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Abyss

 春もすぎ、すっかり気候もよくなったころ。

 連日、ストレスのたまるデスクワークに追われていた僕に、キム部長じきじきにお呼びがかかった。

 執務室のドアを開くと、部長は小難しい顔で何やら資料のペーパーに目を通しているところだった。

「おお、まあ座れ」

 僕の顔を見た部長はそう言ったきり、しばらく資料から眼を離さなかった。

「ヨハン、ゴキブリホイホイ作戦は知っているな?」

 部長は口を開いた。

 僕は答えた。いいえ、承知しておりません、大佐殿。

「日本軍残党ゲリラ、掃討作戦のことだ。紀伊半島の山岳地帯に潜伏したゲリラが叩いても叩いてもチョロチョロとわいてくる。しぶといところはまるでゴキブリだ。それで前線部隊の連中は、日本のロングセラー害虫駆除製品に敬意を表し、仲間内でその掃討をゴキブリ・ホイホイと呼んでいる。むろんオフィシャルなコードネームじゃない。正式には〈ダウン・フォール作戦〉だ。機密解除のアクセス権を付けておくから、詳細は連合国のAIを通して確認しておけ」

 了解であります。

「で、貴様の任務だが、ゲリラの親玉の首実検ってとこだ。ゲリラの幹部、ケイイチ・ムラカミ元日本陸軍大佐を捕虜にしたい。現地部隊がやつを捕まえたら連れて来い。死亡した場合は首級をとれ。DNAサンプルだから、もちろん遺体の一部でOKだ。まちがっても生首なんかもってくるんじゃないぞ、ハハハ」

 了解であります、大佐殿……

 納得いかなさそうな僕の態度を大佐は見逃さなかった。

「本来、ゲリラどもの掃討は特殊部隊の担当だが、捕虜からの情報収集はG2マターとも重なるから、HVT(要人)の確保は我々の所掌になる。質問があれば言ってよし」

 なんだよ、使いっ走りか……と思いつつ、軍隊で文句はNGだ。

 了解であります、と僕は答えた。

「装備は駐屯地の補給部隊で調達しろ。ムラカミの人相風体は等身大3Dホログラムで確認しておけ。23階・映像編集ブースにプロジェクターが用意してある。準備でき次第、クマノの前線作戦基地へ飛んでくれ。連絡はとってあるから、むこうでは現地指揮官の指示に従え。以上だ」

 僕は執務室を後にした。


 3Dホログラムをチェックしたあと、オフィスに戻ってAIから得た情報によれば、それはゴキブリ退治とは程遠い、過酷な作戦だった。日本軍残党とは言っても、その大半は元特殊部隊の精鋭たち。彼らはゲリラ戦のスペシャリストでスキルも士気も高く、装備も一流だ。掃討部隊の輸送ヘリ何台かが日皇エレクトニロクス工業社製「三八式スティンガー・ミサイル」の餌食になり、我が方は多数の犠牲を出していた。

 日本軍残党は先の連合国軍の先制攻撃の際、反撃がままならないと知るや無断で大量の兵器を隠匿し、来るべき本土決戦に備えた。以来ゲリラ達の一部はクマノの山岳地帯に潜伏し、偵察衛星やドローン、無人攻撃機、現地に張り巡らされた各種センサーをかい潜り、まるで山伏のように絶えず移動しながら粘り強く抵抗を続けている。

 のみならず、彼らは時々都会に出没しては爆弾テロ、銃乱射事件を引き起こしては無差別殺人を行い、社会不安を煽って占領軍による統治を混乱させようとした。また資金的に追い詰められて銀行強盗や要人の身代金目的誘拐などの犯行も重ねていた。ゲリラにしてみれば祖国を取り戻すための義挙なのだろうが、世論は彼らに批判的で民心は離れていた。そもそも奴らは民衆のナショナリズムを煽り、祖国を負け戦に引きずり込んだ張本人たちだ。その志とは裏腹に、ゲリラが頑張れば頑張るほど占領軍への期待と信頼が増していった。

 そもそもゲリラ掃討だけなら無人兵器の出番だ。AI制御による無人装甲車や戦闘ロボットが敵を待ち伏せ、あるいは一定範囲内にいる人間をドローンで手当たり次第に撃ちまくればいい。しかし敵もバカではないから必ず対策というものを講じる。科学技術にも必ずどこかに限界があり、弱点が露呈するのは時間の問題なのだ。しかも兵器産業とて所詮金儲けの手段。実戦で最新兵器の性能アピールし、マッチポンプで敵対勢力との双方から利益をとることを考えている。一方に最新兵器を売れば他方に対策を売りつける。そうしていつしか最新技術も陳腐化し、役に立たなくなるのである。さらに新たな手が打たれてもその効果はしばらくの間のこと。戦争なんてそんなことの繰り返し、いたちごっこなのだ。まさに、究極のベンダー・ロックイン。だからハイテク全盛時代にもかかわらず、結局はアナログな人の手を借りざるを得なくなる。

