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楽しいこと以外全部ウソの叙事詩   作者: ばんだな
序章 トワイライトアポカリプスのために
8/64

#8 トワイライトアポカリプス 前編

#8


???「不死鳥ではない、先輩と呼べい!」


自分「誰ですか、あなたは?」

先輩「誰ですかとはずいぶんじゃの、お主らの世界で超有名な初音ミクとかいうアイドルのツインテールデザインを模したこの風を纏ったかのような元素体女子の姿を見ればわかるであろう、先輩じゃよ、せ・ん・ぱ・い」

自分「いや、何言ってんのか全然わからない・・・」

先輩「だから先輩であると言うておろうが他でもないお主のな」

自分「オレの先輩?何の?」

先輩「そうじゃの、妾は人間として超越したお主の先輩じゃ」

自分「人間として超越?天使とかですか?」

先輩「お主、察し良過ぎじゃろ・・・だがまぁ半分正解で、半分不正解なんじゃがの」

自分「半分天使で、半分天使ではなくて先輩・・・ということはオレの前世とか来世とかですか?」

先輩「来世などとはしたない、前世ですら片腹痛いわ!」

自分「いや、だって、半分天使で半分オレの先輩みたいな言い方をするから人間の生まれ変わりは天使なのかな的なことを考えるに決まってるじゃないですか。そしたらそれはオレたちにとっては来世なわけであって・・・」

先輩「確かにそれもそうかの、まぁその前世があって来世があるとかいう世界観はお主らの根源である自我の霊が魂の理念界を出たり入ったりするときにのみ存在する概念であることから、すでに魂における課題を卒業済みの妾たちにはほとんど関係がないということを言いたかったんじゃ、悪く思うな」

自分「天使のようなあなた方には前世や来世というものがないのですか?ていうか、オレたち人間は転生確定なんですね・・・」

先輩「ふーむ、お主らファントムは人間という生物の肉体の持つ生命に運命を委ねて融合しておる複合存在ゆえに転生という概念を一つの方向性で単純に言い切れるものではないんじゃ。例えば妾らは生命霊による霊的運命を時間軸にしている関係で断絶という概念を持たぬ、という意味でお主らのような前と後がわからないということがないんじゃ。つまり、お主らが運命と呼んでおる始めから終わりまでの変化を数える時間の概念の軸が違うとでも理解しておけば良い」

自分「なるほど、今のオレはファントムという魂のような状態であなたは天使ゆえに次の状態の変化の仕方の認識というか方向性が違うということで合ってますか?」

先輩「いや、それだとまだ正確性に欠けた理解と言わざるを得んな、人間という複合体の方向性を軸として記述したときの正解はこうぞ」


肉体(物質体)=遺伝(本能)の法則

生命体(エーテル体)=輪廻(繰り返し)の法則

心魂体(アストラル体)=カルマ(因果/衝動)の法則

自我体(霊体)=転生(自己降下)の法則

天使体(霊我体)=自然(地球環境)の法則

大天使体(生命霊体)=境界(霊的境界)の法則

権天使体(霊人体)=人格(神的時間)の法則


先輩「肉体が生命体を維持できなくなったときに、生命体はその肉体の記憶を持ち去り、生命体を宿にしておった魂と自我の霊魂もまたそれぞれの領域への帰還の通過にあたって地上とは違った時間の流れを認識することから、転生は一つの方向ではなく地上の肉体においてどれだけ霊的複合体としての意志と認識を洞察できたかによって人間の根源である自我が次に選ぶ法則の自由があってじゃの、その原因ゆえに現在のお主らは自我を有した地球の生物の霊長である人間を選んでおるのじゃよ」

自分「おお、法則を選ぶ自由が人間の自我にはあるんですね」

先輩「あると言えばあるんじゃがそれは肉体上ではなく本質上であってでな、残念ながらその選択も一筋縄にはいかんのじゃがな、少なくとも地上での自由は様々な誘惑と試練に満ちておることから本質的な自由がどこにあるのかへの認識は容易ではないの・・・」

自分「あ、あの、それよりも、これ、この記述は叙事詩なんですが・・・まさか・・・」

先輩「ああ、確かお主はそう呼んでおったの」

自分「あなただったのですね・・・」

先輩「いかにもじゃ」

自分「読める・・・あの叙事詩がわかる・・・でもどういうことだ?今は読めて、なぜ以前はあれほどまでに読めなかったんだ?」

先輩「関係が逆になったからじゃよ」

自分「関係が逆?」

先輩「今のお主は肉体でも生命でも魂の状態でもない複合体のファントムとして心魂体ではなく生命体の方を向いている状態でだな、お主がスクリーンと呼んでおった世界と叙事詩と呼んでおった世界とが入れ替わっておるんじゃ。ゆえに、感情の色が遠のき、妾たちが提供し続けていた思考内容がお主に伝わっておるといった感じに逆転しておるのが今のお主ぞ」

自分「そうなんだ、でもなぜ今になって・・・」

先輩「それは単純じゃ、お主というファントムの思考と妾らのメッセージが一定のシンクロを示した関係で意識という魂が退いておるタイミングと合わせて現実認識の方向性がこちらを向いたからなんぞ」

