4限目:D組のブラッドハンター
次の日の学校。
今日から本格的な授業が始まり、その他部活動、委員会なども行動に移しはじめだす。
大善「なぜ、授業のときの1分は果てしなく、まさに永遠のように感じるんだろうか!?」
机の上でぐったりしながら大善がつぶやく。
ももり「それは大ちゃんが授業に集中してないからだよ。少しは真面目にやったらいかがしら?」
大善「オレはちょー真面目だからな!!」
「大善君はいつでも素敵よ//」
ももりが嫌な顔しながら声のしたほうを見ると、クラスがB組になった現川二重がいた。
ももり「あら、余所者がこのクラスになんの用かしら?」
二重「私がようがあるのはクラスじゃなくて大善君!!なんで私達、離ればなれになってしまったんでしょうね!?私、とても悲しいわ。」
と言いながら泣き真似をしだす二重
さらに嫌そうなももり。
ぽけーっと外を眺める大善。
二重「そういえば大善君、D組の‘ブラッドハンター’の事はしってる?」
大善「ブラジャーパンティー?」
言った直後にももりから爽快に頭をたたかれる大善。
大善「いや、知らないけど。そのブラッドハンターって何?」
大善が聞いたあと、二重が一旦落ち着いてから喋りだした。
二重「日宇辰之助。通称ブラッドハンター(血の狩人)狙った獲物はどこまでもおいかけて仕留める。そして最後には相手かえり血で赤く染まっていることからブラッドハンターって呼ばれるようになったらしいの。」
ももり「とんだ変態じゃない!!でも大ちゃんもあんま変わんないかもね!!」
大善「なんで俺がッ…心当たりがないと言えば嘘にはなるけど。」
二重「続けていいかしら?」
二人は頷く。
二重「そいつが今この学校の1年D組らしいの。今日B組で話題になってたから、一応大善君にも話しとこうと思って。」
ももり「ただ大ちゃんに会いたいだけの口実でしょ!?」
二重「うるさいわね!!あんたがB組だったらよかったのに!!」
ももり「もうチャイム鳴ってますよ~早く自分のクラスに戻ってくださ~い!」
二重「くっ!!なら大善君、また後で来ますわね。」
大善「おう!!」
そうして二重は自分の教室に帰っていった。
ももり「ほんとにブラッドハンターなんてやついるのかしら?ねぇ?大ちゃん。」
大善「いるなら関わりたくねーや。」
ももり「でも大ちゃんって昔からゴツい男にモテモテだったからね。」
ももりは笑いながら言った。
大善「せっかくなら胸が大きい大人なお姉さんからモテモテだったらよかったのに。」
言い終わった直後、爽快に頭を叩かれたのち、先生が教室に入ってきた。
◇◆◇放課後◆◇◆
大善「あの瀬戸のやろう!!俺がちょっと居眠りしたからって頭ひっぱたきやがって!!今度ドアに黒板消し挟んどいてやろうかな!!」
ももり「下らないこと考えないで授業を真面目に受けなさい。」
まるで母親のいう口調で大善に説教するももり。大善はヘイヘイ言っている。
「ねぇねぇ君、女ノ都大善君?」
突如、小柄な顔立ちは中性的な男が大善に話しかけてきた。
大善「ん?オレが女ノ都大善だけど、どうか…ももり「左に避けて!!!!」
その声と同時に大善がとっさに左に避けると、何か丸い物体のようなものが高速で大善の隣をかすめていった。
「あれれ?あれを避けちゃうんだ。やっぱり君も、百津ももりさんも何かあるね。」
大善「お前いきなり何すんだよ!!俺だったから避けられたものを他の人だったら直撃コースだぞ!!バカか!?バカなのか!?」
ももり(大ちゃん何気なく自分すごいですアピールしてるんですけど。)
「いやいや、当てるつもりで攻撃したんだけどな。」
「次は外さないよ!!って言いたいけど今日はここまで。代わりに僕の今日できた子分達が相手なるから。」
すると後ろから5人ほど男が出てきた。
大善「ふざけんな!!今日はオレの好きなドラマの再放送があるから見なきゃいけねーんだよ!!相手してられっか!!」
そんな大善の言葉虚しく男達は大善に飛びかかる。
ももり「大ちゃん!!あんまやり過ぎたらダメだからね!!そのまま右、後ろ…」
大善が見事に攻撃をかわしていく。
(ふ~ん。百津さんの合図を信頼して完全に合わせてる感じだね。しかも無駄な動きがない。どれも最短最適なかわしかたか。)
そうこうしているうちに大善の蹴りで5人とも吹っ飛ぶ。
大善「子分?達はこんなになってるのに大将のお前は高みの見物かよ!!」
「いやいや、その子らはずいぶん良い働きをしてくれたよ。後で彼らには‘波佐見バーガー’のミラクルバーガーを奢ってあげるよ。」
冷静に、そして冷たくそう言い放つとさっさと帰ろうとする。
大善「ちょっと待て!!お前名前なんて言うんだよ!!なんでオレらにこんな因縁ふっかけてきてんだよ!!」
「一気に二つの質問とかダルいな。まあいいや。名前は日宇辰之助昨日君のバトルを偶然教室から見ちゃってね。良い獲物が見つかったと思ったよ。これからよろしくな女ノ都君。」
ももり(こいつがあの性格最悪二重人格女がいってたブラッドハンター!?)
大善「お前がブラッドハンターって呼ばれてるやつか?」
辰之助「ああ、そうだよ。噂を聞いてるなら覚悟はしといてよね。」
ニヤリとした表情で日宇辰之助が言う。
大善「お前こそ覚えとけよ…」
辺りに緊迫した空気が流れる。
大善「いつ来ても、この銀狼の王子様が返り討ちにしてやる!!」
ももり「ぷっ!!アハハはは。大ちゃんネーミングセンスなさすぎ!!」
大善「何!?」
辰之助「ふっ」
「覚えとくよ王子様。」
そういうと日宇辰之助は帰っていってしまった。
大善「ちょっと!!そこチョイスするのやめてー!!」
大善の声は虚しく放課後の校舎にこだました。
ももり「ブラッドハンターって意外と私のイメージと違ったんだけど。」
真剣な顔になった大善が答える。
大善「見た目はああかもしれないけど、あいつそうとうできるやつだな。」
そういう大善の頬からは血が流れている。
ももり「嘘!?最初のやつ当たったの!?」
大善「ももりがいて、なおかつ、かすった程度でこれだからな。あいつはやばいぞ。」
ももりが申し訳なさそうに見ている。
大善「ももりのせいじゃないって!!こんくらい、唾でもつけときゃ治るよ!!」
ももり「あんま無理しないでね…」
大善「…おう。」
そうして、二人は帰り道を歩いていった。