 このような混乱状態が許されているのは何も、敗残兵ゲリラの暗躍だけが理由ではない。今や日本の国境管理はあってなきがごとき状態で、外国の情報機関や犯罪組織が無断で日本各地にアジトを作って出入りし、国境線が有名無実化していた。深刻化する少子高齢化と地方財政逼迫により、ポピュリズム政府は短期間で都市に人口を集中させるコンパクトシティ化を推進したが、これが日本中の山間僻地から集落を消滅させ、無人地帯が国土を覆い尽くす結果をもたらした。国境監視は監視カメラとドローンが主役となり、実力行使は警備当局のヘリと無人飛行機が中心となっていた。これとて予算と人員の制約があるから、押し寄せる侵入者に全て対応することは事実上不可能なのだ。日本では世界中の犯罪組織や諜報機関が暗躍し、ゲリラもそれに乗じて暴れまくることができた。

 我々占領軍としても軍の情報部隊や偵察衛星からデータを収集し、ゲリラの潜伏している確率の高い地域をAIに割り出させ、そこへ掃討部隊送り込んではコツコツ叩く、という地道な作業を続けなければならないのである。


 夕方に僕は高麗陸軍駐屯地の補給部隊を訪ね、迷彩戦闘服、野戦帽のブーニー・ハット、ケブラー・ヘルメット、コンバットブーツ、高麗軍仕様のG-shock、防弾用のボディ・アーマーと各種装備を収納するタクティカル・ベスト等を支給してもらった。また護身用にAimpoint付きMK18アサルトカービン、それにIRレーザー照準デバイスを付属して貸与してもらった。

 高麗軍兵士は、米国の某銃器メーカーのライセンス生産ではあるが、メードイン・コリア、陸軍仕様の自動小銃が支給される。しかし士官になると自前で銃を調達することが許される。補給部隊にはまさに世界中の銃器が用意されているので、自分の好みや任務の目的によって武器をチョイスできるようになっている。在庫次第ではあるが。


 宿舎で大型ナイロンバッグに装備品を詰め込んでいると、深夜crescent814から連絡が入った。あまりチャットする気分でもなかったが、返事ぐらいはすることにした。

「どうしたの? 怖い顔しちゃって……」

「ああ、明日からしばらく戦場にいかなくちゃならない」

「まあ……急な話ね。戦場だなんて、やっぱりあなたは兵隊だったんだ。事務職だとばかり思っていたけど」

「うん、まあそうなんだけどね。軍隊にいればそういうこともあるんだ」

「それですっかりショゲかえっちゃってるわけね」

 人の気も知らないで……crescent814のデリカシーの無い言葉が少々腹に据えかねた。しかしそれよりもふと、彼女の受け止め方のほうが気になった。

「僕達が日本人を殺すことに、君は何の抵抗も感じないの?」

「まあ、なんとも思わないと言えばウソになるけど……」

 しばらく考えてからcrescent814はこう続けた。

「そうね、あの人たちゲリラは自分なりの信念でやっていることでしょうから、それはそれでいいんじゃないの? まあワタシに言わせれば、もう勝負はついているのに往生際が悪い、他で挽回するチャンスを模索すべきじゃない? って言ってやりたいところだけれど。そしてあなたたちは自分たちのなすべき事をするだけ。仕事するのに良いも悪いもないわ。それが世の中の現実というものよ」

 その冷静さに、僕はあきれるのを通り越して思わず感心した。

「彼らは日本のために命をかけていると思ってるはずだ。同じ日本人として共感したり、応援しようとは思わないの?」

 しかし彼女には共感はおろか、同情すら無かったようだ。

「……日本のためとかいいながら、彼らがしたことは結果的に混乱と破壊を招いただけだった。日本人としての誇り、繁栄……そういう威勢のいいスローガンとか熱狂みたいなものはナンセンスだと学んだの。私たちの時代の人間はね。いえ、いつの時代もそうよ。フランス革命だってそうだったし、ロシア革命、文化大革命もそうだった。パリ五月革命だって……。人間は同じ過ちを繰り返すの」

「けれどそうやって時代は少しづつ進歩した。必要悪なのかも知れないよ」

「流血と混乱がなければ時代は進歩しないんだったら、それを繰り返している時点で人類には進歩がないわ。やつらは民衆を扇動してお祭り騒ぎを楽しみたかっただけ。ただのハタ迷惑なバカどもよ。集団を扇動すれば必ず暴走が始まり破滅が訪れる……そんなことも知らないで。そんなに死に急ぎたければ勝手に死ねばいい。あなた達はさしずめ、命がけで奴らの自殺願望の手助けをしているおめでたい人達ね」

