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影の盗賊(シャドウ・シーフ)  作者: A-LIGHT(I lie)


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第283話「未完のままでいい」

静寂。


---


 編集者の手が、ゆっくりと閉じる。


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◆宣言


「“物語そのもの”を閉じる」


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# ◆発動


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 その瞬間。


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◆崩壊


 空白の領域が、


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 内側から崩れ始める。


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◆現象


 線が消える。


 形がほどける。


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 存在が、


---


 “未完成のまま終了する”。


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◆ファントム


「……まずい……!」


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◆無終


「……全部、途中で終わるぞ」


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# ◆意味


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 書かれる前に終わる。


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 選ばれる前に終わる。


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 存在する前に終わる。


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# ◆アルト


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 立っている。


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 ただ、


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 じっと。


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◆思考


(終わる……?)


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# ◆違和感


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 その言葉に、


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 引っかかる。


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# ◆アルト


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「……なあ」


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◆静かに


「なんで終わらせる必要がある?」


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# ◆編集者


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「未完成は、ノイズだ」


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◆断言


「整えられていないものは不要だ」


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# ◆アルト


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「違うな」


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◆否定


「未完成だから、続くんだろ」


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# ◆核心


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◆ファントム


「……!」


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◆理解


「終わらないから、“次”がある」


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◆無終


「……閉じなければ、消えない」


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# ◆アルトの答え


---


「完成させる必要なんてねえ」


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◆宣言


「“途中のまま”でいい」


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# ◆覚醒


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 その瞬間。


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◆変化


 崩れていた世界が、


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 止まる。


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◆再定義


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 未完成=削除対象


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 ではない。


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 未完成=継続


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# ◆成立


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 終わらない。


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 閉じない。


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 だから、


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 消えない。


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# ◆編集者


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「……矛盾だ」


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◆否定


「未完成は不安定だ」


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# ◆アルト


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「だからいいんだろ」


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◆笑う


「安定してる物語なんて、誰も見ねえよ」


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# ◆最終衝突


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 編集者が、


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 すべてを閉じようとする。


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 アルトが、


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 すべてを開こうとする。


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# ◆拮抗


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 閉じる力。


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 開く力。


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 ぶつかり合う。


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# ◆支え


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◆ファントム


「記録する!」


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◆無終


「拒否する!」


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# ◆融合


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 記録 × 拒否 × 選択


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◆結果


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 “終わらない物語”が成立する。


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# ◆決着


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◆アルト


 一歩、踏み出す。


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 今度は、


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 誰にも止められない。


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◆一撃


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 拳が、


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 編集者に届く。


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# ◆静寂


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 音が消える。


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 時間が止まる。


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# ◆崩壊


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 編集者の存在が、


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 静かにほどける。


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◆編集者


「……理解……できない……」


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◆最後の問い


「なぜ……成立する……」


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# ◆答え


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◆アルト


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「簡単だ」


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◆一言


「終わらせてねえからだ」


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# ◆消滅


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 編集者が、


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 完全に消える。


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# ◆余韻


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 空白が、


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 ゆっくりと色を取り戻す。


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 未公開だった領域が、


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 “新しい物語”として動き出す。


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# ◆エピローグ


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◆ファントム


「……また一つ、壊したわね」


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◆無終


「……いや、広げたな」


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◆アルト


 空を見上げる。


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◆笑う


「まだまだあるだろ」


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# ◆ラスト


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 未完成の世界が、


---


 無数に広がっている。


---


---


 どれも、


---


 まだ誰にも触れられていない物語。


---


---


◆最後の一文


---


 怪盗は――


---


 “終わらない物語”を、盗みに行く。


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---


――続く。


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