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魔法騎士の花嫁  作者: 青木りよこ
21/22

今見ている青い空

「ルシファー討伐おめでとうございます」


私は直属ではないが上司となった幼馴染の兄へ敬礼する。

隣にいるテトラも慌てて私の真似をする。

ここにはそのうち慰霊碑が建つのだろう。

供えられた沢山の白い花が風に揺れている。

この人も花を供えたのだろうか。


「シオン様。私、サツキとナギは生きていると思いますよ」


「そうか」


世界最強の魔法騎士は表情を変えない。

それは私がずっと見てきた幼馴染にとてもよく似ていた。


「そうだといいな」


私達は史上最高になるであろう魔法騎士の背中を見送る。

彼の姿が見えなくなるとテトラは右手をやっと下した。

私達は花を供え、青い空を見上げる。


「ミヤコ、サツキ達生きてるってマジで?」


「生きてるわよ。きっと」


「嫌、それならめためた嬉しいけど、お前サツキ達がバハムートの口の中に落ちていくの見たんだろ」


あの日、世界が終わるんだと思った。

でも終わったりしなかった。

ルシファー率いる悪魔軍はシオン様がルシファーを討伐したことで消滅した。

バハムートは赤い閃光を放つと、上空へと舞い上がり燃え尽きるように消えてしまった。

二人を最後に見たのは、崩れかけた教会のバルコニーだった。

随分遠くからだったから表情までは見えなかったけど、白と黒が溶け合って、一つになった二つが、バハムートの口の中に落ちていくのを私は見た。


「死ぬわけないわよ、サツキがあんなところで。サツキよ。私達史上最強世代の主席だった男よ」


「まあな、そりゃそうだよな、そうだよ。死なねーよ、サツキは」


「そうよ、生きてるわよ。アイツはしつこい男よ。だって一人の女の子を望みもなかったのに一途に十年以上同じ熱量でずっと好きでいられるんだから。格が違うわよ。絶対生きてる。断言できる」


「な。俺もそう思う。絶対生きてんよ。せっかく大好きな女の子が手に入ったんだからくたばったりするもんかよ」


「そうよ。私達も頑張らないとね」


「ああ」


「ばりばり働いて出世するわよ」


「おーし。頑張るぞー」



ナギ。

私達きっとまた逢える。

私が今見てる空が晴れ渡った青でもナギが見ている空は赤い夕焼けかもしれない。

でも空は何処までも繋がっていて、私達は同じ空を見ていて、自由に何処までだって行けるのだから。




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