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大善全集  作者: 恵比寿
4/9

3限目:暗雲

放課後



大善「初日からこんなんじゃオレの学園ライフ台無しだぜ。普通の生活がしたいよ。」



ももり「今からは大人しくしときましょうね。大ちゃんはただでさえ目立つんだから!!」



大善「いっそのこと‘逆に’染めちまおうかな!?」




二人は帰るため廊下をトボトボ歩きながら話している




そしたら目の前に大荷物を抱えた男がおぼづかない足取りで歩いていた。




大善「あれ大変そうじゃね?」



ももり「大ちゃんは文句しか言わないけど、そういうとこは優し…って!!もう行ってるし!!」




大善は男に近づきながら話した。



大善「手伝いましょうか?」



「!?」

「まじ!?助かるわ~。もしかして1年生!?いや~、最近の若い子はそういう事があんま出来ないって聞いたけど、中には君みたいな親切な子もいるんだね!!人は見かけによらずってまさにこういうことか。あっ!別に君の見た目が不良っぽいとかそういう訳じゃないからね!例えの話しね例えの!!俺さ、これを部室まで持っていかなくちゃいけないわけ。だから半分持ってもらおうかな。君の彼女に持たせたら、せっかくの君の好意だし、君の気がひけるだろうからね。じゃあよろしく!!」



大善

(初対面なのに何この馴れ馴れしさ!?)

「じゃあ持ちますね。どこの部室ですか?」



男「柔道部の部室までよろしくね1年生君。」



大善「!?」




男「ふふ。まあ、君が驚くのも無理ないかな。普通、柔道っていったらガッチリした男がやってると思うもんね!!」




そう大善が驚くのも無理はない。その男、身長こそ高いものの、かなりの細身である。ルックスも良く、まさにモデルみたいに見えただろう。



ももり「柔道部なんですね!!ここの柔道部って確か去年全国大会出場してましたよね?」



男「ああ、そうだね!!なんせここの柔道部は今年に特待で入ってきたやつも含めて1年から3年まで層があついしね。なかなかの強豪高だよ。」



大善「先輩は何年っすか?2年?」



男「僕は2年だね!!去年までは君らと一緒のピカピカの1年だったよ!!」



男は笑いながら言ってるが、大善とももりは心の中で「当たり前!!」とツッコンでいた。




男「ああ、ここだよ!!ありがとうね。所で名前はなんて言うの?」



大善「女ノ都大善です!!」



ももり「百津ももりです!!」




男「大善君と‘ももちゃん’ね!!わかった。僕はこの恩は決して忘れないよ!!」




ももり「いやだ//先輩!!ももちゃんだなんて!!」



大善の瞼がピクっと動いたのを見て男はいやいやとももりをなだめてる。



大善「あの~ラブラブモード中すみませんが先輩の名前はなんて言うんですか!?」



大きな、はっきりとした口調で大善が喋った。




男「ああ、僕!?名前は佐々サクマ(さざさくま)ちなみに柔道部のキャプテンね!!」




大善・ももり「!?」




サクマ「そんなビックリしなくていいでしょ!!俺って結構柔道強いんだよ。しかも、ここの学校って実力主義だしね」

「そうそう、この荷物半分って言っても相当重いはずなんだけど、それを顔色ひとつ変えずに持ってきてくれた大善君!!」



大善「はい?」



サクマ「よかったら柔道部に入らないかい?僕が言えば君を特待枠に変更することだって可能さ。」



大善「ははは!!先輩冗談を。オレを過大評価しすぎですよ!!しかも、俺って‘運動神経’ないんです。」




サクマ「オレの目には狂いはないんだけどな…まあ、いいや、気が向いたらいつでも入部してくれ!!なら大善君、ももちゃん、ありがとな。オレは部活に行くわ。」




大善・ももり「はーい。」




そうして、サクマは部室に、大善とももりは反対側に向かって歩いて行った。




サクマ「女ノ都大善…」



サクマが考え事をしていると、遠くのほうから男4人が近づいてきた。




へたれ上級生「佐々君ここにいたんすか!?探しましたよ!!」



サクマ「柔道部が柔道部の部室にいるのは当たり前だろ。てか何か用か?」




へたれ上級生「1年に生意気なやつがいましてね!!そいつが…」



サクマ「どうせお前らがまた先に仕掛けたんだろ!!いちいちオレに言ってくるなよ!!」



サクマは少しキレ気味で喋った。



へたれ上級生「でもあいつは佐々君が好きな‘強いやつ’に部類に入りますよ?」




へたれ上級生がそういうとサクマの目が輝いた。




サクマ「ほんとか!?‘あいつ’と同じくらいはありそうか!?」




へたれ上級生「はい!!なんせオレら3人の攻撃がまったく当たらず、強いてはみんな蹴りいっぱつでやられましたからね!!」




いかにも自分が勝ったかのように負けたことを自身満々に話すへたれ上級生×4人

しかしサクマの目はさらに輝く。




サクマ「そうかそうか。で、どんなやつか?」



へたれ上級生「はい、それが…名前はわかってないんですけど、髪の色が銀色でして。」




サクマ「!?」

「なるほど…あいつか。やっぱオレの目に狂いはないじゃん。ふふふ。近々挨拶に行こうかな。」




へたれ上級生「さっすが佐々君!!漢ですね!!」



サクマ「それはそうとして、お前らはあまりに情けなさ過ぎるから、今日は特別に柔道部にしてやるよ。」



へたれ上級生×4人「!?!?!?!?」



サクマ「さあ、行こうか!!」




へたれ上級生「いやあぁぁあぁぁぁぁ…」




そういうとサクマとへたれ上級生は柔道部の部室に消えていった。





一方




大善「なにお前ニヤニヤしてんだよ?」



大善がふてくされながら言う。




ももり「だって先輩ちょーーーカッコよかったし、それに…‘ももちゃん’って//私、小さいときからあだ名になるなら桃太郎とかおしり姫とかだっから。」



ももりはニコニコしながら話している。



大善「じゃあ、‘ももちゃん’家に帰ろうか!!」




ももり「大ちゃんのはワザとらしいから嫌!!!!」




そこで一時口論タイムが始まる。




ももり「てかさ、あの佐々って言う人…」



大善「カッコいいってか?ああ、そりゃそうだろ!!オレみたいにボサボサ頭の銀髪野郎じゃないからね!!」



ももり「違うわよ!!あの昼に絡んできた上級生いたでしょ?」

「あの人達が最後に‘佐々君’がどうとかこうとか…言ってなかった?」




大善「ありゃ?そんなこと言ってたかな?でもあんな良い人があんなやつらとつるむかよ」




ももり「う~ん…考えすぎかな。」




大善「よし!!そうと決まったら早く家に帰って飯食おうぜ!!」



ももり「大ちゃんほんとご飯の事ばっかり!!」




大善「食は人をよ…」

ももり「ふ~ん。」




こうして二人の学校生活は始まった。

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