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2 ヤの付く人が現れた時の対処法
そして俺達は、一年六組の教室に辿り着いた。
入口の前に立つ千田先輩。
そして目の前の引き戸を、ぶっ壊れる程の勢いでバゴォン!
と開け放ち、
「ゴォルァアアッ!松山碇っちゅうのはどいつじゃいっ⁉」
と叫びながら、教室の中へドカドカと入っていった。
その瞬間教室に居合わせた生徒達は、全員漏れなく凍りついた。
(俺も凍りついた)
そして余程怖かったのか、生徒の中の誰かが言った。
「ヤ○ザや!皆死んだフリせぇ!」
何処でそんなヤクザ対処法を教わったんか知らんけど、
周りの奴らはそれに従い、一斉にその場で死んだフリをした。
そしてそんな中、反応が遅れてしまった碇が、
一人ポツンと死に損ねた状態で取り残された。
教壇に立った千田先輩は、碇をギロリと睨んで言った。




