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ハリガネベイスボウラーズ!  作者: 椎家 友妻
第六話 対決!矢沙暮高校!中盤戦
76/99

2 蘇る悪夢

――――――が、野球はそんなに甘くはなく、

ここまで矢沙暮打線を何とか抑えてきた碇が、六回裏にピンチを迎えた。

 現在ノーアウトランナー二塁三塁。

まずこの回の先頭打者の有村にセンター前ヒットを打たれ、

次に迎えた吉山には一、二塁間を破られるライト前ヒット。

この打球をライトの山下先輩が後ろに逸らしてしまい、

それぞれランナーが進んで、

ノーアウトランナー二塁三塁の状況となってしまったのや。

 ここで迎えるバッターは、三番キャッチャー佐吾。

あの筋肉ムキムキのパワーヒッターや。

第一打席はフォークを三球続けて三振を取ったが、

その次の第二打席では外角のストレートを外野フェンスまではじき返され、

ツーベースヒットを打たれた。

となると、ここも勝負球はフォークにするべきか。

一塁は空いてるから敬遠して満塁にした方が守り易いという考え方もあるけど、

ウチの守備力で満塁策をとるのはあまりにもリスクが大きすぎる。

となると、一点覚悟でとにかくひとつずつアウトを重ねるのがベストか。

失点にビビッて却って守備が消極的になったらアカンしな。

よっしゃ、ここはこのバッターと真っ向勝負や。

攻め方はさっきと同じ、三球続けてフォーク。

このバッターはこの試合、碇の投げる球を一球も見逃さずに振りにきてるから、

そのバットをかわすには、フォークボールしかない。

三塁にランナーを置いてのフォークの連投は怖いけど、

たとえどんな難しいワンバウンドのボールがきても、

絶対に俺が止めたる。

ここがこの試合の大きな山場。

よっしゃ!守るぞ!

 俺は覚悟を決め、碇にフォークのサインを出した。

そしてそれに頷く碇。

セットポジションに入り、ゆっくりと足を上げた。

そして三塁ランナーをチラッと見やり、

バッター佐吾に第一球を、投げた!

碇の右手から放たれたボールは、

第一打席と同じくど真ん中のストライクゾーンへ。

ここからホーム手前で落ちれば佐吾は必ず振る!

そしてその思惑通り、佐吾はバットスイングを開始した。

が、その腕がすぐにピタリと止まった。

流石にフォークを見切られたか?

と思ったが、そんな事よりも、

碇の投げた球は全く落ちず(・・・・・・・・・・・・)、

これはフォークやなくて(・・・・・・・・・・・)、ストレート(・・・・・)………?

 どふぅっ!

「んぐふぅっ⁉」

 俺のみぞおちに、重い衝撃が走った。

碇の投げたストレート(・・・・・)が、

フォークが来ると思って構えていた俺のミットの上をすり抜け、

そのままみぞおちに直撃したのや。

キャッチャーのプロテクターを着けていたとはいえ、

その衝撃はかなりのもので、

俺はそのままホームベースの上につんのめって倒れた。



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