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ヘビ

「ゾンビか!」


 ガサゴソと音がする藪を見つめてカーターは身構える

 出てきたのは蛇だった。


「シャー!」


 蛇はカーターを見て威嚇する。


「おのれ、蛇め。お前さえいなければ」


 そう、蛇に気を取られなければアンナがゾンビに襲われることは無かった。


「今こそ、因縁の決着を」


 カーターは手に持ったナイフを手に蛇との間合いを測っていく。


「シャー! シャー!」


 蛇がカーターに向って首を伸ばして噛みつこうとする。


「おのれ、蛇め。アンナの痛み、この思い、思いしれ」


 必死にナイフで蛇に切りかかっていくが、蛇の動きは早く当てることができない。


「シャー!」


 蛇がカウンターを仕掛けながらカーターに襲い掛かってくる。


「うわぁ!」


 カーターはナイフを自分の前に突き出したおかげで蛇の攻撃を防ぐことが出来た。

 カーターのナイフと蛇の牙がぶつかり合い鈍い音が響く。


「このっ! このっ!」


 カーターはナイフを振り回して、蛇を追い払う。

 蛇は一度後ろに下がり大勢を整え直す、カーターと蛇はにらみ合ったままの緊張状態が続いた。


「こんなところで油を売ってる暇はないんだ。アンナが待ってる」


 カーターは意を決し蛇の喉元へナイフを突き立てていった。


「パク」


 蛇はカーターの攻撃をいとも簡単にかわして、カーターを丸のみにしてしまった。

 蛇は何事もなかったかのようにその場を去って藪の中へ消えていく。

 その場には、カーターが埋まっていた穴が残されただけだった。

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