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『TLS 第二話』  作者: 黒田純能介
13/22

因縁


「………」


一条は答えない。返事の変わりに、初めて構えを取った。


「相変わらずだな…。久方振りの再会だというのに」


布津は刀を抜く。


「行くぞ…っ!」


鞘を投げ捨てると、一気に距離を詰めるッ!

そのまま袈裟がけに刀を振り下ろし―――


ガギンッ!


…通常では考えられない事が起きていた。刀は間違いなく一条を捉えている。今も。



…だがその切っ先は一条の、腕一本に止められていた。


「くっ…」


布津が後退する。


「そうか…。そうだったな、お前は」


「強化骨格による鉄壁の身体…だったか」


今布津は、敵の中でも一部の者しか知らない事実を口にしていた。



…厄介だな…。斬れぬモノをどうやって倒すか……。



布津は構えに移りながら、思考を巡らせていた。



…鎧、か。



再び一条に迫る。

…狙いは、首っ!


ヒュンっ。


響く風切り音。だが一条のガードが速い。結果は先程と変わらなかった。そこへ一条のカウンターが襲う!


ズンッ!ドカッッ!


「グッ!ぐあぁっ!」


膝蹴りにハンマー。布津は俯せに床に叩き付けられる。咄嗟に転がり、追撃を避けた。



…このパワー…投薬も受けているな…。



思考を巡らせながら、刀を杖にし立ち上がる。


ドクン。


心臓が一つ、大きく脈打った。



……まだ、頼る訳にはいかない……。



刀を構え直すと、布津は再び一条に向かっていった。


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