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ハリガネベイスボウラーズ!  作者: 椎家 友妻
第三話 エースを降りた訳
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5 伊予美の前ではやっぱり緊張する

 昼休み後の五時間目の授業が終わり、俺は足早に教室を出た。

向かう先は一年一組の教室。

目的の人物は、伊予美、じゃなくて、

元尖志川中学のセカンドやった、小暮。

守備が上手くてバッティングもしぶとく、

敵に回すと何とも厄介な奴やった。

しかし、それ以外の事は何も知らない。

あいつも強豪校で充分レギュラーを張れる実力があるはずやのに、

何でこんな弱小校に入学してるんや?

まさかあいつも碇と一緒で、野球を辞めてしもうたんやろうか?

まあそれも、もうすぐ分かるんやろうけど。

 とか考えてる間に、俺は一年一組の教室の前に辿り付いた。

入口の所でひとつ深呼吸する俺。

他所のクラスの教室に入るのって、結構緊張してしまうんよね。

知り合いも殆ど()らんし。

 そんな事を考えていると、中から入口の引き戸がガラッと開けられ、

そこから一人の女子生徒が姿を現した。

そして何と、その女子生徒は伊予美やった。

 「あ、昌也君や~」

 俺に気づいた伊予美は、いつもののんびりした口調でそう言った。

 「や、やあ」

 それに対し、ぎこちない笑みを浮かべる俺。

う~む、付き合いは短くないはずやのに、

彼女を前にすると、どうしても緊張してしまう。

 そんな俺の心中なんか全然知らんであろう伊予美は、ニパッと笑って続けた。

 「同じ学校に入学出来たのに、別々のクラスになってもうたねえ」

 「そ、そうね」

 そ、それは、一緒のクラスになれなくて残念という意味やろうか?

その辺り、詳しく知りたいぜ伊予美サン。

 「ところで、ウチのクラスに何か用?」

 どうやら残念という気持ちは(つゆ)もない様や。

いやいや、今はそれが本題やない。

俺は伊予美に言った。



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