資金繰りの計画を変える必要があるね」

「大丈夫よ、今は安定しているし販売計画も順調だから」

「あ、ああ。そうなんだ」

「うん!だから心配はいらないわ!ありがとう」

「そ、それじゃぁ次は…」

「ごめんなさい今、とても忙しいからまた後にしてくれる?」

「解ったよ」

「それじゃあね!」


青戸君もどういう訳か王善の財務の事を気にしていて。

ずいぶんとお仕事をしたがるのよね。

けれど今は王善の財務状況は悪くないし。

青戸君の提案通りアウトソーシングを取り入れたから上手く回ってる。

だから自分自身のお仕事の手を広げるべきなのよね。

青戸君も王善の改善計画を行った一人として、

かなりの方面から引っ張りだこの人気プランナーなんだから。

忙しいはずなのにここまで気を使ってくれなくてもいいのにね。


そうするとまた着信があったの。

今度は白勢君だった。


「やぁ佐奈。新しくアトリエに置くオブジェはいらないか?

新作が出来たんだ」

「ごめんなさい白勢君今はアトリエに変化を付けたくないの」

「それはどうして?」

「今アトリエに来てくださってくれているお客様は、

気持ちよく王善のハイブランドのお着物を購入して下さっているのよ。

だから今のアトリエの雰囲気がとてもいいみたい」

「そ、そうなんだ。でも新作も素晴らしい物だよ」

「そうかもしれない。

けれど新作を置けば新しい雰囲気でお客様を迎え入れられるよ」

「それでも今のお客様を大切にしたいから」

「…解ったよ。じゃぁこの新作は別の所に持って行ってしまっていいね?」

「ええ。白勢君の新作を手に入れられなくてざんねんだけれど」

「そうだよ。気が変わったらすぐに連絡してくれていいから」

「ありがとう」

「次の新作も早めに仕上げるよ」

「そうなんだね。じゃぁ次回の作品を楽しみにしてる」

「あ、ああ!次は…」

「それじゃあね!」


白勢君もどうしたんだろう?

自信満々に造っていたんだから。

他の現代美術館に売り込めばいいのに。

王善だけにこだわる必要はないのにね。

そこまで気にしてくれなくて良いのになぁ。

そうして一日が終って家に帰宅して休んでいたのよ。


この頃はお腹も重くなってきていて…

確かに私の中にもう一つの命があるんだって考えると嬉しくなってた。

と言う訳で王善佐奈の素敵なダイアリー完結です。

ご愛読ありがとうございました。


コレいわゆるハーレムエンドですかねぇ?

佐奈ちゃんも新しい世界に打って出るブランドSANAが出来上がって、

嬉しいでしょうし。

子供も長男長女と二人います。

結婚してませんが父親はカラーズ五人の誰かです。

だから不倫でも浮気でもないって奴です。

そして五人も結婚していないので言う権利はありません。

これからも佐奈に愛を囁き独創的な作品を世に送り出し続けるのでしょう。


素晴らしい物語で終わりなのでした。

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