蛇の中で
「うぉぉぉぉぉ」
カーターは蛇に飲み込まれたあと、必死にもがいていた。
「蛇め! チクショウ、なんなんだこのねばねばは、体が押しつぶされるようだ。クソッタレ、こんなところで立ち止まるわけにはいかないんだ」
蛇はカーターを飲み込み消化しようとしている。腹の筋肉でカーターを押しつぶしていつもの食事のようにバキバキと砕き消化しようとしている。
「お前なんか構ってる暇はないんだ、アンナの元へ行かないといけなんだ。このっ、このっ、せっかく穴から出たって言うのになんなんだこの仕打ちは」
するとカーターの元に女神からの声が聞こえてくる。
「カーター、アンナがあなたのために祈りを捧げています。あなたに力を授けましょう」
するとカーターの体が光だして、力が湧いてくた。
「うぉぉぉぉ、アンナーーーー!!!!」
カーターは両手を振り上げて、勝利のポーズをとった。
外に抜け出して、自由を手に入れる。
「蛇め、意外に強敵だったな。しかし私とアンナの愛を誰も阻むことはできない。あぁ、女神様ありがとうございます」
カーターは蛇がどこに行ったのか探すが、見当たらない。
「うぉ、なんなんだこれは」
なんと、カーターは蛇と一体化していた。
するとカーターの耳元に女神の声が聞こえてくる。
「私は女神です。例え蛇でも無暗に殺生する事はできません。これからは蛇と共に生きて下さい」
カーターは自分の体に少し違和感を感じていたが、今はそんな事を気にしている暇はない。
「なんてことだ。しかし蛇と一体化してしまったが、アンナの元へ急ぐのが先決だ、急ぐぞ」
カーターはニョロニョロと地面を這いながらアンナがいるであろう街へと向かっていった。