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第19話「勝負の行方~前編~」

空は薄暗い曇りのような天気だ。

吐く息も白く、相当、気温が低いみたいだ。

ん?

どうしてだろう。

錐音やざくろは吐く息が真っ白にならないのは。

私と桜さんだけが吐く息が真っ白になる。

これはつまり――。

「着いたわよ、死神界――」

そう、私たち四人は死神界に来たのだった。

どうして来たのか。

それは、錐音の騒動を止めるためだ。

以前、人間界で騒動を止めようとしたが、死神といっても、誰も信じないのだ。そして、賞金目当ての人が多く、錐音を見かけると、追いかける人たちばかり。

死神を信じない人間界にいても、この騒動を止めることはできない。ただ、追いかけられるばかりだ。

そこで提案したのが、死神界に直接行って騒動を止めようということだ。

死神界であれば、死神とも信じてくれるし、錐音の両親、そして、錐音の結婚相手と直接対決することができるのが本題だ。

そして、何故、私たち人間だけ吐く息が白くなるのかというと、この環境に慣れてないためだとか。よく分からないことだが、このまま進むことにしよう。

「まず、私とざくろが通ってた学校に行くわよ」

「どうして学校なの? 結婚相手と両親と対決するなら、自宅のほうがいい気が――」

提案してみたが、錐音は考えがあるらしい。

「調べてみたところ、どうやら、結婚相手は学校の校長になってるらしいわ。だから、両親は後にしてまず結婚相手から片づけようと思うの。その方が両親と話すとき楽になるし」

「分かった、錐音の言う通りにする。早くこの問題を終わらせて現実世界に帰ろう」

「ええ、そうね。じゃあ、行くわよ」

私たち四人は錐音とざくろが通ってた学校、月黒女学園へと向かった。



綺麗な百合の花。

学校の敷地内にある木の数々。

そして、戯れる女子生徒たち複数。

まさしく女学園の姿だった。

コソコソとはいかないが、隠れながら進んでいくと、やはりあのポスターが貼ってある。

賞金がかけられた錐音のポスター。

これを見るたびに怒りが込み上げてくる。

その怒りを私たちは校長、つまり、錐音の結婚相手にぶつけないといけない。上手くできるかどうか自信がないが、何とかなるだろう。

大丈夫、私たち四人でいれば、必ず勝てるはずだ。

「みんな見て、あの娘たちの中に綺麗な人がいるわよ」

「え、あ、ほんとだ。美しい――」

何故か私たちは注目されている。

そうか、錐音がいるからだ。

どうしよう、早く行かないと。

「女神様!」

「女神様よ!」

いきなり、近寄ってくる女子生徒たち。

私は力のある限り、錐音の前に立って防御した。

喧嘩なら負けるが、私は勝てると思っていた。

「きゃーーーー」

突然の歓声に驚く私たち。

すると近寄ってきた生徒の軍団は錐音ではなく、ざくろに集中した。

しかも、ほとんど背が低い。

低学年か?

「すごく綺麗、私と、パートナーになってください」

「いやいや、私ですよ、わ・た・し」

「そんな、こんな分からない人たちより私がいいわ。私は図書委員をしているの。だから、魂を回収するのは経歴がいいのがいいはずよ。ねぇ、なってくださらない? 私のパートナーに」

