佐奈の華麗なる跳躍した二年間の集大成!【前編】
次回の投稿は明日の20時です。
私のブランド王善立ち上げ計画の準備は順調に進み始めたの。
現物が出来たらそれを着て有用性を示す事も、
当然しなくちゃって考えていたのよ。
だってこのお着物の良さはきっと体験しないと解らない事だから。
革新的で前衛的なデザインにはみんな拒否感を示すでしょ?
だからその拒否感を軽減する為に「お手本」となる子を見せて、
その「美しさ」を理解できるようにしてあげないといけないのよ。
そう考えて私はその新しい「美」に対して前向きで挑戦しやすい子達を、
知っていたのよ!
そう私の通う美大生の女の子達皆が私の考えに賛同してくれて。
それで私が声を掛けたらその意見に賛同してくれたのよ!
「新しい美に挑戦するって楽しいよね…」
「やっぱりそう思ってくれる?」
「ええ…協力させてもらうわ」
「ありがとう!」
「王善さん…この前の話は本当?」
「当然よ!準備だって出来ているわ!」
「そう…なら少しばかりだけれど協力させてもらおうかと思う」
「ありがとう!」
皆この前衛的で革新的なお着物に夢中になってくれたのよ。
それで私が選んであげて厳選したメンバーがそのモデルをして…
皆が連日お着物を着続けてくれたのよ!
その結果も相まって私の考えの正しさが証明される事になったの。
勿論目立つお着物だから私の想定通りに話題になってくれてね。
テレビ局の取材なんかが美大に来るぐらいになってね!
「今とある大学では着物が流行り始めています!
そのお着物は普通のお着物とは違いまして、
とても素晴らしいお着物なのです」
―なななんと、素晴らしい輝きを放ち―
―皆が同じようなお着物を着て過ごしているではありませんか!―
―これは一体どういう事なのでしょうかぁ!―
―現地で私達は取材をする事にしたのでしたぁ!―
「えっと、その独特なお着物を御召しになっているのは…」
「あぁ!このお着物ですか?素敵でしょう?
この学校に通う同級生なんですけれどね!
お着物の可能性を示す一つの形として作った、
実用性のあるお着物なんです!」
「まぁ!そうなんですね!何で素敵なんでしょう!」
「なんでも新しいブランドの形を創出するって形なんですって!」
「へぇそうなんですかぁ!一目でわかるとても便利なお着物なんですね!」
「はい!収納も多くて実用的なお着物なんですよ!
余りにも便利でもう使うのを辞められないんです!」
「うわぁ!それは素敵ですね!」
皆が使い心地が最高だって評価してくれてね!
やっぱり良いデザインには良い評価が下るのよ!
皆本当に言葉通りに毎日お着物を着てくれて。
大学内では佐奈のお着物を着ている生徒は羨望の眼差しで、
見られ続ける事になったのよ!
そうするとね?
やっぱりそのお着物を造ったのは誰なのかって話になって。
私の所にも取材が来るようになったの。
それはもうたくさん取材を受けたわ。
そして欲しいって声をいっぱい聞く事が出来たのよ。
「素晴らしいお着物ですものね!」
「ええ。良く出来ていると自負しておりますわ!」
「このデザインは佐奈さんが思いついたのですか?」
「原案は私が考えまして。
それを同じ美大にいる仲間の支えによって、実現したんです!」
「なるほど良き仲間に巡り合えたのですね」
やっぱりモデルになってくれたみんなは私のプロデュースしたお着物を、
連日着る位に気に入ってくれたからかな。
それだけで私のデザインと方向性は間違っていなかったって思えて。
それで、私はこのデザインがこれからのスタンダードになるって確信できたのよ。
ブランド王善を創り始めてここまで来るのに半年もかかっちゃった。
それは私に少しばかりの焦りを覚えさせることになったの。
「王善さん。あのお着物は何時販売するつもりなの?」
「え?それは当然スタジオを立ち上げる時に、販売を開始するわよ」
「そうなの…」
「もしかして…欲しくなっちゃった?」
「えっと…そのとても良い生地を使っている様だから…」
「ふふふっ。
そこはほら、王善の伝統の技術がたっくさん使われているからね!」
「そうなんですね」
良い品質のお着物を良い品質で売る。
その為の準備もしなくてはいけないんだけれどね。
けれどやっぱり王善はハイブランドの会社だから量産はあまり得意ではないの。
私はその事も解っているから。
ここは同業者に支援を頼む事にしたのよ。
持つべき人は深い関係で結ばれた友達だって事ね!
狩戸赤紅君にまずは話を持ち掛けてみたの。
そうしたら私に声を掛けようとしていてくれたみたいで!
「佐奈。驚いたよ!メディアにも引っ張りだこになっているだなんて!
まさぁ非凡だとは思っていたけど、
こうも早く頭角を出すだなんて思わなかったよ」
「ふふふっやっぱり私の才能は他を圧倒しているから仕方がないのよ」
「ああ!本当に信じられない事態が起こっているね!」
「それで…今夜あたりちょっと込み入った話があるんだけれど…
いいかしら?」
「佐奈の話を断るような奴はいないさ!」
「ありがとう!」
その夜私と狩戸君は夜遅くまで話し込む事になったのよ。
それはこれからのブランド王善の発展に置いて必要な生産設備をどうするか。
それを考えなくてはいけなくてね。
アウトソーシングと言う形で出している物を誰か責任を取れる立場の、
人が作り上げる事が良いって事で。
ともかく生地の生産に関してどうにか増産したかった私は、
狩戸くんの実家である狩戸家にその生地の生産を申し出たの。
「佐奈…やはり天然の素材では繊細過ぎてダメだったから、
化学繊維の材料を混ぜ合わせて何とか品質を一定にする所まで、やってみるよ」
お願いね赤紅君。君の力が私には必要なの!
将来のブランドの成功の為に何としてでも作り上げて頂戴ね!」
「ああ!佐奈の考えた黄金をより綺麗に美しく輝かせるために、
形にしてみせるよ!きっと新ブランドが発表されるときには、
納品できるようにするさ!」
「信じているからね!」
「ああ!大丈夫さ!狩戸家の全てを使ってでも作るさ!」
それから半年ぐらいかかったんだけれど。
赤紅君は約束を守ってくれたのよ。
それは王善で作る金色よりも鮮明で美しくて。
誰もが纏いたくなる色だったの!
次回の投稿は明日の20時です。