表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/83

4.エメラルドの聖杯 ~2.影と交錯する夜~

リヴェローナの街は闇に包まれていた。華やかなネオンの下で、アルトは変装を整え、オークション会場へと向かっていた。彼は、洗練されたスーツに身を包み、表向きはオークションに参加する富裕層の一人として振る舞う。


「次の展示品は、伝説のエメラルドの聖杯です。」


会場に響く司会者の声と共に、眩いばかりの緑色の光を放つ聖杯が壇上に現れた。その瞬間、会場中の視線が一斉に聖杯に向けられる。その美しさは、単なる宝石の枠を超えて神秘的な雰囲気を放っていた。


「確かに噂通りの品だ。」


アルトは心の中で感嘆しつつも、冷静さを保つ。だがその時、彼の目に奇妙な光景が映った。会場の隅で、聖杯を見つめるもう一人の人物—若い女性がいたのだ。彼女は天才的なハッカーとして知られるヴァネッサだった。


「君がここにいるとはな…」


アルトは警戒を抱きつつも、彼女の動きを観察する。やがてヴァネッサは小さな端末を取り出し、オークションのシステムにアクセスし始める様子を見せた。彼女の動きから察するに、聖杯を狙っているのは間違いなかった。


「まあ、計画を邪魔されるのはごめんだが…少しは使えるかもしれない。」


アルトは一瞬の迷いを振り払うと、ヴァネッサに近づく。そして彼女にささやいた。


「お互い目的は同じようだな。」

「あなたは…?」

「ただの怪盗だ。君の行動が俺にとって有利なら協力する。どうだ?」


ヴァネッサは一瞬考える素振りを見せたが、やがて微笑んで答えた。


「いいわ。一緒に逃げ切れるなら、力を貸してあげる。」


こうして即席の同盟が成立した。二人は協力してカーディナルの監視を掻い潜りながら、聖杯を奪う計画を進める。オークションの混乱の中、ついにアルトは聖杯を手に入れることに成功する。


その時、ヴァネッサは再び微笑んだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