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ミラーグロ ~奇跡~  作者: Nefer
3/4

機会 ~チャンス~


「今日付けで、第3小隊に配属となった、オードラン・ルイ兵長です!よろしくお願いします!」


 「同じく、今日付けで第3小隊に配属となった、シャロー・アリス兵長です!お願いします!」


第3師団第3小隊の作戦室に声が響く。


 「私は、第3小隊隊長クーベルタン・マリー=アンヌ中尉だ。こちらこそよろしく頼むぞ。まぁ、マリーとか、アンヌとか、適当に呼んでくれよ!」


黒髪でスタイルのいい美少女だ。


 「はい!」


ルイとアリスは、大きな声で返事をした。


 「それじゃ、右から順に、ドラノエ・エリク少尉、ド=ヴァン・ジュリー兵長、ジャン・ダニエル軍曹、ダルシ・リーズ一等兵....」


ここから、約30人紹介された。


 「よろしくお願いします!」


ルイとアリスは、お辞儀をした。


 「えーと、君たちは王立バイカル大学出身だよね?そう聞いたけど。」


マリーが、ルイとアリスに問いかけた。


 「はい!自分とアリスは、バイカル大学の軍事科出身です。」


 「んじゃ、ルイ君は、小隊隊長研修は何度かやってるわけか...なら、ルイ君は第3分隊隊長、アリスちゃんは第3分隊隊長補佐ね!」


ルイとアリスが、返事をしようとした瞬間、大半の隊員が批判をし始めた、


 「隊長!待ってください!こんな新人に、隊長など務まるわけありません!」


 「そうですよ!こいつの言う通りですよ!」


 そうだそうだという声が作戦室に響く。


「そうですよね...」


ルイがそう呟いた瞬間、周りが静まり返った。


この沈黙を破ったのは、マリーだ。


 「待て、お前たちの気持ちも、言い分もわかる。だがな、ルイ君の経験値には誰もかなわないはずだ。ならこうしよう、ルイ君が次の模擬戦の時、隊長をしてみようか。それで試してみようか。お前たちがそれでルイ君の能力が納得したなら、継続ってことでいいか?なぁルイ君?」


 「...」


なぜか返事ができなかった。


すると一人の隊員は、


 「ほらな!返事すらできない弱気なやつが、隊長なんて務めなんて果たせるわけがない!」


といった。

それに続いてまた、そうだそうだ、いった。


止まらないこの掛け声を、マリーが裁いた。


 「こんな雰囲気が新人を歓迎する会か?違うだろ?」


 「いや、いいんです。この雰囲気を作ったのは、僕が入ったからです...」


 「うぬぼれるな!」


そういったのは、いかつい胴体の第3小隊副隊長のエリクだった。


 「お前が、士官学校出身なのは経歴見ればわかるが、お前は新人として入ったのは事実だろ!お前は並みの兵なんだよ。理解しろ。」


 「...」


ルイは、返す言葉もなかった。

アリスはルイをかばおうと、少し言い返そうと思ったが、あまりにもルイの顔が絶望に満ちていたので、言う気が薄れてしまった。

雰囲気はさらに悪化し、沈黙が前よりも倍くらい続いた後、ルイが沈黙を破った。


 「僕は!僕は実力で皆さんのことを納得させます!だから、チャンスをください!隊長の期待に応えたいんです!」


ルイは、今まで出したことのないくらいの声でそう宣言した。


 「そ、そのくらいの勢いならチャンス与えてやってもいいと俺は思う。みんなはどうだ!」


さっきやじを飛ばした隊員はそういった。


 「そうだな。」


 「俺はいいぞ。」


 「これでこそ、王国軍だ!頼もしい。」


こんな声を隊員達は、口々に言い始めた。


 「ありがとうございます!がんばります!」


ルイがそういうと、マリーは笑いながらルイを見た。


その後、解散し、隊員達は作戦室を後にした。


◇             ◇           ◇


その晩、司令部前の小さな草原で、二つの月明かりに照らされてできた影が並んでいた。ルイとアリスだ。 


「がんばってね、ルイ。私がルイを支えるから。」


アリスは、ルイの目を見て言った。


 「ありがとう。すごく嬉しいよ。がんばるから。俺は、絶対負けない。」


 「うん...約束だよ...」


 「おう。もう二度と負けたくない。誰にも。期待を裏切りたくない、誰からのものも。」


こうして配属初日、新人歓迎会は終わった。


◇         ◇         ◇


その頃、アンティヌス帝国の第1実験場で、人体実験が行われていた。


そこへ、黒いマントを羽織ったマルクスが視察に来ていた。実験室長にマルクスが話しかけた。


 「状況は?」


 「はい、ただいまステージ4にまで進行しています。この実験はもうすぐで終わるかと。」


 「そうか、この実験が成功すれば、これから始める戦争は勝ち戦になる。ゆえに、早めに終わらせろ。帝国の未来が決まる。」


 「は!陛下の仰せのままに。」



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