みんな、ざくろに夢中だ。

桜はざくろの隣にいられなくなり、囲いの外でポツーンとしている。

何だか寂しげだ。いや、寂しさの中に変なオーラが見えるのは気のせいだろうか。

「ちょ、ちょっと、待って。きゃっ」

女子生徒の軍団に囲まれるざくろ。

とても困ってる。

助けたいけど、錐音の傍から離れるわけにはいかない。

すると、大きい声で桜の声が聞こえた。

「ちょっと待ってください!」

突然の大声で生徒たち、ざくろもキョト~ンとする。

「ざ、ざくろは――ええと、その、ざくろは――」

それから沈黙して三分が経過した。

「ざ、ざ、ざくろは、ざくろは私のパートナーです! 以上!」

ざわざわと生徒たちはざわめきし始めた。

その中で一人、落ち着いている者がいた。

それは。

「くすっ。桜、言うのが遅いのよ。私たち、出会った時からパートナーでしょ? 違う?」

「はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ、ざ、ざくろーーー!」

何で桜は興奮しているのか、それは分からなかった。

でも、正真正銘のパートナーになれて嬉しいのは理解できた。

女子生徒たちの間をくぐり、桜はざくろに抱き着いた。

「ちょ、ちょっと、こんなところで止めなさい」

「だ、だって、だって――」

嬉しさのあまり、桜の興奮は止まらなかった。

すると、ある一人の少女が呟いた。

「ねぇ、あの人、例のポスターにそっくりじゃない?」

「え、あ、ほんとだ。そっくり――も、もしかして本人じゃない?」

今度は違う意味で、ゴソゴソと隠れて話す生徒たちが現れた。

これは本当の意味でやばいかもしれない。

ざくろと桜の騒ぎを止めて、私たちは歩き出した。

すると。

「いたぞ! 例の賞金がかけられた死神たちの裏切り者だ!」

ある一人が大声を出してから、みんな一斉に駆け出し始めた。

その瞬間、私たちも駆け出す。

走れ、走れ。

「みんな、私の後についてきて」

錐音の言う通り、付いていく私たち。

校門から、学校の校舎内に侵入した。

校舎内にもいく人か生徒はいたが、私たちを追うとはしない。

まだ、私たちが死刑人と思われてないからだ。

でも、追っての生徒が言えば――。

「みんなあの人を捕まえて! 例の死刑人よ!」

「え、ほんとだ。みんな、捕まえろー」

どうやら、中学年の生徒の廊下に来たらしい。

校門にいる生徒より少し大きい。

「錐音、ここは私がくい止めるから、先に行って」

「そうはいかないわ。ざくろを置いていくなんて、私は許さない」

「錐音――分かった。あなたの言う通りにするわ」

「それでこそ、私のライバルよ」

錐音とざくろは分かりあったらしい。

これでこそ、いつもの二人だ。

階段を上り、上へ、上へと上がっていく私たち。

結婚相手はこの学校の五階にいるのだ。

今は三階。あと二階まで上っていかないといけない。

後ろを振り返ってみると追っての生徒たち。

そして、私の傍には錐音やざくろ、桜さんがいる。

このまま四人でゴールにたどり着ければいいが。

「ピーンポーンパーポーン」

突然、学校のチャイムが鳴った。

この音は人間界の学校のチャイムと同じだった。

「緊急事態です、緊急事態です。たった今、例の死刑人がこの学校内に姿を現しました。捕まえた者には賞金を与えることにします。また、怪我のないよう行動してください。繰り返し、繰り返し放送します――」

「この放送やばいんじゃないですか?」

桜さんの言う通りだ。

桜さんは学級委員をしていて、放送の経験もあるので学校中に広まるくらい知っている。

私たちもそのくらい知っているので、やばいことは分かった。

「みんな、ここのエリアはやばいわ。まず、追っての生徒たちを何とかしないといけないの。私の合図で一斉に更衣室に入るわよ」

走りながら錐音はそう言った。

どうして更衣室? と、思ったが、錐音の言う通りにしよう。

「入るわよ」

ガラガラガラッ。

素早く更衣室のドアを開けて、中に入った。

そして、渡されたのがカツラだった。

どうして更衣室にカツラがあるのか。

とても不思議に思う。

いや、そんなこと考えている暇はない、急いで、カツラを被った。

するとガラガラガラッと更衣室が開けられた。

そこにはキョトンとしている追っての生徒たちがいた。

「あれ? あの、ここに例の死刑人が来なかった?」

ある一人の生徒が言った。

どうやら、カツラを被ったおかげで、私たちが死刑人だと気が付いていないらしい。

高い声で、桜さんは。

「来ませんでしたわよ、オホホホホホ」

なんとまぁ、自由な人だ。

それより、よく錐音の考えが分かったなと思った。

「そっか、じゃあ、あっちに行ったのかも。行くよ、みんな」

先頭の生徒はそう言い残すと、たくさんの団体を連れて更衣室から去って行った。

残された私たちは今もカツラを被っている。

「ふぅ、錐音と桜さんのおかげで助かった。二人ともありがとう」

私はお礼を言った。

「たまたま、偶然のことよ。それより、ここからは勝負となるわよ。みんな覚悟はいいわね?」

「うん、もちろん」

「ええ、受けてたつわよ」

「はい、覚悟はできています」

私、ざくろ、桜さんは返事をした。

これからが本当の勝負だ。

逃げることも隠れることもない。このまま、歩いて、校長室に行くまで。

カツラを被ったおかげで、怪しまれず、走らないで歩くことができた。

普通に生徒とすれ違っても、気にしないで歩くことができる。

三階から、四階、五階へと進んだ。


さてさて、いよいよ!っていう感じですね。

でも、上手く書けてない気が・・・。

すみません、私自信納得できてない感じがするんですが、どうでしょうか?

やっぱりセリフや行動の説明が上手くできてないんですかね~。

一番あれなのは、セリフが少ないでしょうか? 

でも、何とかここまで来たので、このまま後編へ進もうと思ってます。

もし、何か付け加えたほうがいいところがありましたら、遠慮せずにコメントでもいいですので教えていただけると嬉しいです。

それでは、後編へ。

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