プロローグ
縦読みの方が読みやすいかもしれません。
どちらでも大丈夫です。
時計の針は午後二時半を指している。
季節は夏。冷房を付けないと暑さでおかしくなってしまうほどの太陽が、外を照らしている。
私、星波陽菜は自分の部屋でパソコンと睨めっこしていた。パソコンの画面に映されているのは、求人情報のサイト。
今は高校生なので、本格的な仕事はできないが、お小遣いを貯めるためにアルバイトを探していた。
「何か楽で面白そうなバイトないかな」
マウスを動かし、スクロールバーを下へと動かす。
画面には様々な求人情報が載っていた。
「どれもいまいちだし。う~ん」
悩みながらマウスを動かしていくと、今まで見たことがない情報が載っている。
「これは……」
私が見つめる先には『あなたに似合う職業を私たちが決めます。そして、その職業をあたなの元へお届け。似合う職業を決めるため、こちらの診断ページへクリック』と書かれてあった。
「すごい怪しそう。でも、せめて、私がどんな職業に似合うのか知りたいし」
もし悪質なサイトだったらと思うと怖い。
でも、好奇心や、これから探す職業のアドバイスを貰えればと思うと、どうしても知りたいものがある。
「し、診断だけなら大丈夫だよね」
一〇〇%大丈夫だといえないが、進むことにした。
このまま悩んでいてもスッキリしないし、何事も、進んでから後悔することが一番だ。
「えっと、このアンケートに答えていけばいいのか」
診断ページをクリックし、それぞれのアンケートに答えれば、似合う職業を教えてくれるらしい。
「この中で今食べたい果物。桃かな」
果物の他に、外国はどこに行きたい? 朝と夜どっちが好き? など、いろいろなアンケートを答えていった。
そして、全てのアンケートを答え、次のページをクリックする。
「これで終わり。あとは結果を見るだけ」
今、アンケートを分析して、サイトが結果を出そうとしている。
「どんな職業になるか楽しみ」
画面を見つめ結果を待つ。
まだ画面には分析中と書かれてある。
結果を待つこと一五分が経過した。
未だに画面には分析中と表示されており、変わることはない。
「遅い、エラーでもしたのかな。このまま待っていても時間の無駄だし、コンビニへ行こう」
私はパソコンの画面をそのままに残し、部屋を出た。
コンビニへは家から五分ちょっとで着く。
買ってくるものはアイスやお菓子だが、他に買ってくるものはないか、弟の部屋に顔を出した。
「勇太、これからコンビニへ行くけど、何か買ってくるものある?」
「じゃあ、ジュース買ってきて」
「分かった。お留守番お願いね」
弟の部屋から出て、一階へと降りる。私と勇太の部屋は二階になっているのだ。
そして、玄関で靴に履き替え、外を出た。
暑い太陽が照りつける中、私はコンビニへと足を運んだ。