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佐奈の一大決心夢を掴むための第一歩!婚約破棄をして自由を勝ち取るの!

次回の投稿は明日の20時です。

私の名前は王善佐奈!

何処にでもいる普通の女の子なの!

それで私は高校を卒業してこれから大学生になるって所だったんだけど…

何と私には御爺様が決めた許嫁がいるんだって。

私は驚いちゃった!それも御爺様の知り合いの息子さんで、

私が高校を卒業したら結婚するって約束だったんだ。

そんな!って思ってね。

けれど御爺様が決めた事だからって事で、

お父さんはそれでも佐奈の人生だから好きにしなさいって言ってくれたの。

それでもお父さんに迷惑かけたくない私はその申し出を

無下にしない位の常識はあったのよ。

友達の俊哉君にも相談してみたんだけれどね?


「そんな親が決めた結婚なんて断っちゃえよ。

お前が苦労する必要はないんだよっ」

「で、でもさ?御爺様が決めた事だしね。

ほ。ほらお家の繋がりもあるじゃん?」

「だからってそんなのに付き合う必要なんてっ!

お前が犠牲になる必要なんてないじゃん。

お前い夢があるって言ったじゃん

有名なデザイナーになってパリコレみたいな会場で歓声を浴びるんだって」

「そうだね。

私頑張るよ!」

「ああ!」


そ、うだよね。

御爺様が決めた事に素直に従うのなんて私はそこまで子供じゃないんだし!

沢山のお友達に支えられて私はやっぱり挑戦する未来が欲しい。

私には可能性があるの!

その可能性を広げる為にも大きく羽ばたく時なのよ。

服飾の専門学校に通って…それで新しい息吹を王善に吹き込むの。

いっぱい広がった夢に向かって羽ばたくのよ。

高校の美術部の顧問の先生も私の作るイメージした絵を褒めてもらえたし。


「やっぱり王善にはそれなりに良い目があるんだから…

美大に行くのも良いかもしれないね?」

「そ、そうですか?」

「…うん、王善の夢がデザイナーになる事だったら、

挑戦してみるのも悪くないと思うんだ」


…やっぱりその道の先生が言ってくれたんなら挑戦してみようかな…

その日お父さんに相談してみたんだ。


「ね、ねぇお父さん。

許嫁の事なんだけどね?」

「あ…ああ。どうしたんだい?」

「わたし、やっぱり美大に進学したい!そして新しい世界に触れたいの!」

「うん…その気持ちは解かるよ佐奈は絵も上手だからね」

「だ、だからその…結婚は後にしたいなって。

全力で取り組みたいから余計な結婚とかは私の足枷になるかもしれないし」


それは私の心からの願いだった。

可能性は開けたんだ美大に進学できるかもって!

その私の絞り出した声にお母さんも笑ってくれて…


「お父さん。もう少し佐奈には時間が必要かもしれませんね」

「そうだな。爺さんの事もあるけど。

それは爺さん達で決めたまぁ…口約束みたいなもんだしな。

少しばかり水崎が意気込んでいるみたいだが…何とかするだろ」


そう言ってお母さんはそれ以上何も言わなくて。

お父さんは私の許嫁の事を許してくれたんだ。

けれど御爺様はカンカンに起こったみたいでね。


「な、なにを考えてる!お前!お前達は水崎をどれだけっ!

ワシがどれだけ考えて計画して来たと思っているんだ!」

「たとえ父さんでも娘を会社の為に犠牲にするのは父親として許さない!」

「バカがっ!そう言う事は一人で会社を運営できるようになってから言え!」

「会社経営と言うのなら王善の経営基盤は盤石だ!

娘を政略結婚させなくとも俺がどうにでもして見せる!」

「だから貴様は馬鹿なのだっ!

今経営が盤石なのは当たり前だっ!10年20年先を考えて「今」手を打つのが、

しなくてはならない事だろうっ!」

「そんな事言われなくとも解っているっ!

俺が経営を引き継いで何年たっていると思っているんだ!?

もう王善は立派な企業だそう育てたのは俺だろう!」

「…そだ…てた?…はっ…はははっは…

わかったもう良い。ただ見合いだけは佐奈に受けさせろ。

それが最低限の礼儀だ…」


その時の御爺様の激昂ぶりは見ていて怖くなる位だった。

けれどそのお父さんのいうお見合いで「礼儀」をすれば、

全て良くなるって事で私はお見合いをする事になったんだ。

前日から用意してもらった王善の最高級振袖を用意してもらって。

当日はスタイリストさんにきっちりと仕上げてもらった私は言うまでも無いけど、

とっっっても可愛らしかったの。

鏡の中の自分が本当に自分じゃない位にね!

それこそどっかのモデルやアイドルに見える位に素敵で!

