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ハリガネベイスボウラーズ!  作者: 椎家 友妻
第一話 ゼロからのプレーボール
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3 甲子園なんかに出場せんでもさっさと告白したらええやないかというご意見に対するコメント

 と、いう所で、俺は目を覚ました。

 ここは俺の部屋。

窓から眩しい光が差し込み、

雀のチュンチュンという鳴き声が聞こえる。

 「夢、か」

ムクッと上半身を起こし、そう呟く俺。

ちょっと残念やけど、大いにホッとした。

だってあんな変な開会式の甲子園なんか、出場したくないからな。

入場行進の演奏が祭り囃子ってあんた。

 それはさておき、そろそろ俺の自己紹介もしとこうか。

俺の名前は正野(しょうの)昌也(まさや)

今年から、というか、今日から近所の、

府立張金高校に通うことになった高校一年生。

身長百七十センチそこそこ。

スリーサイズは上から・・・・・・あ、別に聞きたくないですか?

えーと、髪型は黒髪の刈り上げ。

顔は、そうやなあ、

甘いマスクのクールな二枚目な顔をイメージしといてください。

実際の所はどうやねんとかは考えんといてください。

 さて、話を元に戻そう。

ともかく俺は昌也という名の高校生で、

今までの生い立ちは、さっきのプロローグで言うた通り。

想い()がれる幼なじみの伊予美に振り向いてもらう為、

俺は甲子園出場をめざして張金高校に入ったんや。

 え?

そんなまどろっこしい事せんと、

隣に住んでんねんからさっさと告白してまえやって?

いやいや、それがね、なかなか出来ないンスよ。

プロローグでも言うたけど、俺ってシャイガイやから。

え?いやいや、タイ米やなくて。

そう、あのね、近くに住んでるからってそう簡単に告白出来るモンと違うんですよ。

今まで俺、学校で伊予美と同じクラスになった事ないし、

中学時代は特に部活も忙しかったから、

俺と伊予美の距離は随分と離れてしもうた。

まともに伊予美と会話したのなんか、中学の入学式以来とちゃうかなあ。

家は隣同士やというのに、何とも切ないわあ……。

 と、いう訳やから、俺は彼女に告白するどころか、

今や変に意識してしもうて、普通に会話する事も出来へんと思う。

ああ、俺ってホンマに、シャイガイやなあ……。

いやいや、ララバイやのうて。



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