僕は――笑劇の鼓笛隊長
「チョージ! ここにおったのか!」
「探したじゃない!」
再びパフェを食べ始めた頃、皆が喫茶店に飛び込んでくる。
「な、何? どうしたの、まだパーティーまで時間はあるはずじゃあ――」
「どうやらその前に……やらなければならないことがあるみたいです」
ただならぬ皆の雰囲気、まさか――
「うん。どうやらまた《焔奏怨負》が現れたようなんだ」
「な――」
《焔奏怨負》め! 僕とリールのもぐもぐタイムを邪魔しやがって!
「それなら急いでパフェを――」
「チョージ。食べている場合じゃない」
「いや、だって残したらもったいないじゃん」
「そういうことなら私がいただこう」
「あ⁉ 僕のパフェが!」
「ほら行くぞ」
「待ってパスタちゃん! そんなところ掴まないで!」
「む……すまない」
「まったく、もう」
僕は皆と共に喫茶店を出る。
「懲りずにうじゃうじゃと!」
王都内には既に何体か《焔奏怨負》が出現しているらしい。
「チョージ」
「うん。わかっている」
だが、それがどうしたというのだ。
「アテンション、プリーズ」
僕は――笑劇の鼓笛隊長。
「ハイテンション、プリーズ!」
この恐怖劇を、笑劇に変えてやる。