「なるほど」

 僕は苦笑せざるを得なかった。

「自分の国や民族が一番、強い者にはへつらっとけばいい……そういう浅はかな了見じゃいつか行き詰るの。私たちだけが地球上に暮らしているわけじゃないんだから。周囲の人達……たとえ考えの違う人達や嫌いな人達であろうと、足手まといな弱者であろうと、互いを尊重して力を合わせなければ自分は守れない。他人をないがしろにしてでも自分さえよければいい、そう言う狭い考えじゃ結局、長続きしないのよ」


 翌早朝、僕は八尾空港まで軍のバスで移動した。そこからは補給物資を運ぶ輸送ヘリ・チヌークに便乗し、クマノの山岳地帯にある前線作戦基地に向かった。嫌韓義兵のスティンガー・ミサイル攻撃に怯えながら……。

 紀伊山地は標高1000m超の急峻な山々からなる広大な山岳地帯だ。見渡す限り山並みが幾重にも重なる大山塊、杉や檜の大樹海。山のふもとは季節により一面真っ白な雲海に覆われ、まさに異境というにふさわしい壮大な景観を持つ。この地は日本のクニの誕生に深い関わりを持ち、日本人の信仰の原点となった山岳信仰発祥の地でもある。なるほどたしかに、それにふさわしい荘厳な空気に満ち満ちている。

 高麗軍のチヌークはそういった山々の尾根を超え谷を抜け、やがて大きな河の真ん中にできた広大な中洲の砂利の上に降り立った。どうやらこの付近が前線作戦基地「ハルラ・サン」のようだ。あたりはプレハブ小屋や野戦用の大型テント、ドラム缶が立ち並び、ハンヴィーやトラック、オフロード・バイクなどの軍用車、小型ヘリ等も待機していた。

 チヌークから降りて本部のプレハブを訪ねると、作戦のブリーフィングはイチロクマルマル時からだ、と当直の下士官に告げられた。何と、到着早々いきなりの作戦参加ということらしい。    

 前線作戦基地のトイレはひどかった。穴を掘って板で囲っただだけの安普請だったから、悪臭とハエがハンパなかった。兵隊たちは用をたしたあと、ガソリンをかけて汚物を焼却しているらしい。僕は宿舎のホテルが恋しくて、到着早々一日も早く帰りたくなってしまった。

 時間きっかり、会議室では50人のほどの兵を前にブリーフィングが始まった。そこはちょっとした大学の講義室のようになっていて、正面のホワイトボードやその奥の壁にはクマノの大地図や資料が貼り付けてあった。

「総員、注目!」

 現場指揮官のチョ少佐が会議室に入ってくると、皆が注目して座り直した。

 少佐はアクション俳優なみにスマートなイケメンだった。おまけに部下の古参兵より年が若いもんだから、ナメられないようツンと澄ましている。

 少佐は正面ホワイトボード脇に並べられたパイプ椅子に座り、静かにこう宣言した。

「ではブリーフィングを開始しよう。イ曹長、ルート説明を」

 指名に応じて一人の下士官が壇上に上がり、地図を背に説明を始めた。彼はチョ少佐よりはすいぶんと老けて見える。

「ゴキブリ・ホイホイ作戦について説明しよう。目的は日本軍残党及びその協力者の掃討または確保だ。捕虜は尋問のうえ協力的であればスパイにしたいから、できれば何人かは生かして捕まえたい。奴らは通常4〜5名のチームで絶えず移動している。夜間が多い。ゲリラは民間人の服装をしているがライフルや自動小銃等で武装している。手ぶらのようでも拳銃や手榴弾などで武装しているから、危険と判断したら躊躇なく、やられる前に始末しろ。発砲するときは確実に一発で殺すつもりで撃て。例え戦闘員が女子供であっても決して躊躇はするな、命取りになるぞ」

 曹長は地図の横に移動した。

「今回はバックアップのスナイパーと突撃部隊からなる、6人編制の特別攻撃班5つが敵勢力範囲に潜入して作戦を行う。まず武装した特戦航空連隊のブラック・ホーク4機がアパッチ攻撃ヘリ2機の支援を受け、夜間の移送作戦を行う。スティンガー・ミサイル攻撃を避けるため、敵影の薄いこの山の反対側までブラック・ホークで移動、このLZで降下して、予定の攻撃拠点まで徒歩で山道を移動する。移動時間はおおむね4時間だ。徒歩の区間は空軍のガンシップが上空から支援に当たる。知ってのとおり現地での治療は不可能だ。山道で足を捻挫しないようブーツの紐はしっかりと縛れ。マムシに噛まれないよう足元を警戒しろ。戦闘服の裾は絶対まくるな。害虫にかまれたりウルシ等にかぶれるとやっかいだ」

