表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
影の盗賊(シャドウ・シーフ)  作者: A-LIGHT(I lie)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/350

46.作られた均衡― 第2話復讐心

地下神殿の奥深く──蒼い輝きに包まれた「ルナの涙」は、まるで脈打つ心臓のように光を放っていた。

 アルトとファントムはその前に立ち、足を止める。


「……これが、すべての始まりにして終わりの石。」

 ファントムの紫の瞳が、淡く揺らめく結晶を映す。冷徹さを隠していた表情から、一瞬だけ少女のような素顔が覗いた。


 結晶に近づくと、淡い音が響いた。

 ──低く、しかし澄んだ音。

 それは言葉ではなく、記憶そのものだった。


 次の瞬間、二人の意識は光に包まれ、目の前の光景が変わる。


 荒れ果てた大地。崩壊した空。

 そして、星々の間で交わされる「契約」の幻影。

 人と異星の者が向かい合い、互いの存在を証明するように手を差し出す。


 ──『この石を継ぐ者よ。選ばれし意志を持つ者にのみ、未来を託す。』


 声は、遥か遠い時を越えた。


 アルトは胸を押さえる。結晶から流れ込む光が、彼の心の奥に触れていた。

 過去の裏切り、復讐心、孤独。

 だがそれらすべてが、光の中で剥がれ落ちていく。


「アルト……」

 ファントムが小さく呟く。彼女もまた、結晶の共鳴に引き込まれていた。幼い頃に失ったもの、崩壊した家族。冷徹であるしかなかった自分。

 だが今、その奥にまだ温もりが残っていることを知る。


 二人の心が光に重なったとき、ルナの涙はさらに強く輝いた。


 だが同時に、暗い影が神殿に差す。

 ──黒い影。

 長きにわたりルナの涙を狙い続けてきた者たちが、ついに姿を現したのだ。


「ここからが本当の選択よ、アルト。」

 ファントムが短剣を構え、冷たい微笑を浮かべる。


「逃げる道はない。俺たちが決めるんだ──未来を。」

 アルトもまた、影へと視線を向けた。


 ルナの涙の光が二人を包み、運命は最終の局面へと進もうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