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『TLS 第二話』  作者: 黒田純能介
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任務完了


「今回の任務は成功。でも…布津が大怪我しちまった」


布津達のアジトにて、皇がテープレコーダーに結果報告を録音していた。


布津の姿は無い。先の闘いで左胸骨骨折、内臓損傷の重傷を負い、入院中である。


皇の声が続く。


「館内に侵入した敵は、恐らく3名から4名。内一人を捕縛…」


皇の報告はしばらく続いていた。




都内北部。そこにある病院に布津の姿があった。


「………ぬ」


布津が薄く目を開ける。


「…あっ」


隣りで声がした。


「気が付かれましたか!」


ぼんやりと首を巡らせる。そこにいたのは月野だった。


「月野か…。もう少し寝かせろ」


途端に月野が吹き出す。


「アッハハ。そんな軽口叩ければ大丈夫そうですね。良かったです」


月野はまた、フフ。と笑う。


「………。任務は、どうなった?」


「完了です。敵は撃退しましたよ!皇さんが上手くやってくれたみたいです!」


「そうか…俺が闘っていたヤツはどうした?」


その言葉を聞いた途端、月野の表情が曇る。


「それが……」


月野はその後の事を話始めた。


皇が駆け付けた時には、既に一条の姿は無かった事。捕縛した男についても、回収に戻った所、何者かによって既に射殺されていた。


…結局、相手の事についてはほとんど分からずじまいであった。只一人、布津を除いては…。



隣りで月野が喋っている内容など、もう既にどうでも良かった。



……ヤツは確かに倒した……。だが、そうなると……。



「どうしたんです?大丈夫ですか?」


不意に顔を覗き込んできた月野に思考を中断される。


「あ?………あぁ、何でもない。それより何か買ってきてくれないか?流石に腹が減った」


月野の顔がパッと明るくなる。


「はいッ!何が良いですか!?ケーキですかっ!?」


「秋刀魚の干物」


月野の笑顔が引きつった笑いに変わる。


「あ……ハイ……行ってきますぅ……」


月野がすごすごと出ていった。


「………?」


こういう場合は好きな食べ物を頼むんじゃ無いのか?と思いつつ。


……ふと、窓の外に目をやった。葉の落ちた木々をぼんやりと眺める。



……また、生き延びたか……。この呪われた力と共に。



布津は一人、思考を巡らせるのだった。


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