 曹長はこちらが理解しているかにまるで頓着せず、スラスラとよどみなく説明を続けた。地図をところどころスティックで指し示しながら。

「ターゲットはこの敵アジト、最近出入りが激しい所だ。道中、経過地点Aはキムチ、Bはクッパ、Cはビビンバ、Dはカルビ。通過するごとに作戦基地および統合作戦本部へ報告する。それ以外にも無線連絡は30分おき、2回連絡がなければ作戦はサスペンド。目標地点に到着後、攻撃拠点は一班がここソウル、二班がピョンヤン、三班プサン、四班がチョンジュ、五班はテグ、それぞれ展開して攻撃命令を待て」

 ここでチョ少佐が壇上に上がった。

「敵を発見したときのコールサインは〈オカズができた〉。斥候が敵を発見次第、無線で基地・統合作戦本部に連絡。まず攻撃用ドローンでそこを叩く。敵兵がいぶし出されたらそれを攻撃班が無力化。重火器で武装したゲリラから優先的に叩け。狙撃について、今回は観測手は無しだ。幹部っぽい中高年の男は後回しで捕虜として確保する。敵の動きがなくなり次第斥候を出して現場を確認、必要とあらば再度攻撃して拠点を完全制圧する。作戦終了後、特別攻撃班はブラックホークが回収、後始末の工兵部隊と交替する。QRF(緊急対応部隊)はORP後方で待機、以上だ。質問は?」

 皆黙り込み、反応は無かった。おそらくいつものルーティン・ワークなのだろう。少佐はしばらく時間を置いてから補足した。

「出発はフタサンマルマル時。交戦規定について、高麗陸軍は連合国軍協力法に基づき諸君の武器の使用を許可する。攻撃を受けたら適切な武器を選択し、敵を回避ないし殲滅せよ」

 少佐の言葉が終わると誰かが気合を入れた。

「おう、ウェノムどもにガツンと一発、かましてやろうぜ!」       

 それに続き、オー! という雄叫びが部屋に鳴り響いた。ウェノムとは倭奴。日本人の蔑称だ。

 少佐は僕に手招きして側に立たせた。

「ゲストを紹介する。参謀二部のヤン・ヨハン少尉だ。一斑に編入させる。少尉、一言頼む」

 高麗陸軍精鋭、空挺特殊部隊の猛者たち。腕の太さだけみても僕とは一回りも二回りも違う。屈強で荒々しい兵士の視線が刺さるのを痛いほど肌で感じた。

「参謀部の事務方、ヤンです。皆さんの足手まといにならぬように尽力します、ご協力を」

 ちっ、テンプラ少尉か……彼等がそう思ったとしても無理はない。空挺隊員は死と隣あわせの特殊訓練を潜り抜け、肉体的にも精神的にも鍛え上げられた、まさに選び抜かれた戦闘エリートである。如何なる困難な状況でも作戦任務を遂行し、一人で何人、何十人の敵を倒すことができるよう準備ができている。そこへいくと僕などは大学出のボンボンでしかない。彼らにとってはとるに足らない事務方に過ぎないのだ。

 簡単な夕食を終えると僕達はいよいよヘリに乗り込んだ。月明かりのクマノの山々をひとっ飛びする間、周囲の見知らぬ荒くれどもはそれぞれサッカーの試合や女の話、マイカー自慢の雑談を楽しむ。彼らにとって戦闘は日常のひとコマに過ぎない。

「パッチギ55、ファラン28は目標地点まで3分。上空から警戒監視せよ」

「了解。本部へ、パッチギ55監視中……」

 班長のヘッドホンからはブラック・ホークの操縦士がアパッチ攻撃ヘリと連絡を取り合うのがもれ聞こえる。

 どれぐらい時間がたったろう。あっという間に目的地に到着したようだ。

「目標地点に侵入、1分後に投下……」

 ヘリ操縦士のアナウンスがヘッドホンに入った。それを受け、隊長のホンソン中尉がG-shockをにらみながら復唱する。

「あと1分だ! ……30秒!」 

 目標地点に到着し、ヘリ操縦士が本部に報告を送った。

「28、降下開始……高度維持、ロープ展開……」

「行け! 行け行け、グズグズするな! いつもの訓練通りやれ!」

 ロープが降ろされるや、ホンソン中尉が兵士をさばいて降下を急がせる。兵達は手際よくロープをつたって次々とヘリから降下、着地するや四方に展開して配置についた。全員がヘルメットに装着した暗視ゴーグルを目の前に降ろし、アサルト・ライフルを構えて警戒体制をとる。

