表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハリガネベイスボウラーズ!  作者: 椎家 友妻
第一話 ゼロからのプレーボール
15/99

13 小学生で百連敗を止める!

 そしていよいよ張高野球部のシャク連敗阻止を賭けた、

練習試合が始まろうとしていた。

 場所は変わって張高のグランド。

今日は登校初日という事で学校は午前で終わりやったので、

午後一時半から試合が始まる事になっている。

そして今はもう午後一時十五分。

相手チームの小学生達も既にグランドにやって来ていて、

入念にウォーミングアップを行っている。

ピッチャーマウンドの位置から察するに、

グランドは小学生仕様に合わせているみたいや。

対する張高野球部の皆さんは、自軍ベンチの前で円陣を組み、

勝利に向けて熱心に作戦の打ち合わせをしていた。

一方俺は、入部したばかりでユニフォームもないという事で、

張高のベンチで試合を見学させてもらう事になった。

まあこのチームの実力を見せてもらうには、ちょうどええ機会やろう。

小学生相手ではあんまり参考にならんかも知れへんけど。

 そんな中グランドの周りに目をやると、意外にも結構な数のギャラリーが居た。

サッカー部や陸上部といった運動部の連中に加え、

放送部らしき生徒達が、こちらにビデオカメラを向けていた。

 何なんやろうかこの注目度?

ここの野球部って、意外と人気があるんかいな?

とか思っていると、(かたわ)らにやって来たキャプテンが、(けわ)しい表情で言った。

 「あいつら皆、俺らが百連敗すんのを見に来とんねん」

 「え?応援の為やなくてですか?」

 「おう、あいつらは俺ら野球部をバカにしとるからな。

むしろ相手の小学生チームの方を応援しに来とるはずや」

 「何か、自分の学校のグランドやのに、えらいビジターな雰囲気ですね」

 「そやけど俺らはこの程度の事ではくじけへん。

必ず勝って、俺らを邪魔モン扱いするあいつらを見返したんねん!」

 「その意気ですキャプテン!

小学生チームの二軍に勝ったとしても、

大人気ないと馬鹿にされるだけかも知れないですけど、

とにかく頑張ってください!」

 「おう!任せとけぃっ!」

 気合満々にキャプテンは言い、

他の部員達と共に、元気良くグランドへと飛び出して行った。

そして暫くして、試合開始時刻の一時三十分を迎えた。

 整列して互いに礼をした後、

後攻の張高野球部ナインは、それぞれの守備位置に散った。

(ちなみにキャプテンのポジションはショートやった)

そして相手チームの一番バッターの小学生

(一年生らしい)がバッターボックスに入ると、

球審の『プレイボール!』の声と共に、

張高野球部の意地と恥を賭けた闘いが始まった!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