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きみに会うまでの時間、会ってからの時間  作者: 春隣 豆吉
第二部:許婚は異世界男子
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8.夜の帰り道

理子、救われた後。の巻

 目の前に豆腐ピザと鶏肉の照り焼き。ついでに枝豆と野菜の煮浸し・・・・見事に私の好物ばかりを並べたアレンさんは、ついでにビールまで注いでくれる。

「リコは、アルコール弱いの?イツキはそんなこと言ってなかったけど」

「・・・・・まあまあです。アレンさんは?」うそです。「ザルの理子」です。お兄ちゃん、言わないでいてくれてありがとう。

「僕?僕も普通かな」

「さっき、“俺”だった」

「え?」

「先輩を帰らせたとき、“俺”って言ってたよ。」

「リコは、どっちがいい?」

「へ」ビールに口をつけようとした私にアレンさんが話しかけてきた。

「“俺”と“僕”どっちがいい?」

「え、えーと・・・そうだなあ」いきなり聞かれても答えようがない。

「リコ、ピザは冷めないうちに食べたほうがいいよ」困った顔の私を見たアレンさんは、話題を変えてくれたのだった。


 割り勘にするといったら、アレンさんは「僕が誘ったから」とお金を受け取ってくれなかった。

「アレンさん、ごちそうさまでした」

「いえいえ。やっぱりリコと食事をするのは楽しくていいね」

 今度の夕食はアレンさんの好物ばっかりにしてあげよう。私はひそかに決めた。

 二人で最寄り駅から家まで歩いて帰る。商店街は全部閉まっていてコンビニの明かりと街灯の明かりだけが道を照らす。

「アレンさん、今日は助けてくれてありがとう」

「僕が間に合ってよかった。」

 あ。“僕”に戻ってる。もしかして普段は“僕”で、ちょっとくだけてくると“俺”なのかな。

「アレンさん、今度は“僕”になってるよ」私が笑うと、アレンさんは「仕事では“私”他の場面では“僕”って使い分けてるんだ」と、笑った。

「そうなの。じゃあ、“俺”っていつ使うの?」

「・・・・・」アレンさんが無言になる。

 なんで、黙るんだ。何か聞いちゃいけないポイントだった?

「俺って言うときは、僕の素を知ってる人間の前だけ。リコは知りたい?」

「えっ・・・・えーっとお~」あんまりこっちを見つめないでください~。私は自分でこの話題をふっておいて後悔した。なにか、他の話題をふらないと自分がピンチになりそうな気がするっ。


「あ。あのあのあのっ、アレンさん。」

「なに?」

「さっき、先輩に何をしたの。まるで操られているみたいな動きで帰っていったよね」

「・・・・・リコ。うまく話をそらしたね?」

 アレンさんがニヤリとした。

私は思わず「そ、そうっかな~」ととぼける。

「・・・まあいいや。気長にやるって決めてるし。さっきのあの男の動きって、ああ・・・あれ」

 アレンさんはしばらく黙ってしまったため、そのまま二人で家まで黙々と歩く。

 家の前まで来ると、アレンさんが口をひらいた。

「リコ。リコは魔法を信じるかい?」

 私は自分の耳を疑った。


読了ありがとうございました。

誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。

ちょっと感想でも書いちゃおうかなと思ったら、ぜひ書いていただけるとうれしいです!!


そういえば、最近はもっぱら缶チューハイや缶ハイボールです。

イ○ンTVセレクトの期間限定・洋梨チューハイが最近の一押しです。

家で飲むのがラクでいいです。

飲んだら寝るだけだし。

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