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平穏を、その手に
一月後。
予想以上の回復力を見せた布津が、退院の日を迎えた。
……そして、三人の別れの日でもあった。
本部からの通達により、所謂人事異動が発令された。
皇は大阪支部に。
月野は東東京支部に。
そして、布津は…。
「北海道だそうだ」
さらりと言う。
「「えっ」」
二人が声を合わせて驚く。
「大阪も遠いけど…そっちはもっと遠いな」
「風邪、ひかないで下さいね」
「そこまでヤワじゃない。いらん心配するなら自分の心配をしろ」
あくまでも自分のスタイルを崩さない布津に、二人は苦笑いをする。
「さて、行くか………まぁ、生きていれば、また会う事もあるだろう」
「おう!二人共、元気でなっ!」
「はい…お気を付けて」
三人はそれぞれ踵を返すと、思い思いの方角へ散って行く。
……生きていれば、か……。
…さあて、次はどんなやつらに会えっかな~…。
………………。
かくして彼等は、それぞれの想いを胸に、次の闘いの舞台へと向かっていった。理想とする、真の平穏の為に。




