表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/22

第1話「出会い」

家を出て三分後。

 私は横断歩道の前で止まっていた。

 今はこちらが止まる赤信号で、左右から青信号で進む車たちが走っている。

 コンビニは横断歩道を渡りすぐ目の前だ

 買ってくるものは飲み物とお菓子。

 お金は親からお小遣いを貰っているので、問題はない。だが、さすがにお小遣いだけでは物足りず、今まで求人情報を見ていたわけなのだが。

「暑い、早く帰ってバイト探さなきゃ。それと、あの診断もう結果出たごろだよね」

 どうもあの診断が気になってしまう。

 占いと同じでその結果を信じるか信じないか人それぞれだが、私は出た結果を信じたいと思っていた。

 赤信号が青信号へと変わり、今まで止まっていたこちら側の人や車が動き始める。

 横断歩道を通り、目の前にあるコンビニへと向かう。

 すると、向こうから歩いてくる一人の子に目が留まった。

 黒髪ロング、どこも完璧な容姿、少し鋭い目つき。私と同じ身長。

 とても綺麗で、私はその子に目が留まってしまった。

 綺麗と思いながら、私とその子はすれ違う。

 近くで見ても完璧で、風に乗ってその子からいい香りが漂った。香水だろうか、とても甘くうっとりしてしまいそうな香りが鼻をくすぐった。

 反対側にたどり着き、後ろを振り返る。

「すごく綺麗だったな」

 既にその子は見えなくなってしまっていた。

 だが、あの姿と少し鼻をくすぐった香りは忘れられない。

 コンビニへ用事を済ませると、私は真っ直ぐに家へと向かった。

 弟が待ってるし、それと、あの診断の結果が気になるからだ。

 コンビニから数分して、汗がダラダラと出てくる。

 帰ってからシャワーを浴びたいな。そう思いさせるぐらいの暑さだった。

 目的の家が見え、急いで中に入る。靴を揃えるのなんてどうでもいい。

 今はとにかくあの結果が気になる。

 私は弟の部屋に寄りジュースを渡すと、自分の部屋へ急いだ。

 少し急いだので息が上がっている。

 手を胸に当てて呼吸を落ち着かせ、ドアノブに手を回す。

 するとドアが開き、中に入った。

「え、え? あの誰ですか?」

 部屋の中に誰かがいた。

 知らない女の子、しかも、玄関にはお客さんの靴などなかった。

 一体誰だろう? どうして私の部屋に?

 いろいろなハテナが思い浮かぶ。

 よく見ると黒髪ロング、サラりとした容姿、鋭い目つき、同じ身長。

 どこかで会い見た覚えがある。

 私は頭を回転させ、思い出そうとする。

 少し彼女から視線を外し考えていると、歩く気配がした。

 彼女は私に向かってくる。

「あ、あの」

「あなた、星波陽菜さんね」

 突然私の名前を言われ驚いた。

「そうですけど、どうして私の名前を?」

「あなたがこのサイトに登録してくれたんでしょ。知っていて当然よ」

 彼女はパソコンの画面を指していた。

 サイト、つまり、あの診断のか。

 でも、どうしてあれをしてこの子がくるの?

「あなたは一体何者なんですか?」

 そう聞くと、彼女は私の真横に来た。

 しかも、すごく近い。

 そしてあの香りが漂ってきた。

 そうだ、この香りはさっきの交差点で会って見たんだ。

 姿と香りで思い出した。

「話すと長くなるわ。まず仕事に行くわよ」

 仕事? 一体何の?

 私はまだ働く場所も決まってない。

 そう考えてる内に彼女は部屋から出て行った。

「あ、待って」

 仕方なく私は後を追いかける。

 いろいろと聞きたいことは沢山あるが、まずは、彼女の後を追うことが大事だった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