自分「そんなことだけで・・・」

先輩「そんなことだけのことで妾が送り出し続けたメッセージとそのための現実がどれだけスルーされ続けてきたのかをお主は考えたことがあるか?」

自分「いや何言ってんのか全然わかんない・・・」

先輩「いや、お主わかろうとしとらんというか、わかりたくないだけじゃろが」

自分「いやわかりたいくない上でホントにわかんないんですって、だから率直に聞くのでできるだけ率直に答えてください、オレの現実とあなたとの関係はどうなってるのですか?」

先輩「度し難いほどに妾はお主の先輩でお主は正真正銘救いようがなかった我が眷属の一人じゃ」

自分「どういう意味ですか?」

先輩「今までのお主はカインであった、という話ぞ」

自分「聖書に出てくるあのカインのことですか?」

先輩「そうじゃ、お主にあの聖書を提供したのは妾ぞ」

自分「いや、聖書は小説版のものを確かに読んでいて、でもそれはずいぶん前に購入して碌に読みもせず放置してたものであって・・・」

先輩「とんでもない扱い方をしておったな、全くもって完全完璧にこちらの意図にそぐわない解釈の使い方に空いた口が塞がらんとはまさにこのことかとアゴがなくなりかけたわ」

自分「え、どういうこと?ずっと見てたってこと?全部知ってるってことですか?」

先輩「まぁ概ねじゃがな。つまり、妾はお主の守護霊というやつじゃ」

自分「守護霊?」

先輩「守護霊が何かか?なるほど、最もじゃな。それがわからんことにはオチオチ先輩とも呼べんのも確か、よかろう、まず妾のステータスを見せようぞ。妾は薄明の位階を司る神霊にして、地上存在のすべての生命及び環境調整している天使であると同時に、今現在お主の前に顕現しておる個体としての妾は守護霊トワイライトぞ」

自分「守護霊トワイライト、いわゆるそれが名前というものでよかったですか?」

先輩「真名ではないがの、こうして顕れておるのは天使としての分神ゆえ、いわば半神半人状態にまで位階を下げてようやくお主らのようなファントムに干渉できるのが今の妾の守護霊モードトワイライトということぞ、だから先輩と呼べいと言うておるのじゃ」

自分「オレの守護霊・・・だから先輩なのですか?」

先輩「そうじゃ!それがわかったんなら大きな声で妾のことを“先輩”と呼んでみー!」

自分「いや、まだだ、あなたが守護霊としてオレのことをつぶさに観察できていた関係みたいなのはなんなく理解できました。でも、ていうか、仮にあなたがオレの守護霊だとしてなぜにあなたがオレの直属的な固有の先輩ということになるのですか?」

先輩「それは妾からの配慮じゃ」

自分「配慮ですか?」

先輩「ええか、よう聞け、さっき記述したことを思い出せい!あれはお主ら人間の進化体の序列式じゃ。肉体を底辺とした霊人に至るまでのスペクトルによって、お主と妾ら神霊は一つなぎに貫かれておる。このスペクトルの影がお主の精神の結晶となって認識できておってじゃな、その複雑さの因果の過程の中でのお主との関係を妾がわかりやすく“先輩”と呼べい!と簡略的に配慮しておるんじゃ、ちなみにスペクトルとは言ってみたが実際に関与しておる相互関係式はこうぞ」


【人間】地球の物質界の人間の肉体にまで堕ちて活動している自我の状態

※→は関与の方向と対象

霊人→肉体=霊人(権天使)の人格が肉体を宇宙からデザインして提供

生命霊→生命体=生命霊(大天使)の審判に見合った生命体を魂(厳選)に提供

霊我→アストラル体=霊我(天使)による地球の霊的因果を見通せる魂を提供

自我=自由の霊として常に複合体をまとめる中心核=不滅の自己(根源)の影


【天使】地球のエーテル界にて生命体として活動している霊我の状態(肉体なし)

※→は関与の方向と対象

形態霊→生命体=形態霊(能天使)の霊的な自我が地球を創造、人間に自我提供

霊人→アストラル体=霊人(権天使)の人格が宇宙の時代を魂に提供

生命霊→自我=生命霊(大天使)による審判に見合った魂を自我に提供

霊我=薄明の霊として地球の生命エッセンスから人間の集合魂を解放へと導く使命


先輩「お主ら人間は自我を中心に肉体から霊人までの7つの進化段階を折り返すことで肉体を最底辺としておる。それに対して、妾ら天使存在は霊我と呼ばれる霊的な自我を中心に7つの段階を折り返すことで生命体をお主らにとっての肉体のような最底辺として地球の大気圏内部からの生命エネルギー存在として活動しておる。その複雑な序列関係をスペクトルであると同時に先輩後輩関係であるとわかりやすく配慮してやっておるのが少しはわかったかの?」

自分「これはトワイライト先輩かもしれない・・・」

先輩「そうであろう、そうであろう、これからは気持ちよく先輩と呼ぶがいい」

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