 降下が完了するとアパッチとブラックホークは去っていった。ヘリが巻き上げた雑草や土ぼこりもやがて鎮まり、あたりはシーンとした静けさで覆われた。

「……通信兵!」

 声を殺してホンソン中尉がそう呼びかけた。

 すると背後にいた一等兵が走りより、背中の無線機を差し出す。中尉がマイクを握ると一等兵はすぐさま背伸びして、アンテナを空に高く掲げた。

「ボンバー2-2、こちらトッケビ01。無線確認……」

 中尉は無線チェックのため、はるか上空から監視中の空軍スペクター・ガンシップと連絡をとりあった。

 40mm機関砲に25mmガトリング砲……運悪く敵の大軍と遭遇したときはその圧倒的火力で敵を一網打尽にしてくれる、そんな頼もしい存在だ。おかげで小規模軽武装の部隊でも敵陣深く食い込め、特殊作戦が遂行できる。

「トッケビ01、これより到着まで四時間交信する。用心しろ」

「ボンバー22、こちらトッケビ01。了解……総員、無線確認」

 連絡が終わるとホンソン中尉は次に、隊員のヘッドギア型携帯無線を確認した。隊員は各々チェック、チェックと返答をする。中尉はその後兵を集めて班毎に分け、いよいよ行軍となった。班長のスングン軍曹が班員を整列させる。

「切り込みはキョンシ、二番手ギテ、次がヤン少尉殿、そして通信のジェホ。しんがりは衛生のソンサ。よし!、行くぞ」

 苔や草木のむせかえるような、何とも言えない匂いが充満する山中。何の鳴き声だかわからない獣の声も時折どこからか響く。そんな闇夜に足音を忍ばせ、杉木立の間を部隊は進んでいく。マンリョウやセンリョウ、イワナンテンなどの茂みを避け、ときどき木の根や石ころに足をとられながら……。

 月明かりも届かない、うっそうたる森林をやがて我々は越えた。

「ボンバー22、トッケビ01。キムチ完食……」

「トッケビ01、了解」

 我々の部隊は足元のスギゴケやシダ、ウラジロ等の植物を踏み分けながら山の尾根をつたい、そして沢を渡った。

 空を見上げれば満天の星。人為的な明かりが一切ないせいか、くっきりと輝いていて息をのむほど美しい。手を伸ばせば届きそうで、今にも降ってきそうだった。ここは大樹海の奥深く。ヘリでもなければ生還できそうにないほど険しい場所だ。こんな場所に足を踏み入れた人類は地球の歴史上、ひょっとすると僕たちが初めてかもしれない。それほどまでに雄大な大自然の中にいるというのに、頭のてっぺんから足のつま先まで完全武装して、我々はいったい何をしているんだろう? ……僕はその時そんなことを思った。

「ボンバー22、こちらトッケビ01。クッパ完食……」

「トッケビ0-1、了解。統合作戦本部、こちらボンバー22。スケジュール通り進行中」

 それから部隊は再び山の斜面を登った。そして岩場を超え、切り立った渓谷にかかる高い吊橋を渡り、そうこうしてようやく夜空が白みはじめた頃、我々は攻撃拠点である山の斜面に到着した。

「ボンバー22、こちらトッケビ01。無事到着した」

「了解。健闘を祈る……統合作戦本部、こちらボンバー2-2。これより帰投する」

 そう言い残すと空軍ガンシップは監視態勢から離脱、帰ってしまったようだ。

「アンブッシュ開始、総員展開」

 ホンソン中尉が各班に向かって攻撃拠点への移動を命じると、みなは音もなく木々の間に散っていった。しばらくののち、各班、配置に着いたことが次々と報告されてくる。

「プサン到着……チョンジュ到着……ピョンヤン到着……」

 それを確認するとホンソン中尉は交代で仮眠をとるよう兵隊に命令し、一部の兵には周囲の警戒を命じた。中尉自身は双眼鏡でアジトを監視しだした。


 それからどれくらい経っただろう。僕は中尉の「オカズができた」という声で目が覚めた。

 隣では空軍から派遣された管制要員が通信デバイスで航空支援を要請している。要するに航空機爆撃だ。

「プンシンスギル・265左・4・エレベーション60・中隊編制ゲリラ・CM487 860・LA-16u/PEQ・南900……準備でき次第、REMARKSアドバイス」

「……準備よし」

 僕は急いで地面から起き上がり、中尉の傍らで腹ばいになった。

「やつら現れましたか? 隊長殿」

「ああ……うようよ出て来やがったぞ。情報部のネタは正確だったようだ。1回目で敵と遭遇できるなんて、貴様ツイてるぞ」

 僕は望遠スコープで同じ場所を覗いてみた。

 レンズの先の山のふもとには山小屋みたいな建物があって、ハンターや登山客姿の男女数十人ほどが出入りしているのが見えた。その建物の奥の山の斜面には入り口がコンクリートで固められた洞穴があって、何人かのゲリラが荷物を出し入れしている。奴ら、どうやらそこから武器弾薬でも補給しているようだ。