私ってこんなに可愛くなれるんだって思ったのよ。

それで高校3年の冬にこのふざけた許嫁を終らせるために、

その水崎家の息子さんとのお見合いに望んだのよ。

高級な料亭の離れを予約してお父さんとお母さんに連れられて行った、

その場所でお見合いを始めたんだけどね…

その相手の人は24歳とかで…

水崎省吾って人だったんだけど。

見ていて気分のいい人じゃなかった。

何て言うのかね?私に対して若さが足りてないって言うか。

笑顔も汚いし着ている物は一応ブランド物のスーツっぽく見えるんだけど…

それでも着せられている感が半端なくて…

一目でこの人はなんかダメって思う様な人だったの。

何ていうかこの人と結婚したらとっても不幸になりそうって感じで。

滲み出る内面が毎日を必死に生きるのに精いっぱいみたいな…

そうよ!そんな不幸のオーラが滲みだしているって言えば解りやすいし。

元の顔もぱっとしていなくて華がかったの。

ルックスもあんまり良くないのね。

もしも…もしもだけどこの人と結婚する事になったら、

その結婚式の写真写りをとっても気にしなくちゃいけなさそう。

お似合いになる為にメイクもダサくして…

顔を合わせる位はしてあげなくちゃいけないかもしれない。

この人よりも俊哉の方がイケメンなのよね…

それで直ぐにでもこのお見合いを切り上げた方が良いって考えたの。

だって御爺様の約束なんだから。

後はお二人でと言われた後他の人が退席して私達だけになって。

静かな離れに静かな時間が始まったのよ。

張り切っておめかししただけあって帯の締め上げもキツくって。

それでいてお断りの場でしかないから…

こっちを見てくる省吾さんの視線も嫌だし私から、

この嫌な時間を終らせるために話す事になったの。



「あ、あの!婚約を破棄したいんです」


その第一声を聞いて省吾さんは目を丸く見開いたの。

で、でもこの婚約破棄も当然でしょ?

そもそも年齢が違くて私と違って彼は6つも上なんだよ?

驚くこと自体が失礼なんじゃないかって思って…

けれどそれで私も必死に夢を語る事にしたの。

そして私の将来がとっても素晴らしい事になる可能性があるのだから、

貴方も歳相応の人と結婚するべきなんだって気付かせてあげるべきなんだって。


「わ、私は恋をしてみたいんです。

そ、それでも好きな人と結婚するのが良いと思うんです!

それに実家の染め物を使って新しい現代的な物を作って、

自分のブランドを立ち上げたいって思っていて!」

「…そうですか。それは素晴らしい考えですね」

「はい!」

「君は…自身が言っている事が何を意味するのか解っているのか?」

「解っています!迷惑をかけてしまうと思うけど…

それでも私は夢を追いかけたいのです

どうか協力してください!」


やっぱり省吾って人も解ってくれるみたいで。

協力してほしいていえば、

ほら目上の男性だって事も有って直ぐに返事をくれるの。


「ああ、がんばって」

「はい!ありがとうございます!」


それで私達の婚約関係は終わったのよ。

それから私は美大に入る為に全力で準備をして受験に望んだの。

わぁ…って思えるほどの作品を作って…それで補欠入学だけど、

その大学に入る事が出来たのよ!


「やったな佐奈!」

「…佐奈にはそれだけの力があったのね」

「ありがとうお父さん!お母さん!」


こうして高校三年生の楽しくも忙しい冬を過ごして、

私は春から憧れの美大生として恋に遊びに励む事になったの!

きっと素敵な生活が待っているはずよ!

そうして始まった美大での生活なんだけど…

素敵な人達に囲まれることになったの。

そして新生活に慣れて1年たって落ち着いたころにお父さんから、

とある報告を通話で聞く事になったの。


「生活は変らないか?」

「うん。美大の仲間も出来て楽しいよ」

「そうかもう佐奈には関係ない事なんだけどな」

「うん」

「水崎の事を覚えているかな?」

「…あのお見合いの相手?だった人?」

「そうだよ。あの時佐奈が断ってくれたおかげで面白い事なったよ」

「ふーん。そんなにもったいぶらずに教えてよ何かあったの?」

「ああ!工場を3つも潰して従業員はほとんど解雇する事になったそうだよ。

やっぱり佐奈は見る目もあったんだな!。

佐奈が結婚して一緒の会社にしていたら、

お父さん達も大損害だったって事だよ!

いやぁ佐奈のカンは当たったって事だよ!」

「やっぱり?だってほら人から出るオーラが汚かったからね…

顔だってなんだから冴えていなかったしさ。えへへ」

「やっぱりデザイナーとかを目指す佐奈は流れを読む力も強いんだね」

「そ、そんなことは…あるかもしれないね!

頑張って力に磨きをかけるよ」

「ああ!頑張りなさい!」


えへへ。私って未来を見る力があるのかぁ…

それはとってもすごいんだね。

やっぱり私は選ばれた人なんだって思って…

それで運命の人達と出会う事になるの!




これは王善佐奈の素敵なダイアリーの序章なの!


次回の投稿は明日の20時です。



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