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きみに会うまでの時間、会ってからの時間  作者: 春隣 豆吉
第二部:許婚は異世界男子
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エピローグ:きみに出会ったあと

アレンの計画。の巻



 デルレイが親友の結婚に感化されて、ようやく結婚する気になったらしい。

 ランスとのいつものやりとりで教えてもらった俺はほっと胸をなでおろした。

 思わず写真立てに飾ってあるリコの写真に「デルレイがようやく真剣に結婚を考え出したようだよ」と話しかけてしまった。

 リコは義姉と同じように、少し体調を崩したかと思ったら亡くなるまであっという間だった。

「アレンを残して死なないわよ」と言っていたけど、結局俺は残されてしまった。義姉を亡くしたときの兄の気持ちがよくわかった。

 抜け殻状態になった俺を支えてくれたのはランスやデルレイ、イツキで、「叔父上。ちょっとこちらに戻ってきたらどうですか。叔父上が気力を落としているとリコが悲しみますよ」とデルレイが言えば、イツキも「理子は、お前のしけたツラなんて見たくないと思ってるぞ。あの世で怒っていると思うぞ。少し王国でのんびりしてこいよ」と言う。

 ランスにいたっては「魔道士長の俺がお前の顔を見たいんだ。親友の顔を見に来い」とあいつなりの言い方で俺を励ましてきた。


 半年ほど王国に戻って、なんとか立ち直ることができた。その後はリコがいない寂しさは感じるけれど、抜け殻にはならずに生活している。そこに今回のデルレイ情報だ。

 デルレイは、優秀な魔道士に成長した。魔道士というのは王国では魔法騎士や治療術士と並ぶエリート職だ。普通でも引く手あまたなのに、あいつには「由緒正しい」クロスビー家の独身当主というのと、整った容姿という外面のよさがある。姑と舅もいないし社交界に出入りしていて娘を持つ人間からすると、絶好の物件なのだ。

 ランスも話を持ち込まれて断るのが面倒くさいとぼやいていたので、俺としてはさっさと身を固めてほしいと思っていたのだが、どうもデルレイは女性と広く浅く付き合うのが好きみたいで、いったい誰に似たんだか・・・。


 こっちで探してデルレイと会わせるというのも手かもしれない。とはいえ、若い女性なんて仕事でも会ったことないし、イツキの子供は男2人だ。

 なんかいい案はないものか・・・・と思いつつ、俺は日課の散歩に出かけることにした。俺の散歩コースにはハローワークがあって、この経済状況でいつも混雑している。

 いつもなら黙って通り過ぎるところなのだが、今回は一人の女性に目を留めた。これからハローワークに入るところらしいその女性は見たところ20代後半から30代前半。デルレイと同年代だろう。中肉中背であごのラインで切りそろえたこげ茶色の髪。まっすぐ伸びた背筋としっかりした足取り。

 申し訳ないが、ちょっと魔法で彼女の心の中をのぞかせてもらった。どうやら彼女は上司のセクハラに嫌気がさして辞表を出したらしく、職を探す気らしい。しかも、その上司にはきっちり報復措置をしたらしく、なかなか気が強くしっかりしている。

 ・・・・彼女なら、デルレイとうまくいくかも。


 そう思った俺は、その女性に声をかけてみることにした。いきなり見知らぬ外国人に声をかけられてびっくりしているはずなのに、女性の応対はしっかりしたもの。

 うん、絶対彼女にうちにきてもらおう。そう思った俺は彼女に自分のアシスタントにならないかと話を持ちかけたのである。

 彼女は仕事内容を聞くと興味をもったらしく、さらに勤務条件や給与額を聞いて働く気になってくれた。

 よし、あとは彼女がブリードン語を不自由なく使えるようになったあたりでデルレイを呼んで彼女と会わせよう。 

 いったいどんな反応をするだろうか・・・できればリコと一緒にその場にいたかったけど、彼女の分まで見届けようと俺は密かに決心をしたのである。


読了ありがとうございました。

誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。

ちょっと感想でも書いちゃおうかなと思ったら、ぜひ書いていただけるとうれしいです!!


ここに出てくる女性というのが、某話の主人公です。


これにて本編完結になります。

番外編としてアダルバートのお嫁さん探しの話をUPしようと

現在考え中です。



ちびデルレイとアレンさんの若い頃の話を書きたくて

書き始めたこの話。

更新が時々とまってしまい、読者様には申し訳ないことを

しました。

お気に入り登録していただいた方、感想を書き込んでくれた方

この作品を楽しんでいただいた方全てにお礼を言いたいです。

お付き合いいただいて、どうもありがとうございました。

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