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魔法騎士の花嫁  作者: 青木りよこ
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こんなことがあった

そういえばこんなことがあった。

二年前の春のことだ。

魔法騎士の後輩指導でシオンが学校にやって来た。

俺が迎えに出て、二人で歩いていると「シオン様」とどこからか柔らかな声がした。

振り返ると教室移動中のナギとミヤコがいて、ナギが右手を頬の横で控えめに振っていた。


「お前、女に手を振ったりするんだな」


ナギとミヤコが見えなくなると俺は隣のデカい男にそう言った。

俺は非常に驚いていた。

学生時代も、魔法庁に入ってからも、俺が教職に移動するまでのやや長い年月にこいつが女性に手を振ったことなど終ぞ見たことなかったからだ。


「別に、普通だ。子供だろう」


「子供って、結婚するんだろう?」


「ああ」



二年前のナギは本当に子供って感じだった。

そりゃそうだ、十四歳なんて子供だ。

まあナギはいつも一緒にいるミヤコが背が高く大人びていたため余計そう見えたのだろう。

小さくってか細くって、手に何かを持たせるのが可哀想になるような子だった、様に思う。

その後何を話したのかは憶えていない。

多分他愛もない話をして別れたんだろうと思う。

何故今こんな話を思い出しているんだろう。

まあいい、俺が考えても仕方ない。

シオンとナギの問題だ。

結婚してもシオンは忙しいからほとんど家にいないだろう。

もうすぐあれの氷が解けるだろうから、そうなったら新婚早々夫不在だ。

もう考えるのはよそう。


確かにテトラの言う様にもやもやするが、二人が絵として違和感がないなら上手くいくだろ。

シオンが唯一人手を振った女なんだから、きっと上手くいく。

無事に結婚式が終わって欲しい。

まあそれよりも卒業式だけど、その前に追試だけど。

テトラ、取りあえず、お前は頑張れ。






















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