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シオンとナギ 6
コーヒーとケーキにしては長居しすぎたので、会計の時にレジの横にあった焼き菓子の詰め合わせを買った。
「お帰りなさい、お兄様」
家に帰るとナギが来ていてキッチンのテーブルに宿題を広げていた。
買ってきた菓子の入った紙袋を渡すと、嬉しそうに笑った。
紙袋はナギが持つと少し大きく見えた。
「開けてもいいですか」
「ああ」
「お兄様、こんなに沢山二人で食べるんですか?」
「食べきれなかったら持って帰ればいい」
「そうですね」
数学の宿題をみてやり、終わるとお茶をナギが淹れたので、二人で買ってきた菓子を食いお茶を飲んだ。
俺はソファに移動し、ナギに隣に座るよう促した。
「ナギ、お前に話しておくことがある」
「はい」
俺は自分の手を見ていた。
だからナギがどんな表情をしていたのかはわからないが、ナギは恐らく俺をずっと見ていた。
「お前の父親のことだ」
「知っています。悪魔なんですよね」
「誰に聞いた?」
「お母さんに」
「会ったのか?」
「はい」
「いつ?」
「一週間くらい前に」
「そうか」
「だから全部知っています」
「全部」
「はい」
「そうか、全部」
「知っています。だからお兄様」
俺はナギを見た。
隣にいる女が本当に自分の知っているナギなのか確認するために。
「バハムートが来たら、私のことちゃんと食べさせてくださいね」




