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第二部 第86話 青と黒

広間に響く轟音とともに、アルトの手の中でルナの涙が揺らめいた。

青い光がほとばしり、彼の意思と結晶の力が完全に同期する。


「これが……ルナの涙の力か……!」

アルトの声には驚きよりも、覚悟が滲んでいた。


ファントムはその横で冷静に状況を見極める。

「光の強さが、クロノスの霧を押し返している……このまま行けば、突破できるはず」


黒い霧はまるで生き物のようにうねり、二人を飲み込もうとするが、青い光の柱がそれを裂く。

クロノスは広間の奥から片手を掲げ、黒い影を自在に操る。

「甘い……その力だけでは秩序を揺るがすことはできぬ」


だがアルトは恐れず、ルナの涙を高く掲げる。

「秩序だろうと何だろうと、俺は選ばれた者としてこの力を使う!」


その瞬間、結晶から放たれた光は青い波動となり、アルトとファントムの周囲に渦を巻く。

ファントムも息を合わせ、影の中から飛び出してクロノスを狙った。

二人の共鳴した力が黒い霧に衝突し、広間全体を光と影が交錯する空間に変えた。


クロノスは一瞬たじろぐ。しかしすぐに冷笑を浮かべる。

「なるほど……選ばれし者の意志か。だが、それだけでは私の全てを倒せぬ!」


黒い霧の中から、さらに大きな影が現れる。

それは広間の天井を突き破るように伸び、二人を完全に包み込もうとした。


「アルト、やるわよ!」

ファントムが叫ぶ。彼女の手元から小さな装置が起動し、青い光の刃が形成される。


アルトもルナの涙を握りしめ、光の渦に身を任せる。

「行くぞ、ファントム! 一気に突破する!」


青と黒の渦が衝突する中、二人の力は完全に共鳴し、黒い影を押し返していく。

広間の中心で、光と影がぶつかる静寂の瞬間――アルトとファントムは、共に未来を切り開く一歩を踏み出した。

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