表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/22

第20話「勝負の行方~後編~」

五階、校長室があるエリアだ。

ここにも難関はない。

真っ直ぐ、校長室へと向かうだけだ。

いくつかの教室の前を通って、校長室前へと到着した。

少し上を見上げると、プレートで校長室と書かれたのが貼ってある。

いよいよだ。

そう思ってると、校長室の扉を錐音はノックした。

コンコン。

「はい、どうぞ」

奥から澄んだ男性の声が聞こえてきた。

「失礼します」

入ってもいい許可が出たので、錐音はおじぎをして、みんなと一緒に中へ入ることに。

すると、校長らしい、いや、校長なのだが、それらしい高価な椅子の上に男性は座っていた。

髪の色は少し黄色っぽく長さは短めといった、人間界でいう、チャラチャラした感じの人だった。

よく見ると、とても、優しそうで穏やかそうな雰囲気が出てる。

錐音に聞いたところ、男性の名前はクラバートというらしい。

私たちが校長室内へと入ると、クラバートは椅子から立ち上がった。

「やぁ、いらっしゃい。さぁ、こちらに座ってくれたまえ」

クラバートは座ることを指示した。

「し、失礼します」

私はおそるおそる、座ることにした。

部屋にはたくさんのトロフィーが飾ってあり、歴代の校長がズラッーと写真で並んである。

まるで人間界のような感じだ。

辺りを見回していると、クラバートは紅茶をティーカップに注いでくれた。

「ありがとうございます」

丁寧におじぎをすると、錐音は。

「それで、要件だけど、私はあなたと結婚する気はありません。あくまで両親が決めた過程の結果だから」

「分かってるよ、君の噂はとことん聞いている。何やら、人の魂を救ったとか。それは本当なのか?」

「ええ、その話は本当よ。嘘はつかないわ」

全員のティーカップに紅茶を注ぎ終わったので、クラバートは自分の席に座ることにした。

私は温かい紅茶を飲むため、ティーカップに手をつけた。

ゴクリ。

「そうだったのか。でも、俺たち死神を裏切ってまでよく人の魂を救えたものだね。魂を救えば死刑人となるのは分かっていたはずだろうに」

「もちろん、分かっていたわ。でも、あのことがあって以来、私は変わったの。だから、救える決心が付いたのよ」

「あのこととは?」

クラバートは錐音に聞いた。

あのこととは、当然、葵さんのことだろう。

錐音のことだ。

私はそうだと思っている。

「別に教える必要はないわ。それより、この騒ぎを止めたいの。どうしたら止められるのかしら?」

「そのことだけど、選択義は二つだ。一つは俺と結婚すること。二つ目は俺を倒して騒ぎを止めさせること。まぁ、一番簡単なのが俺と結婚することだが、どうかな?」

「そう、じゃあ――」

「俺とけっこ――」

クラバートが結婚と言いそうになると、錐音は後から続いて。

「あなたと勝負しましょう。勝負は一回、どちらかが怪我をしたら終わりでどうかしら? もちろん、私たちが勝ったら、この騒ぎを止めてくれるのよね?」

「あ、あぁ、そうしよう。ただし、一体一の勝負だ。そこのところは分かってるかな?」

「ええ、もちろんその通りよ」

「じゃあ、早速始めることにしよう」




錐音とクラバートとの戦いが始まった。

クラバートは月黒女学園(男性特別な制服)の服装を纏い、人の魂を取るための自分専用鎌を出した。

ここは校庭。

あらゆる女子生徒たちが錐音とクラバートを囲んでいる。

私たちも女子生徒と同じように並んで見ている。

「さっきは優しく言ったけど、今度は違うよ。俺の本性、見せてやる!」

「いいわ、手加減なしでいきましょう」

サァアアアアッと砂嵐が飛び交う。

天気は曇りとなり、いよいよ決戦の日になるのだろう。

「俺の本性、いつもはこんな男の姿だけど、実際は――」

