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ハリガネベイスボウラーズ!  作者: 椎家 友妻
第三話 エースを降りた訳
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10 葉瀬君の左腕

 というわけで俺と葉瀬君は、碇の元へと向かって歩いた。

目的地は碇の家、ではなく、

昨日碇が一人でキャッチボールをしていた河川敷の橋の下。

俺は今日もあいつがあそこに行っている様な気がしたのや。

あいつは何やかんや言うても野球を捨てきれてない。

そんな碇が何で野球を辞める事になったのか?

俺の勘では葉瀬君がその事を知っていると踏んでいるので、

今のうちにそれを訊いておく事にした。

 「なあ葉瀬君、碇の奴は中学時代、

君と一緒に全国二位になった実績を持ってんのに、

高校に入った途端、野球を辞めてしまったらしいねん。

何でか知ってる?」

 「野球を、辞めた…………

やっぱり、そうだったんですか…………」

 俺の言葉を聞いた葉瀬君は、そう言って淋しげに俯いた。

そしてそのまま黙ってしもうたので、俺はちょっと話の角度を変えて続けた。

 「君の左腕、歩く時も全然動かさへんけど、怪我でもしてんの?」

 「これは、ちょっと………………」

 「もしかして、去年の全国の決勝でやった怪我とちゃう?」

 「………………」

 俺の言葉に葉瀬君は口を(つぐ)む。

どうやらビンゴみたいやな。

 事の真相を確信した俺は、ずばり葉瀬君にこう訊ねた。

 「その怪我、碇にやられたんとちゃうの?」

 「そ、それは違います!」

 葉瀬君はそう声を荒げ、その後すぐに冷静になってこう続けた。

 「これは、あいつのせいなんかじゃないんです。

俺の腕がこうなったのは、事故なんです」

 「よかったら、詳しく教えてくれる?その時の様子を」



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