「さあ、そろそろパーティが始まるぞ」

 望遠鏡を覗きこみながら、中尉はそうつぶやいた。 

 待つことそれから数分、どこからともなく複数の攻撃用ドローンが上空に飛来し、そのうちの一機がゲリラめがけて気前よく機関銃を撃ちまくりはじめた。チュンチュンに焼けた薬莢を垂れ流す様はまるで牛のヨダレ。あれでは生身の人間の体などひとたまりもないだろう。あるいは、別の機の両脇にぶらさがったパイロンのロケット弾ポッドからは、弾が盛大に撃ち放たれ、敵アジトめがけて幾筋もの煙がスルスルと伸びて行った。あたりがたちまち火の海と化したのは言うまでもない。

「あらあら、空軍はゲリラを皆殺しにでもするつもりか? 作戦の趣旨わかってんのかよ、……ったく。捕虜がいなくなっちまうじゃねえか」 

 中尉が舌打ちをしてボヤいた。

 ドローンは弾を吐き出すだけ吐き出すと機体をひるがえし、そそくさと火炎地獄から離脱して行った。あとは知らぬとでも言わんばかりに。

「攻撃統制官どの!」

 中尉が、近くで空軍の管制とやりとりをしていた管制官を呼んだ。

「あの小屋の奥にある洞窟があやしい。武器庫のようだからふっ飛ばしてください」

「了解。白虎ops、敵アジト付近に武器庫発見。ただちに追加の航空支援を要請する。ストライクパッケージ・トラジ、投入。認証コード、ミナリ・ソウル。0900Zulu。再度確認する。これはデンジャークロス攻撃だ。デンジャークロス、攻撃区域に友軍あり」

 そんなやりとりの後、管制官は大型拳銃のようなレーザー・ポインタを取り出し、洞窟に照準を合わせた。一機のドローンが舞い戻り、通信リンクに連絡が入る。

「トッケビ01、MQL-3インバウンド」

「白虎、MQL-3コンティニュー。LA-16u/PEQマーキング。周波数コード0302……」

「コンタクト。MQL-3、イン」

「Cleared hot」

 統制官の言葉を合図に、山小屋めがけて空対地・誘導ミサイルが発射され、洞窟の入り口は木っ端微塵に吹っ飛んだ。その破壊力はすさまじい。

「OK、下ごしらえは完璧だ。スナイパーは狙撃用意。重火器担当から発見次第、撃て」

 やがてアジト付近の炎や煙が落ち着き始めると、一人、また一人とゲリラが動き出し、バタバタと倒れていく。音もなく、頭部を直撃されたゲリラは一瞬で体を硬直させ、固まったまま地面にもんどりうった。後頭部をかすり、まるでトマトがはじけたみたいに頭が吹っ飛んだ奴もいた。女性ゲリラは狙撃されると力なくその場に崩れ落ちた。五班の狙撃手と攻撃部隊が一斉に不意打ちをしたものだから、あれよあれよという間にあたりは死体であふれた。

「……スナイパー!」

 ようやく事態に気づいたゲリラの一人が遠くで叫ぶと、たちまち敵の動きは止まった。すぐに目くらまし用の煙幕があちこちであがり、敵の様子は見えなくなった。ゲリラは物陰に身を潜めてしまったようだ。

「曹長、やつら裏山から逃げる気だ。どうする? 追い込みをかけるか?」

 中尉からの無線連絡に、曹長は事務的に答えた。

「我々をおびき寄せるための罠かもしれません」

 冷静にテキパキと仕事をこなす隊員に、僕は次第に距離を感じ始めていた。彼ら、今日死ぬかもしれないというのに怖くないのだろうか? どうしてそんなに平常心でいられるんだ? 

 どこに敵が潜んでいるかわからない。こんな山奥で弾を喰らって痛い思いをするなんてまっぴらだ。一生寝たきりとか車椅子生活になったらどうしよう? こわい、こわすぎる……そんな思いで僕の頭はいっぱいだというのに。

「そうだな、目分量でみてざっと、1/3から1/4がまだ残っていそうだ。アジトでゲリラ何人がバーベキューになったかはわからんが……」

 カウンターゲージで遺体の数を数えながら中尉がそうつぶやいた。

 中尉は前線作戦基地のチョ少佐に状況を説明し指示を求めたが、即答はなかった。追って命令を伝える、待機せよとのことだ。

「各班監視員を一人置いて交代で休息をとれ。できれば水分補給と食事も済ませろ」

 中尉は部隊の兵に無線でそう命令した。

 指示待ちの間、投降を呼びかける拡声器の音が何度かあたりに響いたが、誰も応じる者はなかった。

 やがて前線作戦基地から命令が届いた。偵察ドローンで敵兵の所在を特定するので、その情報をもとに敵を無力化せよ、とのことだ。温度や動体感知、レーザー測量等の各種センサー、高精細カメラ等を搭載した複数の偵察ドローンを基地から送り、そこから得られた情報をコンピュータで処理して、AIに敵所在地を判別させるようだ。

