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ハリガネベイスボウラーズ!  作者: 椎家 友妻
第四話 エース復活?
60/99

5 千田先輩は不良が怖い

 「そうなんや。で、その責任を取れ、と、あいつは言うてるんや。

そやけど君は野球部とちゃうから、俺はその時彼に言うたんや。

『松山っていう子はウチの部員とちゃうから、ここには()らへん』って。

そしたら彼はこう言うたんや。

『嘘つけ。あいつは去年中学の全国大会で活躍した奴やろ。

そんな奴が野球部に入ってない訳ないやんけ』と。

そして俺達の言う事なんか全然信用せんと、更にこう言い出しおってん。

『そんなに松山を(かば)うんやったら、お前ら野球部全員で責任取れ。

その(あかし)に、ここのグランドを、今日からウチのチームに(ゆず)れ!』って」

 「そんな⁉言ってる事がムチャクチャじゃないですか⁉」

 「そうやねん。でも何せ相手は不良やからなあ。

俺不良怖いし、よう言い返せんかったんや」

 ヤ○ザみたいな(ナリ)してんのに?

 「そんな………じゃあ千田先輩や正野君は、

そのグランドを追い出されちゃったんですか?」

 「いや、流石にそれは俺達も困るから、彼にひとつ、条件を出してん」

 「条件、って、どんな?」

 「今度の日曜、ウチと矢沙暮高が試合をして、

ウチが勝てば、この話はなかった事にするって」

 「………と、言う事は、もし先輩達がその試合で負けてしまったら………」

 「そうなったら俺らは、(ほとん)どグランドで野球の練習が出来んくなって、

ますます弱いチームになってしまうやろうなあ」

 「………………」

 ここで千田先輩は、ワザとらしく大きな溜息をつき、

天を仰ぎながらこう言った。

 「あ~あ、何でこんな事になってしまったんやろぅ………………」

 ワザとらしいな~この人。

そんなん目の前の碇に

『お前のせいじゃ!』

って言うてる様なモンやんか。

 すると碇は、そんな千田先輩に気圧される様に、こう呟いた。

 「やっぱり、僕のせいなんですか………?」


「当たり前じゃボケ!」  



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