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『TLS 第二話』  作者: 黒田純能介
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悪夢


暗闇の中、声が響く。


「……こちらです。試作段階ですが、調整は終わっています。」


『うむ……これが、《アレ》か。テストはどうだ?』


「はい。十分な結果を残しています。まだまだ改良の余地はありますが…」


『そうか。実戦テストはできるのか?』


「…短時間なら可能です」


『……そうか。では、任せる。見せて貰おうか』


「…かしこまりました。では、起動させます」


キィィィィン…

耳鳴りがする………




「…………ハッ!」


ガバッと起き上がる。周囲を確認するが、何も無い。いつもの事務所だ。汗を拭う。


「……夢、か…」


布津は呟くといつものソファから身を起こす。


いつの間にか朝になっていた。相方の姿は無い。


ふと、窓の外に目をやる。木々には枯れ葉が目立ち始めていた。


また冬がやってくる。


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