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影の盗賊(シャドウ・シーフ)  作者: A-LIGHT(I lie)


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437/443

第296話 「観測者の正体」

夜。


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 街の灯りが、静かに揺れている。


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◆セラ


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「……ねえ」


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◆小さく

「ずっと気になってたんだけど」


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 隣を歩く少年を見る。


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◆一言

「あなた、何者なの?」


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# ◆沈黙


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 少年はすぐには答えない。


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 しばらく歩いて、


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 足を止める。


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# ◆少年


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「……さっきの、見ただろ」


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◆静かに

「主役が奪われた世界」


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# ◆セラ


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「うん……」


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# ◆少年


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「じゃあ逆に聞く」


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◆視線

「なんで、お前は“戻せる”?」


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# ◆セラ


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「……それは……」


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 言葉に詰まる。


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 分からない。


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# ◆少年


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「理由がある」


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◆一言

「偶然じゃない」


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# ◆核心


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 風が吹く。


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◆少年


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「俺もな」


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◆続き

「“選ばれた側”なんだよ」


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# ◆セラ


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「……え?」


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# ◆正体


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 少年が、


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 ゆっくりと振り返る。


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◆目


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 その瞳に、


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 一瞬だけ“別の色”が混ざる。


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# ◆宣言


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「俺は――」


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◆一言

「“観測者”だ」


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# ◆衝撃


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 空気が変わる。


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# ◆セラ


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「観測者って……」


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◆戸惑い

「前に出てきた……あれ……?」


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# ◆否定


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◆少年


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「違う」


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◆続き

「あれは“上位”だ」


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# ◆説明


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「俺はその下」


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◆定義

「物語を観測して、記録して、判断する側」


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# ◆役割


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 物語が壊れないように。


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 バランスを保つために。


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 “外から見ている存在”。


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# ◆セラ


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「……じゃあ、なんで私に協力するの……?」


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# ◆少年


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 一瞬、間を置く。


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◆静かに


「仕事だ」


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◆続き

「異常は修正する」


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# ◆セラ


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「……それだけ……?」


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# ◆沈黙


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 ほんの少しだけ、


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 視線が逸れる。


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# ◆本音


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「……つまらないからな」


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◆一言

「今の世界」


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# ◆意外


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 セラが驚く。


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# ◆少年


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「主役が奪われて」


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「物語が止まって」


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◆吐き捨てる

「全部、死んでる」


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# ◆核心


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「俺は――」


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◆一言

「“ちゃんと動く物語”が見たい」


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# ◆セラ


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 少しだけ、


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 笑う。


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◆一言

「……それなら同じだね」


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# ◆共通点


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 セラは取り戻したい。


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 少年は観たい。


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 目的は違う。


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 でも、


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 方向は同じ。


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# ◆新たな関係


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◆少年


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「……勘違いするなよ」


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◆一言

「味方じゃない」


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# ◆セラ


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「うん」


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◆笑う

「知ってる」


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◆続き

「でも、今は一緒でしょ?」


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# ◆少年


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 少しだけ、


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 口元が緩む。


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 その瞬間。


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◆異変


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 空が、


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 歪む。


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◆圧


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 重い。


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 あの時と同じ。


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# ◆気配


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 “上位観測者”。


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# ◆声


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『……干渉を確認』


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◆低く

『観測者の逸脱行動』


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# ◆標的


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 視線が、


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 少年へ向く。


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# ◆宣告


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『排除対象に変更』


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# ◆セラ


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「……え……?」


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# ◆少年


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 ため息をつく。


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◆一言

「……バレたか」


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# ◆最後の一文


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 次の敵は、“物語の外側の監視者”。


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 そして――


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 逃げ場は、もうない。


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---


――続く。


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