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パパノウデマクラ

パパの一生です

みなさんはどうお考えになりますか?

パパがパパのママから生まれました


泣きながら


パパが生まれてから10年経ちました

パパは子猫を拾って一緒に寝ました

「こんなに可愛い子はいない」

そう思って子猫の為に、腕を枕にしてあげました


パパが生まれてから20年経ちました

10年前の子猫はどこかへ行ってしまいました

パパは美しいガールフレンドと一緒に寝ました

「こんなに可愛い子はいない」

そう思ってガールフレンドの為に、腕を枕にしてあげました


パパが生まれてから30年が経ちました

愛するガールフレンドと結婚したのです!

パパは一歳になる自分の息子と一緒に寝ました

「こんなに可愛い子はいない」

そう思って息子の為に、腕を枕にしてあげました


パパが生まれてから40年が経ちました

パパとママと11歳の息子、それから5歳の娘と一緒に寝ました

「こんなに大切なものはない」

そう思ってできるだけ手を大きく伸ばして、家族の為に、腕を枕にしてあげました


パパが生まれてから50年が経ちました

子供達は自分の部屋で寝るようになりました

パパは子犬を拾ってきました

「こんなに可愛い子犬はいない」

そう思って子犬をの為に、腕を枕にしてあげました


パパが生まれてから60年が経ちました

子犬は大きくなり、子供達も結婚して、待望の孫ができました

「こんなに可愛い子はいない」

そう思いました、しかし孫は子供達に任せようと思いました

ずいぶんと久しぶりにママの為に、腕を枕にしてあげました


パパが生まれてから70年が経ちました

犬も猫も死んでしまいましたが、大きな家族ができたのです

息子も娘も子供を授かり、孫がたくさんいます

「自分は幸せだな」と思いました

疲れたパパはママの腕を枕にして寝ました


パパが生まれてから80年が経ちました

ヒマゴ達が生まれてきました

お正月に、ずいぶん騒ぐ子供達や孫達を眺めていました

「こんなに可愛い子供達はいない」と思いました

でも、ママはもう、ここにはいません

パパが腕を枕にする必要はもうありませんでした

それに、枕も、もうありませんでした


パパが生まれて90年が経ちました

お別れを言いに、たくさんの家族や友人が来てくれました

「自分の体は燃やされるのだな」と思いました

パパは空から眺めていました


パパが生まれて100年が経ちました

パパの腕の枕も、パパが寝る枕も、もうありません

「一生懸命生きたね」と分かっていました


そうしてパパは、ママと、幸せに、暮らしました

そのうちにパパはまた、呼ばれました

地球にです

「どうしたことかな?」地球を見ました

まるで見たこともないパパとママがいました

「地球がまた僕を呼んでいる」

「この二人なら、また、幸せになれるかもしれない」

そしてこの二人の子供になろう、と思いました

「ママ、また行ってくるね」

パパはママと抱き合いました

二人は笑顔でした

また、地球で会えることを知っていたからです

「では、またね」


パパは全く知らないお腹から生まれました

「光だ!」

そして新しいママに抱かれていました


泣きながら

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