再び女神様
「くそぅ、ゾンビ達め。僕たちをこんなにして許さないぞ」
カーターは土の中から顔出した状態で埋められていた。
「リア充め、ここで大人しくして反省しろ」
ゾンビ達はカーターを埋めて満足したのか街中へ戻っていった。
「アンナ……、無事でいてくれ」
カーターはアンナの事を想う。しかしここから抜け出さないとどうする事もできない。体を必死に動かそうとするが、指一つびくともしない。
「ゾンビ達め、しっかり踏み固めていったな」
僕は天に祈る。
「あぁ、女神様、僕はゾンビになってしまいましたが、あなたの事をまだ信じています。どうか、アンナを助けて下さい」
すると天の声が聞こえてきた。
「カーター、あなたにチャンスを上げましょう。あなたを15センチまで小さくしてあげます。そうすればその穴からも出られるでしょう。でも元には戻せませんが、それでも良いですか?」
「あぁ、女神様、感謝します。アンナの元へ行くことが出来るのなら、この体、どれだけ小さくなろうとも構わないです」
そうしてカーターは15センチになり、埋められていた穴から抜け出した。
「ふぅ、これでアンナの元へ向かえる。いったいどこに連れて行ったのだろうか」
その時、後ろの藪がガサガサと音がした。