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楽しいこと以外全部ウソの叙事詩   作者: ばんだな
第五章 オリジン オブ シビリゼイションのために
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オリジン オブ シビリゼイション#11 アカシックレコード:地球紀アトランティス人編(現代人の思考力を反転させた原セム種族)

#59


目に見えるものは全て目には見えないものである。

私たちが「思考」と呼んでいる魔術はその目に見えるものをどのように見るかで、白になるか、黒になるかが決まる灰色の自由の未来を創造することのできる活発なエネルギーに根ざしている、という意味で私たちの思考とはある種の魔術に根を持つ力なのだ。

その力は予め決められた運命をその心で変えることができる。

多くの人はその力の影の部分である残響的な流れを疑うことをせずに、自分の成り行きから生じる感情の流れに抗う術を知らず、肉である自分に埋没したままその生涯を終えたことで再びその魂を回収するために戻ってきている。


それが私たち地球紀に生きる人間の魂の定めでもある。


その定めは地球が月を切り離したレムリアの人間よりはじまり、彼らの魂は地球から出ていった太陽及び月の神々から堕天した神霊の神ならざる欲望の衝動が地球を硬質化させ、海すら存在しない創世記の地球に顕となっていた地殻とその核から湧き上がる熱に由来した原初の火とレムリアの魂はその結びつきを数億年もの間、念動的に暴発させ続けることによって様々な生物が淘汰されながらレムリアの時空は作り替えられることとなる。

アトランティス時空の人間の魂はその魂である意志が火ではなく、水と空気に由来する記憶そのものと結びついた生命力に干渉することのできる魂の権能を以って人間の共同体を構成するようになる。

いわゆる民族魂というやつだ。

自然の熱と火に結びついたレムリアの魂は全人類がいわば一つの共同体だった。

その魂の仕様が作り替えられたアトランティス時空では、その動物の各種類が同じ傾向の行動パターンを本能として持っているように、アトランティスの人間もそれに類する魂が民族的記憶という意志となった姿をそれぞれの人間の種として出現する。

アトランティス帝国の皇帝マヌは各民族と人種で絶対的に共有されている先祖代々からの記憶に、地球創世にまつわる神々とかつて行った天地創造の記憶を差し込むことを、各地域の惑星神託者たちに行わせることで地上の楽園を創造することを時空化していた。

帝国の黄金時代は魂が生命に干渉することによって水と空気だけではなく、宇宙の秩序と序列を定めている引力と斥力の力の作用をも制御する力を持つアトランティス人の固有能力を、現代からの転生者である秘儀参入者がデバイス化したテクノロジーによってアトランティス大陸全域を支配する帝国組織を実現する。

しかし、その転生者による洗脳的な支配と自然を利己的な目的で使用し続ける意志がアトランティスの絶対記憶の象徴でもあった霧を晴らし、その霧の行き届かない地域からこの欲望を有した新たな民族が自らの生命力を操る力を帝国に向け続けることを端とする黒い意志が伴った戦争となる。


その生命力を用いた人間の戦争が最初の大洪水の引き金となる。


現代人の個の分析力と力を求める欲望とがアトランティス人の意志と記憶の衝動に反映された争いの発生と持続は調停者として君臨していた皇帝マヌの蓋然性の基準に触れたことで引き起こされた。

しかし、その裁定によって生まれたのは大陸を洗い流す意志を共有されている記憶を認識した大西洋上以外で洪水の被害を被ったこの欲望に目覚めていたアトランティス人の帝国への反感だった。

その反感を糧に黒い意志と欲望が魔術となってアトランティス時空の生命力に浸透し、それぞれの持つ水と空気と重力を操る能力を反感をトリガーに起動させ、アトランティスの文明を栄えさせていた都市機構テクノロジーは武器となり、兵器となることで彼らに広く与えれていた力は相互に相手を破壊する力として濫用されるようなる。


その矛先を向けられていたのがポセイドン島である。


ポセイドン島は大西洋上でジブラルタル海峡より切り離された独立した大陸となり、皇帝マヌによって引き起こされた洪水を無傷で切り抜け、神の加護によって守られた神聖にして新生した新たな帝国の拠点、ポセイディアがあった。

しかし、かつてはトルテケン人が純血かそうでないかによる貴族の中から秘儀への適正に応じた序列による政治的な合議が絶対記憶の在り方の決定として行われてきたが、大災害後の記憶の霧の晴れたアトランティス時空のポセイドン島には沼地となった荒廃を逃れた様々な人種が様々な欲望を抱いて侵入に近い流れで混在していた。

