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プロローグ ~赤い月~
――赤い月が昇る時、不死身の肉体が目覚めだす。
「あ~、かったりぃ。また赤い月が出てきたよ。休日出勤とか勘弁してほしいよな」
「何言ってんだよ、今までずっと寝ていたくせに」
「まぁな、死人は寝るのが仕事なんだよ」
ゾンビたちの高笑いする声が街にこだまする。
この町では月に一度 赤い月が訪れる。
その日は外へ誰も出ない。
何故なら赤い月に誘われてゾンビが目覚めるからだ。
もしゾンビに襲われてたら……
気付いてても知らないふりをしているんだろうな。
だって、関わりたくないもの。
でも、男 (カーター) 女 (アンナ)はうっかり時間を過ぎて赤い月が昇る時間まで外出してしまった。
二人は無事にこの状況を脱出する事ができるのか?