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影の盗賊(シャドウ・シーフ)  作者: A-LIGHT(I lie)


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第二部 第35話 星の残響

虚空を駆け抜けたアルトは、青い光の渦に包まれながら漂っていた。

そこは時間も空間も意味を失った、無数の「未来」が交差する狭間だった。


耳に響いたのは、低く脈動するような鼓動。

――ルナの涙が彼に問いかけていた。


『お前は何を望む? 奪うのか、守るのか。

 未来を“盗む”とは、どういうことだ。』


アルトはふっと笑みを漏らした。

「俺は盗賊だ。正義の味方でも王でもない。ただ……

 仲間の涙と笑顔を、誰にも奪わせないようにする。

 それが俺にとっての“未来を盗む”ってことさ。」


青い光が共鳴するように脈打ち、虚空の影が次々と崩れていく。

そのとき、彼の目の前に幻影が浮かび上がった。


――セシリアが微笑んでいる。

――ファントムが背を向けながらも、わずかに手を差し伸べている。

――そして、幼い日の自分自身が、星空の下で願いを呟いていた。


「……誰かの未来を、守りたい。」


その瞬間、虚空が砕け散り、アルトは眩い光に包まれて現実へと引き戻された。



目を開けると、そこは砂漠の夜明けだった。

セシリアが駆け寄ってきて、その胸に飛び込む。


「アルトっ! 本当に帰ってきたのね……!」

彼女の声が震えていた。


アルトは笑って彼女の肩に手を置く。

「ああ。ただいま。ちょっと未来から、星の欠片を盗んできた。」


彼の手の中には、砕け散ったルナの涙の一部が輝いていた。

その光は夜明けの空に反射し、まるで星の残響のように広がっていく。


ファントムが腕を組んで言った。

「……どうやら、次の物語が始まりそうだな。」


アルトは小さく頷く。

「まだ終わりじゃない。俺たちの未来は、これからだ。」


そして、砂漠に昇る太陽が、彼らの影を長く伸ばしていった。

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