「ウォオオオオオオオオ」

雄叫びを上げて、クラバートは本性を現した。

その姿とは牛のようなバイソンのような形をした獣となった。

錐音より少し背が大きく、鋭い角が生えている。

突然の姿で、女子生徒たちは驚いて悲鳴を上げていた。

それもそうだろう、なにせ、クラバートは一度もこの姿を現したことないのだから。

少しかん高い声で、

「ハッハハハハ、どうだ、驚いただろう。これが本当の姿だ。こんな姿の俺に勝てるのか? ええっ、小さい、お姫様よ」

まだクラバートは錐音のことが好きらしい。

錐音のことをお姫様といった。

「もちろん、勝てる自信はあるわ。だって、みんなが付いているから」

「ほほう、いい度胸をしている。だから、俺はお前に惚れたのだ。強気で弱いところを見せないお前に。本当は傷つけたくないのだが、仕方がない。これも運命だ」

重たげな鎌を片手に持ち、上へとあげた。

同じく錐音も構える態勢に入る。

「クラバート、運命というものは変えることができるのよ。もしかしたら、私が勝つかもしれない。そうなったら、運命という言葉はいらないんじゃないかしら」

キラーン。

錐音も愛用の鎌を出す。

「みんなは下がってて」

そう言われ、私たちは下がることにした。

「はぁあああああああああ!」

クラバートが錐音に襲いかかってきた。

カキーン!

錐音の鎌とクラバートの鎌が交わる。

とんでもない戦いが始まった。

この二人を止めることはできない。

「くっ」

錐音が押されてるように見えた。

だが、そうではない、錐音はこの戦いを楽しんでいるのだ。

それはそうだもの、だって、この戦いに勝てばクラバートと結婚しなくて済むのだから。

錐音はどこか勝てる自信がある。

そう思っていた。

「クラバート、この戦いで、親同志が争っていた結婚も無くなるなんて嬉しいものだわ」

「ふしゅううううう」

クラバートは息をはいた。

「錐音、お前は俺と結婚できなくて寂しい思いをするだろう。それでも、そういい続けるのか」

「ええ。絶対にクラバートとは結婚しないわ」

「そうか、それなら!」

カキーン。

錐音とクラバートの鎌が重なり合うと同時に、二人は、勢いで後ろへ下がった。

「錐音、大丈夫?」

私は近くまで下がってきた、錐音に聞いた。

「ええ、大丈夫よ、これくらい」

「あまり無理しないでね」

そこで、錐音はニコッと微笑んだ。

「錐音! お前が話していいのは俺だけだ!」

よそ見もしていられない。

そう思いつつ、錐音はクラバートに向かっていった。

「あなたもしつこいわね」

カキーン、ガシャン。

錐音が戦ってる間、私たちは見ていた。

「錐音、勝てるのかな」

「大丈夫よ、それくらい。錐音は学生時代も強かったから」

ざくろはそういった。

「うーん、そうだといいんだけど」

私は心配だった。

負けたらどうしようとか、怪我をしたらどうしようかと心配していた。

だが、戦いを見ている限り、圧倒的にクラバートが押されてるようにみえる。

その点からいうと、錐音は勝てるかもしれない。

そう思うが、やはり、心配であった。

ガヤガヤ。

何やらさっきより、騒がしい。

騒がしいのは、女子生徒たちが囲んでいるからだが、何故か前より騒がしくなってる。

何だろうと思い、見ると、そこには錐音の両親とクラバートの両親がいた。


すごい久しぶりの更新ですね。

内容忘れてて、一話から読み直しましたw

この続き、どうしようか。

死神パートナーのこの後の続きが頭に浮かんでこないんですよね。

もし、できたら、メールかコメントで、こういう風に書いてくださいというネタのリクエストがあったら嬉しいです。

それでは、ノシ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