 そもそも高麗軍は米軍から技術供与された「デジタル情報通信データリンク・システム」を採用している。地図・GPS・カーナビ・無線・インターネット等を統合した通信システムだ。部隊は軍事偵察衛星などつながった通信デバイスを携帯し、作戦を遂行するのである。そして作戦目的に応じ、ドローン等の様々な機器を駆使して必要な情報を得る。

 静かにスタンバイが始まった。中尉は二班と五班に命令し、半円を描くように敵側面に回りこませた。そして側面攻撃部隊を支援するため、狙撃手にも拠点の移動を命じた。

 しばらくすると上空に何台かの偵察ドローンが飛来した。中尉はヘッドマウント・モニターのゴーグルをリュックから取り出し、それを見ながらチームに指示を送った。ゴーグルの画面には現実の風景が写しだされるとともに、3Dホログラム映像で敵が表示される仕組みになっている。MR(複合現実)の技術だ。

「トッケビ02。9時の方向に敵影。距離約23メートル……近いぞ、用心しろ」

 その直後に散発的な銃声が響き、何人かのゲリラが山の斜面を登ろうとして狙撃されたようだ。まもなく中尉に無線連絡が入り、三班が捕虜を何人か捕らえたと報告があった。

「トッケビ05、斜面1時の方向に敵3名。距離は50メートル。そこから見えるか?」

「こちらトッケビ05、一人見える。始末する」

 このように、スナイパーが一人、また一人と時をおいて敵を仕留める。その後も二班と五班は徐々に包囲網を狭め、とうとうゲリラを制圧したらしい。そうして作戦は無事終了した。


 最後に皆で敵アジトを捜索したが、ひどいもんだった。黒焦げの焼死体が建物内に散乱していたし、完全な遺体などありそうになかった。生きて逃げられた者はスナイパーの餌食になった。見るも無残、頭に受けた銃弾で頭蓋骨内がぐちゃぐちゃになり、目・鼻・耳・口とあらゆる穴から血が噴き出している遺体もあった。

 ほんの少し前まで「どうしても避けたかった未来の自分」がそこにはあった。普通なら正視に堪えないような光景だが、異常な興奮状態のもとでは物体として割り切れる。いや、割り切れないと自分の神経がやばくなる。

 ハイドラ・ロケット弾のものだろうか? あたりには今まで嗅いだことのないような臭いが充満している。と、その時一人の新兵が叫んだ。

「生存者がいます!」

 その新兵の前には瀕死のゲリラが横たわっていた。重症を負い、痙攣してシャックリを繰り返している。皆、ちらりとその新兵を見たが、すぐに聞こえないふりをした。

「軍曹殿、重症者がいるみたいであります」

 新兵はもう一度上官に声をかけたが、上官はなおも聞こえないふりをした。そしてその軍曹は返事をする代わり、何も言わずに新兵に近寄ると、ゲリラの顔めがけていきなりショット・ガンをぶっ放したのである。

「生存者はどこだ?」

 驚いた新兵はショックのあまり、声もでなかった。

 僕達はゲリラの遺体やその一部を引きずり出し、それを一箇所に集めて生き残った捕虜に確認させた。それは凄惨な現場だった。遺体は映画でよくあるゾンビそのもの。それを引きずった地面にはどす黒い血の跡が伸びていたし、遺体からは脳みそや目玉がこぼれ落ち、髪の毛のついた頭皮や耳鼻がちぎれ、あたりに散乱した。しかし周囲の風景がすべてそれだと、やがて何とも思わなくなるから不思議だ。その血生臭さ、遺体の焦げる独特の臭気には慣れることができず、吐き気をもよおし閉口したが。なんだか戦争映画のようで、現場にはかえって現実感がない。日常を超越した、あまりの悲惨さに、ナマの感覚がついていかないのだ。

 フレックス・カフで後ろ手に縛られた捕虜たちを兵たちは小突き回し、あれこれ尋問しては蹴り飛ばした。彼らのスティンガー・ミサイルで大勢の仲間が犠牲になったのであるから、容赦はしない。

 民族自決ために戦う戦士……大義に殉ずる殉教者。

 そんな勇ましいサムライをゲリラに期待していた僕だったが、あいにく、そんな人間は一人もいなかった。みな目前の死に怯え、肉体の苦痛に我を忘れる、憐れな小市民でしかなかった。

「おまえのチームは何人だ? 指揮官はどいつだ?」

「オネガイデス、ミズヲクダサイ」

「うるさい、黙れ! 水は質問に答えてからだ」

「コロシテクレ!オネガイダカラ、コロシテクダサイ、コロシテ、コロシテ……」

「ア、アシガ! アシガ! アアアアアアアアア……」

「ギャーギャーわめくんじゃない! このバカが。どうせ助かるもんか」

「アー、アア、アーアー……オネガイデス、イノチバカリハオタスケヲ」

 民族の誇りや大義のために戦ったのではないのだとしたら、彼らはいったい何のために戦場にいるというのか? 彼らを見ていて、僕にはぬぐい難いその疑問がわきおこった。


 ひょっとして、目立ちたかっただけ? 

