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第11話「影と欠片の対峙」

闇の影は一歩ずつ近づき、空間の歪みが波紋のように広がる。

その姿は黒衣のまま、顔の表情は見えない。

ただ、冷たい威圧だけが、三人の胸を押さえつけた。


アルトは欠片を握り直し、深く息を吸う。

「来るなら来い……俺たちの誓いを見せる」


セシリアはアルトの隣で身構え、静かに囁く。

「恐れる必要はない。あなたの意志が、私たちを導く」


ヴェイルも冷静に前方を見据え、影の動きを読み取ろうとする。

「まずは情報だ。敵の攻撃パターンを探る」


その瞬間、黒衣の人物が指を一振りした。

空間が裂け、無数の影の刃が三人に襲いかかる。

アルトは咄嗟に欠片を胸に押し当て、光を放った。

青白い光が刃を弾き、三人を守る。


「光……まだ俺たちの力は完全じゃない」

アルトは胸の奥で痛みを感じながらも、立ち上がる。


セシリアは欠片の光に目を留め、微かに微笑む。

「アルト……その力、信じていいのね」


ヴェイルも頷き、素早く影の攻撃を分析する。

「刃の軌道は……パターン化されている。隙を作れば反撃可能だ」


三人は呼吸を合わせ、互いの動きを連携させる。

アルトが光を放ち、影の刃を防ぐ。

セシリアがその隙に敵の足元を狙い、ヴェイルが遠距離から影の動きを制する。


しかし、黒衣の影は簡単には崩れない。

「……面白い、だがまだ試練の序章だ」

敵の声が空間に響き、影の刃はさらに猛威を増す。


アルトは心の奥底で再び誓う。

「守る……セシリア、ヴェイル、そしてこの欠片。俺たちの絆を壊させはしない」


光が再び強まり、三人の意志が一つに重なる。

欠片は脈打つように輝き、影の攻撃を防ぎつつ反撃の兆しを見せた。


セシリアも胸を張り、仲間の意志に応える。

「あなたと共に戦う……それが私の選択」


ヴェイルも冷たい視線を敵に向ける。

「俺の信念も、ここにある。試練を突破してみせる」


青白い光と影の刃がぶつかり、空間は閃光で揺れる。

試練は、まだ始まったばかり。

しかし三人は確かに、未来への第一歩を踏み出したのだった。

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