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『盾』役者の生活  作者: 愉魅夢
二ーフ村のグロップ孤児院
24/25

4話 魔法解析生活

「はぁはぁはぁ。やばかった。」


次元に裂け目に飛び込んだはいいが、明らかにそこは『異次元空間』で酸素がある空間でなかった。必死にあがいて咄嗟に裂け目を作り飛び出したのだった。

真空ではなかったので血液が沸騰することはなかったが、前準備なしで飛び込むものではなかった。

危うく『亜空間潜行デスドライブ』が『死への運転(デスドライブ)』になるところだった。


「カァー、カァー、カァー」


へ?

もう夕暮れ?


次元の裂け目に居たのが数秒だったはずだが、周りの景色は、実際には数時間立っていたことを示していた。


『別次元は時間の流れが異なる』


『知識』にもそうあったな。

それに、ここは森の入口だ。

無意識に次元の裂け目をここに作ったのか。


何にせよ、早く帰らなければ。




「ただいま。」

「遅いですよシルド。もう少しで村人に捜索をお願いするところでしたよ。」

「ごめんなさい神父様。柴集めてたら道に迷っちゃって…」


あの後、必死で柴集めました。

元居た場所へ柴を取りに戻るよりあの場所で柴拾いする方が早かったもので。


「まあいいでしょう。本人も反省している様ですし。今後注意しなさい。」

「はい。」




就寝時


「ねえシルド。あの森って僕らの庭みたいなものだよね。なんで迷ったのさ?」


レードの疑問ももっともだ。


「実をいうと魔法の練習をしていたんだ。気が付いたらあんな時間だったんだ。」


嘘は言ってない。


「え?でもシルドは『火』でしょ。森で火を使ったら神父様に怒られるよ。」

「別に『火』だからと言って『火』を出すわけじゃないよ。ものを熱したり冷やしたり。それが『火』の魔法だよ。」

「へ?」


やはりまだ理解できていなかったか。


「いいか。 『光』『水』『風』『火』『土』はそれぞれ『光』『液体』『気体』『熱』『個体』を操作することができるんだ。」

「…?よくわかんないよ。」


いきなりは無理だろう。

俺も神父様の蔵書にあった『魔法の基礎概要/フルタ=ヒロ著』を読んで『知識』とすり合わせながら理解したのだから。


「そうだな…『光』はわかるだろ。光らせたりそれを動かしたり。」

「うん、それは出来るよ。『ライト』」


と、レードは『ライト』を発動させそれをお手玉のように操作した。


「実はそれ、色を変えれるって知ってた?」

「嘘だぁ~~」

「嘘じゃないって。じゃあなんで太陽は白く輝いているのに、夕焼けや朝焼けは赤いんだ?」

「夕焼けや朝焼けは赤いのがあたりま…あれ?なんでだろ?」

「白い光っていろんな色の光が混ざって白く見えているんだよ。夕焼けは太陽光がたくさん空気中を通るから赤い光以外は散らされたりして赤く見えるんだよ。」

「う~ん。よくわかんない。」


ちょっと難しかったかな?


「理屈はいいからさ、夕陽を思い浮かべながら『ライト』を発動してみてよ。」

「え~できるかな?夕陽、夕陽、夕陽………『ライト』…わっ、できた!」


そこには真赤に輝く光球があった。


「なっ、出来ただろ。」

「うん。」

「次は緑だ。新緑の葉っぱのような輝く緑」

「葉っぱの緑、葉っぱの緑…」


すぐに光球は緑色に変化した。


「最後に空のようなあ…」

「いつまで起きているんです。」

「「あっ!神父様」」


まだ寝ていないことに叱られるかと思ったが、


「レード。うまくコントロールできてましたね。本来は魔力色を変えるより光色を変化させる方が難しいのですが……シルド?何をしました?」


言及がこっちに来た。


「何もしていないですよ、神父様。ただ『ライト』は色を変えられるって本に書いてあったから、レードに試してもらってたんです。」

「それだけではないでしょう。」

「いえ、それだけです。あっ、試してもらうのに『夕陽のような赤』『葉っぱのような緑』って指示しました。」

「そうでしたか……シルド。今後のレードの魔力鍛錬は貴方が指導してくれませんか。」

「えっ、でも俺は『光』じゃないし…」

「魔力の指導に属性は関係ありませんよ。現に『ライト』の色変えが出来てるでしょう。」


う~ん、単にイメージを伝えただけなんだが。


「私が指導するより年の近いあなたのイメージ指導の方が、レードのためになると考えたまでです。」


それだと、俺の魔法探求の時間が…


「もちろん、四六時中レードに付き合う必要はありません。森で体を鍛えながらで構いません。お願いできませんか?」

「えっ、明日からシルドと森で遊べるの?」

「『遊び』ではなく鍛えるのですよ、レード。」

「それでもシルドと一緒なんだよね。シルド、僕からもお願い。」


しかたない。


「わかりました。」

「やったー!」

「それはそうと、もう寝てないといけない時間ですよ。早く寝なさい。」

「「はーい、おやすみなさい。神父様」」


レードは明日の事が楽しみでなかなか寝詰めない様であったが、俺はさっさと眠りについた。


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