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『TLS 第二話』  作者: 黒田純能介
7/22

闘いは、明日


………。


ドアを閉めるとその場に座り込む。


「………ッ」


初めは気のせいかと思っていた頭痛も、無視出来ない程の痛みへと変貌していた。


「…ぐ、ぅ」


痛みに、意識が飛びかける。立ち上がろうと足に力を込め――


ドサッ。


そのまま倒れると、布津は意識を失った。




…。


……。


………。



どのくらい時間が経ったのだろうか。布津はソファに寝かされていた。


「………むぅ」


あの二人が気付いて運んでくれたのだろう。当人達は見当たらない。帰ったか。


時計に目をやる。もう深夜と言ってもよい時間だった。


…ふと気付く。あれだけ激しく暴れ回っていた頭痛が消えていた。…眠っていたからだろうか?理由は分からないが…。


ソファから起き出し、窓を開ける。そして、普段はあまり吸わない煙草の封を切る。


シュボッ。ジジジ…火を着け、一吸い。


フゥ…。


夜の闇に紫煙が消えていく。


布津はしばらくそのまま、夜の街を眺めていた。


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