ミヤコとナギ 2
「ナギ、サツキのこと好きでしょう?」
「うん。好きだよ」
「ねえ、ナギ。一緒に逃げない?」
「ミヤコちゃん?」
「私の飛行能力ならナギを連れて国から出られるよ。女二人でどこか遠くで暮そうよ」
「そんなことできないよ」
「じゃあサツキと逃げなよ。私だけじゃなくてテトラも協力するから、二人で遠くに逃げなよ。こんなのおかしいよ。恩なんかないよ。助けてもらったからって、自分の人生をあげちゃうことなんかないんだよ。もっと自分のこと大事にしなよ」
「ミヤコちゃん。憶えてる?」
「何を?」
「魔法学校に入学してすぐだったかな、ほら、同じクラスの男の子に私言われたでしょう。出てけって、ここはお前みたいな卑しい生まれの人間が来るところじゃないって」
「あー、ライハの三男坊ね、あのクソバカ」
「ミヤコちゃんあの子のことひっぱたいてくれたでしょう?」
「だってむかつくじゃないの。自分じゃどうしようもないことで他人にとやかく言われるなんて、しかもアイツ、サツキとテトラが先生に呼ばれていなくなってから言ったでしょ。ホント卑怯でむかつく。あ、なんかまたムカついて来た。あのクソ野郎が退学になる前にもう一発殴っときゃ良かった」
「ミヤコちゃんいつも私のことで怒ってくれたよね」
「だってむかつくもん。でもアイツ命拾いしたのよね。サツキがいたら多分死にはしなかっただろうけど、床にめり込むか、黒板突き破ったんじゃないの」
「サツキはそんなことしないよ」
「するわよ」
「しないよ。だってサツキは私がどんな人の子供でも何とも思わないもん」
ナギ、どうして笑うのよ。
私泣いてんのに、何であんたが笑ってんのよ。
あんたのことなんだよ。
どうしていつもそうなの。
「ナギ、そこまでわかってるのに、いいの?サツキがあんたのことどれだけ好きかわかってるのに」
「うん。でもサツキは私がいなくても大丈夫だよ」
「大丈夫じゃないわよ。あんたがいなくなったらサツキどうなるか私見当もつかないよ」
「私はサツキにしてあげたいこと何もないから」
「なくていいでしょ。サツキはあんたに何かして欲しいなんて思ってやしないわよ」
「私はお兄様と結婚するの」
「何で、何でよ・・・」
「私はお兄様を史上最高にしたいの」




