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影の盗賊(シャドウ・シーフ)  作者: A-LIGHT(I lie)


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第二部 第43話 砂漠の試練

砂漠の熱気が肌を刺す。アルトとファントムは、果てしない砂丘を前に立ち止まった。黒い影は見えないが、風の中にその存在を感じる。


「影は物理的な攻撃ではなく、心を試すのね……」アルトが呟く。

ファントムは鋭い目で砂漠を見渡し、短く答えた。「ここで何も学ばなければ、力は手に入らない。」


足元の砂が微かに動き、二人を分けるように渦巻いた。アルトは瞬時に理解した。影は二人の意志を個別に試すつもりだ。


「……俺から行く。」アルトは歩を進めた。砂の渦に踏み込むと、視界が歪み、過去の断片が映し出される。

幼少期、孤独に泣いた夜。信じた仲間に裏切られた痛み。彼は拳を握り、心の奥底で叫ぶ。

『恐怖も孤独も、俺の力だ。すべて受け入れて進む!』


影はその意思を確認すると、砂となって散った。


次にファントムの番だ。冷静な瞳は揺るがず、だが過去の記憶が静かに押し寄せる。

貴族の屋敷での孤独、家族からの冷酷な視線、そして失った自由。

「……私は、私の道を選ぶ。」ファントムは短く宣言し、意志を固める。


砂の渦が収まり、二人の前に小さな光の柱が立ち上がった。

「……これが試練の証か?」アルトが問うと、ファントムは微かに笑む。

「まだ序章よ。本当の試練は、この先。ルナの涙の力は、それほど簡単には手に入らない。」


二人は互いに視線を交わし、砂漠の果てへと歩を進めた。影は消えたわけではない。常に彼らの心の奥で蠢き、次の試練の瞬間を待っている。


遠く、赤い太陽が沈み、砂漠は静寂に包まれた。しかし風の音に紛れて、かすかな低いうなり声が聞こえる――試練の影が、まだ二人を追っている。

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