それによりポセイディアという首都を中核とした他に、大陸の西に小さな共和国ができ、北部と南部にもポセイディアの世襲から外れた別のトルテック人たちが自分たちの王に相応しい人材を権力に登用し、小さくなった大陸の中でそれぞれの勢力がポセイドン島で覇権を争うようになる。

また、ポセイドン島での覇権争いの傍でその混沌から無縁であることを選ぶことで独立した種族となることのできたトルテケン人の亜種が現れるようになる。


それが第五亜人種族の原セム人である。


ポセイドン島を出たセム人は現在のスコットランドやアイスランド周辺のいくつかの海域に相当する山々の中から興った国の中に現れる。

彼らは第二の黄色亜人種にあたり黄色というより白に近い肌が特徴の種族だった。

言語はトラテケン人の混血人たちが扱っていたような語に属するものを使った。

彼らの能力の特徴は自然に対する支配力を行使することのできる生命操作の力を放棄したことと引き換えに結びついた、欲望を制御することに重きを置くことで獲得した論理的な思考による判断力だった。

セム人は帝国や分断大陸とで破壊的に用いられている生命に支配されている魂から独立することで、欲望の強烈な衝動を俯瞰し、自らの感情を思考によってオンオフできる判断力を自らの可能性にした記憶を共有した種族となる。

彼らの魂には“それが強さである”という直観が自負としてあった。

なぜなら、その提供が高次の存在による魂の力を育成する試みであったからだ。


高次の領域で人類の民族的魂を管理しているのは大天使である。

大天使(天位階八位)は火の神霊とも呼ばれ、霊界の神デュナミス(天位階五位)の運動体の肉体部分にあたるアストラル体の火を世界観とし、人間及び動物たちの集合的魂を管理する地球の高次元存在である。

月紀では天位階九位の天使として活躍し、月で醸成されることとなった人間の魂を生命霊化させるための活動の一環で、その魂を暴走させる意志として働く悪しき生命体として人間の魂の精神化を妨げていたアーリマン存在との闘争が彼らの役割だった。

月紀は液状宇宙で、私たち霊界の自我霊は動物人間の動物的魂を通じて初めて魂に受肉することを体験し、その運動衝動を月紀の動物人間に届けたことによる顛末を、未来の進化像である地球紀の自我人間の参考として観察経験を積み上げることを霊的な目標としていた。

その目標に相応しい成熟を道にすることのできた人間の魂はその魂が見上げていた霊的存在への進化が約束され、その目標を忘却することで逸脱した道を選んだ月紀に魂だった私たちの同士が地球紀の魂の領域を形成することで、月紀から地球紀への進化の休息紀であるプララヤの時間的領域にてその存在の袂を生命霊と生命魂とに分ける。

その生命霊が「生命力を意志したかつての力を放棄せよ」と語りかける魂がある一方で、「生命力を支配する力で征服せよ」と欲望をあたかも生存戦略として煽ってくる生命魂の声とが、アトランティス時空の火種となり歪みとなって人間を道具とした魂の勢力争いが月紀とはその舞台を変えて行われていた。


生命魂に宿るは堕天した大天使として物質化のため天体周期を司る悪霊である。


八〇万年前の大洪水を境に現れたセム人たちは各種族の中でも異色だった。

肌が白いというだけではなく、アトランティス人特有の生命操作を一切使用しないにも関わらず、多くの攻撃的な意志をその思考力によって退けることに成功し続けていた。

それもアトランティス時空の中でも最も好ましくないとされていた古く荒廃した地域での活動を敢えて選んでいるのに彼らは見事に新しい種族として成長し、その頭角から自らの共同体国家を栄えさせることで南方のポセイドン島とヨーロッパ大陸から仕掛けてくる様々な侵略国家に対抗することで独立を保つことができていた。

彼らの思考力はそれだけ強力だった、ということだ。

というのも、現代でも自分で考えることができる人間と過去と同じことを繰り返す人間とがどちらが新しくなり続ける日常の中で進歩的で、改善の可能性を見出し過去を置き去りにすることで、進歩することのない存在を圧倒できるかを考えれば、その強さの差は歴然だろう。

仮に本能のままに武器を取った動物がいたとしよう。

決して簡単であるとまではいかないが、本能である能力の傾向と武器の性能とがある程度分析できれば実践でも戦略的な攻略が可能であり、たとえ不意を突かれて敗走したりしたとしても、その失敗の経験からこれからのことを過去の出来事の比較をして様々な可能性を想定することができる。