 それとも、仲間同士の同調圧力で逃げ出せなかったの?  

 ただ、戦場の現実も知らずに浮かれていた単なるバカ? 

 浮かれている間にハシゴをはずされ、途方に暮れた哀れな奴?

 あるいはその全部? 


 戦争が終わるとみな肩の荷をおろし、指導部は戦争責任のなすりあい、一般民間人は罪をなすりつけるためのスケープゴート探しに躍起だ。そして双方に共通するのは、もう自分には関係のない話だとタカをくくっていること、そしてそれまでの態度を一変、指導部を憎悪してやまないこと。

 ゲリラたちと一般人は立ち居地が違うだけで、中身は同じ? 

 いっときの錯覚や勘違いという熱病にうかされ、突き動かされただけ?

 ああ、くだらない、馬鹿馬鹿しい……なんだか、うすら寒いものが背中を上った。


 そんな阿鼻叫喚の巷、一連の模様は兵のヘルメットに装着されたウエアラブルカメラで撮影され、画像は基地や指令部に送信される。幹部はリアルタイムで現場をモニターしている。

「右の遺体を起こせ。そっちじゃない、そいつだ。顔を映せ」

「おお! 信じられん。その捕虜はケイイチ・ムラカミ大佐だ。でかしたぞハハァ! 丁重にお連れしろ、とことんモテナシてやる」

 細かな指示が逐一我々に下された。

 捜索の結果、ドローンがふっ飛ばした穴は兵器庫ではなく、ただの食料倉庫だったことがわかった。穴からは炭になった米や缶詰やお菓子がわんさかと出てきたからだ。ゲリラにしては結構いいものを食ってやがった。かわいそうに奴ら、朝の宴を前に空腹をかかえたままあの世行きになったようだ。他のゲリラたちもこれで当分の間飢えることになるだろう。

 迎えのヘリが到着すると、僕たちは後始末を工兵部隊の専門家達に譲り、戦場を後にした。気づけばもうすっかり夜になっていて、工兵の設置したIRカムライトやIRストロボの赤外線だけが暗闇に浮かんでいた。

 こうして僕達の部隊は一切犠牲を出すことなく、任務は完璧に成功した。初体験の実戦も、終わってみれば考えていたよりeasyだったしあっけなかった。ボーイスカウトのキャンプ程度のちょろいものだった。ただ、人間の焼けこげる臭い、あの何とも言えない戦場の死臭だけは生涯忘れることはないだろう。


 こうなったら、はっきり言わせてもらおう。

 戦争なんてただの茶番だ。

 はじめたところで何の意味もないし、胸糞の悪いことばかりで得るものなど何もない。

 敵国に爆弾をぶち込んだところで、それ自体が無意味だし、生まれるものは何もない。

 娑婆に地獄をもってくるだけの話だ。

 こんなこというと、国が奪われるのを指をくわえて見ているのか、という奴もいるだろう。

 そんなやつはこのゲリラをみろ。

 「抵抗してみた」という事実以外に意味があるか?

 戦争は、止められなかった時点で皆が敗者だ。

 勝ったものは某かの利益を得るだろうが、それ以上に大切なもの、みなが汗水たらして稼いだ国富だったり、大切な日常、愛する者はもちろん、国際的信用だったり、道徳だったり品位だったり常識だったり、目に見えないものも失うのである。

 ゲリラはまた、連合国に仕返しするだろう。今回の戦争のように。

 そしてみなに恨まれ、そのうち必ず仕返しされる。このゲリラ達のように。

 永遠の無限ループだ。


 それから僕は一週間ほど前線作戦基地に留め置かれたが、チョ少佐が解放してくれた。仕切りなおした掃討作戦が実行されるのは当分先らしい。掃討作戦は予想以上の成果を挙げたようで、かなりの数の将校クラスを殺害できたようだ。それに捕虜にもかなりの情報を持つ高級幹部がいたらしく、ゲリラ組織の高度な最新情報を期待できるとのこと。

 戦争は始めるのは簡単で、戦うのも簡単だが、後始末は何倍もやっかいなのである。

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