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ハリガネベイスボウラーズ!  作者: 椎家 友妻
第七話 決戦!矢沙暮高校!後半戦
95/99

10 扇多先輩のセンター返し

そんな状況で迎えたバッターは、九番、センター、扇多阿太郎先輩。

この人は前の二打席では、いずれもセンターフライに打ち取られている。

流石はセンターを守る扇多先輩。

バッティングの方もセンター方向という訳なんやな。

このノリでセンター前にヒットをかっ飛ばしてくれればええんやけど。

花町の奴も、さっきの赤島先輩との対決でかなり神経をすり減らしてるはずやし、

扇多先輩にもチャンスがあるはずや。

さあこの対決、扇多先輩が勝つか、花町が勝つか。

ここが勝負の別れ目になるやろう。

 そんな緊張感の中、花町がセットポジションから右足を上げ、

扇多先輩に向かって第一球を、投げた!

と、その直後に花町が、「あっ⁉」と声を上げた。

花町の投げたスライダーが、本人の意思とは別に、

ど真ん中に入ってきたのや!

指のかかりも悪く、球のキレもない!

(ほとん)ど棒球!

これ以上のチャンスボールはあらへん!

そして扇多先輩はその球を、見事にセンター方向へ打ち返した!

ピッチャーの足元を抜け、打球は二塁ベースのやや右に飛んだ!

その打球にセカンドが必死に飛びつく!

が、セカンドの伸ばしたグローブをわずかにかすめ、

打球はセンターへ抜けていった!

扇多先輩のセンター前ヒット!

このヒットで三塁ランナーの俺がホームイン!

これで四対三!

そして更に二塁ランナーの千田先輩が、

三塁を回ってホームに突進してきた!

その時センターが打球を捕り、ダイレクトでバックホーム!

送球は逸れる事なく佐吾のミットにワンバウンドで飛び込んだ!

そこに三塁から突進してきた千田先輩が突っ込み、佐吾と激突!

体格のデカイ二人は同時に地面に倒れこんだ!

これで佐吾がボールを落とせばもう一点追加や!しかし!

 「アウトォッ!アウトォオッ!」

 球審のコールはアウトやった。

センターからの送球が一瞬早く、

しかもキャッチャーの佐吾がその球を、

千田先輩の強烈なタックルを受けてもガッチリ離さんかった。

この辺りは流石大阪の実力校というところか。

しかしこれで遂に、ウチのチームが再び一点のリードを奪った!

ヒットを打った扇多先輩は、

一塁ベースの上で飛び上がってガッツポーズをし、

張高ベンチと一塁側ギャラリーは、騒然となっていた。



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