それら判断能力を持たない大洪水以降の荒廃した地球環境の中で、本能的な怒りと憎しみと生存戦略に駆られるアトランティスの諸種族とは知性のあり方があまりに違いすぎることから、その生活圏は距離を取る必要があることは必須であり、その距離を通じて大多数を上回るだけの強さの象徴とも言える存在がセム人たちのバックにはいた。


それが後にノアと呼ばれるセム人の中でも特に優れた一族だった。


もちろんノアの箱舟伝説で語られるノアと関連がある。

しかし、それは今から約九〇〇〇年前のアトランティス時空終焉の際の話であり、ここで登場するノアはポストアトランティスのモデルとして生き残ることが約束されたノアの一族が有した優れた能力を示し続けた祖先のお話である。

その祖先とはマヌなのである。

ポセイドン島で祀られている皇帝マヌは物質的な人間ではない。

そして、ノアもまた人間ではないがいわゆる半神半人の地上に降臨した神である。

八〇万年前にマヌが蓋然性を無視して大洪水を発生させようとしていた際に、善良な良心とも呼べるマヌの分神として生き別れ北欧へと自らの魂を分け与えた一族を北欧へと導いたのがノアだった。

ノアは生命力こそ使用しなかったが、その生命力を変質させた魂の思考力で、その魂を次の次元での可能性のため選んだのが大天使であることから、ノアと記憶を共鳴させることのできたアトランティス人の生き残りが現代のポストアトランティスの人類の祖としての課題をすでに有してアトランティスの時空を活動していたのである。


力に溺れることのない強さを有した思考する一族が時空を席巻するのだ。


大洪水を生命力を魂で思考する力に換えたセム人たちは黄金時代を築いた帝国にかわる新たな国家機構を現在のユーラシア大陸にあたる領域の広い範囲で展開していく。

国家機構といっても、セム人は遊牧民に近い活動を生活の基盤にしていたことから、それぞれに族長という民族の長を立てて、その指示に多くの人は倣った法に基づいて暮らすことを生業にしていた。

その上で侵略に強い居城と武力を兼ねていたことから、セム人たちの組織は中世のモンゴル帝国の在り方ととてもよく似た政治形態を取っていた。

その知的戦略と巧みな交渉術とでポセイドン島から独立した大大陸において彼らセム人は多くの植民地を獲得していたことから、その後五〇万年間にも及ぶ帝国組織を築き上げたのが原セム人種たちの時代だった。

その間、ポセイドン島のポセイディアの黄金門の都市をも占領したことがあるほどに、彼らの思考力による組織国家はアトランティス人の粗暴で応用力のない人形兵たちの力には特効で、セム人たちは彼らの生命を破壊するのではなく、思考を用いてエーテル領域に漂っている集合的魂の書き換えを行なっていた。


それがノアの一族の優れた能力だった。


半神半人のノアの記憶を共有する原セム種族の優れた人間は人体のリンパや血液として流れる体液の要素を触媒としている大天使の化身である生命霊の声を聞くことができた。

生命霊とは魂に生命の記憶のソフトを提供している宇宙の図書館とも言える人類の魂が置き去りにされている因果の坩堝を管理している物質的記憶と霊的記憶とをフィルターにかけている境域の番人である。

私たちの代謝をリズムよく振動させてくれている無意識下とも言える世界の管理人とコミュニケーションを思考力と判断力を保ったまま行うことができる、それが優秀なセム人たちが行なっていたことだった。

また彼らの眠りの間で行われていた我々現代人とのコミュニケーションは完全とまではいかないまでも、自らで思考するという行為においてはすでに彼らの覚醒状態にて顕現されていることから、その眠りは私たちと同様に無意識下で行われていることとさほど変わりはないが、その夢や啓示のメッセージへの解釈においてのその理解力の解像度は天と地ほどの違いがある。

なぜなら、半神半人を自覚していた優秀なセム人たちほど眠りの中の天使存在を明確に知覚し、さらに優秀な覚醒者であればエーテル領域の記憶の番人と会話するだけではなく、その神的知覚と合一化することでその神の持つ世界観が持つ無限の意味をも共有的に垣間見ることまでできるのが人間の思考が持つ権能なのだ。

そして、このセム人由来の対象への思考権能は現代の私たちが彼らとのつながりから生命と魂の関係性とその振る舞いを顧みることをいかにして行うのかによる、その完全なる仕上げ如何で私たちは新エルサレム(地球紀の次の木星紀)の時空の立ち位置が占われることとなっている。

セム人がアトランティス時空にて成し遂げたことは意識と無意識の反転である。


それだけが私たち現代人が彼らを参考すべき全てである。

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